CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。

お電話でのご相談はこちら(無料)

03-4500-7072

CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。

M&Aのメリットとデメリットは?買い手と売り手の立場別にわかりやすく解説

M&A / 基礎知識

  • 公開日2024.12.18
  • 更新日2024.12.25

M&Aのメリットとデメリットは?買い手と売り手の立場別にわかりやすく解説

シェアする

M&Aは経営戦略として非常に注目されていますが、全ての取引が成功するわけではありません。メリットだけでなく、デメリットも理解しておくことが重要です。
本記事では、買い手企業および売り手企業の両方の視点からM&Aのメリットとデメリットを詳細に解説します。

M&Aの動向と実施の目的

M&Aは、企業の経営戦略として選択されるケースが増えています。M&Aの増加傾向や背景には、デジタル化の進展やグローバル化の進行など、様々な要因が影響しています。また、大企業によるスタートアップの買収や、業界再編による競合の取り込みとも関連しています。

近年のM&Aの動向は?増加傾向にある背景

近年M&Aが増加傾向にある背景には、経済のグローバル化やテクノロジーの進化、後継者問題といった多くの要因が関与しています。企業が市場で競争力を維持し、更に発展するためにM&Aを戦略的に実施するケースが増加しています。

M&Aは、企業の成長戦略や近年の諸問題解決の手段として今後も重要な位置づけを持ち、経済全体に大きな影響を与え続けると予測されています。

グローバル化

グローバル化により、国内外での市場競争は激化しています。そのため、海外市場へ迅速に参入する手段としてM&Aが有効とされています。例えば、アジア市場への参入を目指すヨーロッパの大手企業が現地企業を買収することで、迅速に市場に根付く例があります。

テクノロジーの進化

新しい技術やデジタル革命によって、企業はこれまで以上にイノベーションが求められています。そのため、テクノロジー企業の買収を通じて自社の技術力を高め、競争力を保持する企業が増えています。

少子高齢化に伴う後継者問題

中小企業では経営者の高齢化に伴い、後継者が見つからず廃業の危機に直面することが少なくありません。こうした場合に、自社の存続と発展を図るために、M&Aは効果的な解決策となります。

企業がM&Aを行う目的

M&Aを行う目的には、市場シェアの拡大や事業の多角化、後継者問題の解決や成長速度を早めるといったことが挙げられます。自力での成長には長い時間と資源が必要であるため、既存企業を買収することで早期に市場シェアを確保し、新たな事業分野へ進出することが可能です。

例えば、大手テクノロジー企業が新興フィンテック企業を買収することで、一気に金融サービス市場に参入し事業の多角化を図ったり、家族経営の製造業が大手企業に買収されることで後継者問題を解決し、多くの従業員の雇用を継続させるためにM&Aを行うなども考えられます。

【売り手企業向け】M&Aのメリット

売り手企業がM&Aを検討する際、事業の持続や後継者問題の解決など多くのメリットがあります。それ以外にも、以下のようなメリットがあげられます。

  • 事業の存続
  • 後継者問題の解決
  • 従業員の雇用維持
  • 経営者・創業者利益の獲得
  • 個人保証からの解放

譲渡オーナーは、M&Aにより経営者個人の利益確保や従業員の雇用維持、個人保証からの解放などを達成し、安心して次のステップに進むことが可能です。

事業の存続

売り手企業にとってM&Aは、事業の存続を確保できる手段の一つです。経営者のリタイアや市場の変化などにより、独立して事業を続けることが難しくなった場合、M&Aを通じて事業を引き継ぐ新しい企業や経営者を見つけることが可能です。

後継者問題の解決

日本では多くの中小企業で、経営者が高齢化する一方で、後継者が見つからないという問題があります。そこでM&Aを行うことで、第三者に経営を引き継いでもらうことができます。

近年、地方の製造業者が事業を継続するためにM&Aを通じて大手企業に吸収されることで、後継者問題を克服し、事業を存続させるケースが多く見られます。こうした事例は特に地方の中小企業において顕著で、地域経済の活性化も期待できます。

従業員の雇用維持

M&Aは、従業員の雇用維持に寄与することがあります。経営難に直面している企業にとって、M&Aは新たな資本やリソースを導入する手段となるため、これにより従業員の雇用を維持することができます。

こうした雇用維持を目的として、より経営基盤の安定した大企業とのM&Aを検討する中小企業のオーナーも多いです。

経営者・創業者利益の獲得

M&Aを行うことにより、経営者や創業者が株式や資産の売却を通じて現金収入を得られるため、引退後の生活資金や新たな投資の原資にすることができます。

中小企業の経営者が自分の会社を大手企業に売却することで、大きな売却益を手にし、それをリタイア後のプランや別のビジネスに投資するケースも多いです。

個人保証からの解放

M&Aを行うことで、経営者は個人保証から解放される可能性が高まります。多くの場合、中小企業の経営者は会社の借入金に対して個人保証を提供していますが、M&Aを通じて新しい所有者がこの負担も引き継ぐ場合、経営者は個人保証から解放されます。したがって、M&Aは経営者がリスクを軽減する手段ともいえます。

【売り手企業向け】M&Aのデメリットやリスク

M&Aは売り手企業にとって多くのメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットやリスクも伴います。具体的には、以下のようなリスクがあげられます。

  • 買い手企業が見つからない可能性がある
  • 希望する条件で売却が難しい可能性がある
  • 従業員の雇用や役割が維持されない可能性がある
  • 従業員のモチベーション低下、離職の可能性
  • 企業文化の違いによる衝突
  • 経営権の喪失
  • 取引先との関係悪化

これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが大切です。ここでは、売り手企業が直面する可能性のあるデメリットとその対策について解説します。

買い手企業が見つからない可能性がある

M&Aにおいては、適切な買い手企業が見つからない可能性があります。例えば、市場のニーズと売買対象企業の特性が合わない場合が挙げられます。また、高額な買収価格を設定しているなど売り手企業側の条件が厳しすぎる場合も、買い手企業の関心を惹きにくくなります。

このようなリスクを回避するため、事前の市場調査と柔軟な条件設定が重要です。事前の市場調査を通じて、自社の強みや買い手企業が求めるポイントを把握し、それに合わせた譲渡条件を設定することが求められます。

また、市場の動向や買い手企業の財務状況を把握することで、双方にとって有益な条件を提示できるようになります。

希望する条件で売却が難しい可能性がある

M&Aでは理想的な条件での売却が難しい場合があります。買い手企業が、自社の利益を最大化するために交渉を有利に進めようとするケースも存在するからです。特に、業績が不安定な企業や特定の市場での競争力が低い企業の場合、買い手側が条件を厳しく設定する傾向があります。

理想的な条件での売却が難しい可能性があることを理解し、状況に応じて柔軟な交渉姿勢を持つことが重要です。プロのアドバイザーや専門家を活用して、妥当な交渉条件を引き出すための戦略を練ることも、成功へのポイントです。

従業員の雇用や役割が維持されない可能性がある

M&Aの過程で、従業員の雇用が維持されない可能性があります。経営者変更や事業再編に伴い、重複する役職やポジションが発生し、結果として配置転換や役割の変更が行われることがあります。

また、働き方の変更によって従業員から不満の声が上がる可能性もあります。このような事態を避けるために、M&Aの過程で従業員の雇用に関する議論を慎重に行うことが重要です。

従業員のモチベーション低下、離職の可能性

M&A成立後、従業員のモチベーションが低下し、離職する可能性があります。新しい経営体制や組織文化への適応が求められるため、従業員にとってストレスが増加することが多いためです。

例えば、企業買収後に新しい経営方針や評価システムが導入され、従業員がこれに反発して離職を選ぶケースがあります。このような事態を避けるためには、M&Aに際して従業員のモチベーション維持策を講じることが重要です。

企業文化の違いによる衝突

M&Aにおいて企業文化の違いが統合の障壁になることが多いです。企業文化は、長年にわたり形成された企業内の習慣や価値観であり、異なる文化が混在するとコミュニケーションや業務遂行に支障をきたす場合があります。

例えば、ベンチャー企業と大企業が合併する際、ベンチャー企業のフラットな組織文化と大企業の階層的な組織文化が衝突し、意思決定プロセスの違いや働き方の違いが問題になることがあります。

ベンチャー企業は自発性や迅速な意思決定を重視するのに対し、大企業は階層的な意思決定プロセスや従来の業務フローを重視することが多いため、これが合併後の組織運営において混乱を招くことがあるのです。

M&Aを成功させるためには、企業文化の違いを認識し、統合プロセスを慎重に進めることが重要です。

経営権の喪失

M&Aを行うと、買い手企業が経営の主導権を握るため、元の経営者が経営に参加できなくなるケースが一般的です。例えば、ある中小企業が大手企業に買収された場合、これまでの経営者は役員や顧問として残ることもありますが、実際の経営判断は買い手側に委ねられることが多いです。

経営権の喪失に伴う影響を理解し、慎重にM&Aを進めることが重要です。経営権喪失のリスクを最小限に抑えるためにも、M&Aの目的や目標を明確に設定し、収益性や強みを十分に活用できるように計画を練ることが必要です。

また、売却後の企業統合(Integration)や組織再編(経営統合後)においても、元の経営環境とは異なる課題が新たに発生するでしょう。

そのため、事前に議決権や経営方針の調整についても詳細に契約書に明記し、取締役や株主総会における権限の明確化を図ることが重要です。

取引先との関係悪化

M&Aによって取引先との関係が悪化する可能性があります。これは、新しい経営方針や方針変更が取引先の期待と一致しない場合に起こり得ます。

具体的には、新しい経営者が取引条件を変更したり、サービスや支援の優先順位を変えてしまうと、長年築いてきた信頼関係が揺らぎます。新しい経営方針がどのように取引先に影響するかを事前に慎重に検討し、柔軟な交渉を行うことが求められます。

【買い手企業向け】M&Aのメリット

M&Aは、企業が事業規模を拡大し成長を加速させるための強力な手段です。例えば、以下のようなメリットがあげられます。

  • 事業規模や市場シェアの拡大
  • コスト削減と効率化
  • 新規事業への進出、多角化
  • 優秀な人材の確保
  • 技術力・ノウハウの取得
  • ブランド力の強化
  • 顧客基盤の獲得
  • 規制が厳しい市場や海外市場への参入

これらのメリットを理解し、戦略的に活用することが重要です。以下では、買い手企業が得られるさまざまなメリットについて詳しく解説します。

事業規模や市場シェアの拡大

M&Aを通じて事業規模を拡大し、市場シェアを迅速に取得することが可能です。M&Aは既存の事業基盤や顧客基盤を活用することで、新規市場への参入やシェア拡大をスピーディーに実現できます。新たにゼロから市場に参入するよりも、既存のリソースを使うことで大幅に時間を短縮できます。

コスト削減と効率化

M&Aにより、コスト削減と効率化が実現できます。経済規模の拡大に伴い、スケールメリットを活用することで運営コストが削減されるからです。

重複する部署や機能を統合することで人件費や運営費を削減し、技術やノウハウを共有することで効率的な生産体制を築くことが可能です。

新規事業への進出、多角化

新規事業への進出や多角化は、企業の成長とリスク分散に大きく寄与します。既存事業だけに依存するリスクを避けるため、M&Aを通じて新たな市場や事業領域に進出することで、収益の多様化を図ることができます。また企業の成長機会を増やし、市場の変動にも柔軟に対応できるようになります。

優秀な人材の確保

M&Aを通じて優秀な人材を確保することで、企業の競争力が向上します。優秀な人材は企業の成長に不可欠であり、特に専門性が高い技術者や経営層は市場価値が高く獲得に難航している企業も多いです。

一例として、ある企業が技術力の高いスタートアップを買収することで、そのスタートアップの才能あるエンジニアやリーダーシップを持つ経営者を迅速に取り込むことができます。これにより、自社の成長に必要なスキルや経験を持つ人材を得ることで、競争力を強化することが可能です。

技術力・ノウハウの取得

技術力やノウハウを取得する目的でM&Aを実施することは、市場競争力を大幅に向上させるための重要な手段です。これにより、既存のリソースや時間を節約しながら、高度な技術やノウハウを迅速に手に入れることができます。

M&Aを通じて技術力やノウハウを得ることは、自社で開発するよりもリスクが少なく、即戦力として活用できる点が魅力です。

ブランド力の強化

M&Aは、企業のブランド力を強化する重要な手段です。M&Aにより既存のブランドと一体化することで、より強いブランド認知度や信頼性を得ることができます。

例えば、大手飲料メーカーが地方の有名な飲料ブランドを買収することで、その信頼されたブランドの名の下で展開することができるため、市場参入が容易になります。M&Aによって企業のブランド力を強化し、市場での競争力を高めることに有効です。

顧客基盤の獲得

M&Aは、新たな顧客基盤を迅速に獲得する有効な手段です。既存の企業と合併することで、その企業が持つ顧客リストやマーケットシェアを短期間で自社に取り込むことができます。売り手企業が持つ販売チャネルや顧客リストが、自社と相性が良いかどうかを見極めることが大切です。

規制が厳しい市場や海外市場への参入

規制が厳しい市場や海外市場への参入をスムーズに行うために、M&Aを活用することも有効です。規制が厳しい市場や文化やビジネス習慣が異なる海外市場において、それらの市場に属する企業との提携や買収を通じて足掛かりをつかむことができるからです。

一例として、日本企業が厳しい規制のある欧州市場に参入する場合、現地の企業を買収することで、その企業が持つ許認可や市場知識を活用してスムーズな市場参入が可能です。

【買い手企業向け】M&Aのデメリットやリスク

買い手企業にとって、M&Aには多くのメリットがある一方で、デメリットやリスクも存在します。

  • 想定以上の費用がかかる可能性がある
  • 想定通りのシナジーが得られない可能性がある
  • 組織文化の統合が困難な場合がある
  • 簿外債務などのリスク

M&Aを成功に導くうえで、考慮すべきデメリットについて解説します。

想定以上の費用がかかる可能性がある

M&Aにおいては、買収や統合に関する費用が当初の予想を超えるケースがよくあります。想定以上の費用が発生する主な理由は、デューデリジェンスの段階で見つからなかった問題や、統合作業の複雑さによるものです。例えば、買収後に隠れた負債が発見された場合や、システム統合の遅れによる追加コストなどが挙げられます。

事前の詳細なデューデリジェンスと統合後の綿密な計画が、将来的な予期しない費用を防ぐために重要です。このため、M&Aを実施する前にしっかりとした調査と計画を行うことが非常に重要です。

想定通りのシナジーが得られない可能性がある

社会情勢の変化といった外的要因以外にも、事前の期待値が高すぎる、統合後の運営における具体的なプランが不十分であるといった理由から、想定通りのシナジーが得られない可能性があります。

買収前に十分なデューデリジェンスを行い、経営統合後の具体的な経営・事業計画を練ることが必要です。予想外の事態に柔軟に対応できるよう、詳細なシミュレーションを行うようにしましょう。

組織文化の統合が困難な場合がある

M&Aによる企業統合時には、組織文化の違いが大きな障壁となることがあります。企業ごとに異なる文化や価値観、仕事の進め方が根付いているため、それらを一致させるのは困難を極めます。これにより、統合後の事業推進および個々の業務遂行に支障をきたす可能性があります。

これらの問題を解消するため、経営者自身や管理職が積極的に関与し、全社をあげたコミュニケーションの活性化を徹底することが成功の鍵となります。例えば、社員同士の交流を促進するためのイベントや共同プロジェクトを設けることが有効です。

簿外債務などのリスク

M&Aには簿外債務などの隠れたリスクが存在します。このため、M&Aを行う際には、表面に出てこない簿外債務や過去の法律問題など、買収後に明らかになる潜在的なリスクが存在する可能性があります。

一例として、過去の未払い賃金や環境汚染に関する法的責任が発覚するケースがあり、これが企業の財務に大きな影響を与えることがあります。

M&Aの手法

M&Aの実行方法にはいくつかの種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。ここでは、主要なM&Aの手法について解説し、それぞれの利点とリスクについて詳述します。

株式譲渡

株式譲渡は、会社の所有権を一部または全て他者に移転する方法です。株式譲渡により、迅速かつスムーズに会社の所有権を移動でき、かつ契約の自由度も高いというメリットがあります。

具体的には、小規模企業の経営者が後継者問題を解決するために、自社株を第三者に売却することで経営権の移転を行います。この方法を活用すれば、売り手側は所有権を完全に移転することもでき、企業の理念や従業員、事業を守ることができます。

事業譲渡

事業譲渡は売り手企業が特定の事業だけを譲渡する方法です。会社全体ではなく、一部の事業のみを売却することで、売り手企業は主要業務や持株会社の経営はそのまま継続することができます。

例えば、食品メーカーが収益性の低い子会社の飲料事業のみを事業譲渡し、利益率の高い主力事業に集中するケースがあります。事業譲渡は。売り手企業が事業の選択と集中を図るための有効な手段です。

合併

合併は複数の企業が一つになることで、大規模なシナジー効果を期待できる手法です。合併には、吸収合併と新設合併の2つの手法があります。グループ内事業再編などに用いられる場合もあります。

吸収合併は合併する対象企業の中で1社のみが存続し、その他の企業が保有する全ての権利義務が存続する1社に吸収され、その他の企業は解散となります。経営統合までのスピードが速く、市場シェア拡大やコスト削減などのシナジー効果を早期に実現できるメリットがあります。

対して新設合併は、対象企業は全て解散し、新たに設立する会社に全ての権利義務を承継します。ただし、消滅する会社が保有していた許認可の消滅などのデメリットもあるため、吸収合併が使用されるケースが多いです。

その他の手法(会社分割、資本業務提携、株式交換・株式移転など)

M&Aの手法には、会社分割や資本業務提携、株式交換・株式移転など他にも様々な種類があります。これらの手法は、企業の状況や目的に応じて柔軟に選択が可能です。

例えば、会社分割は特定の事業部門を分離し、新たな企業として展開する際に有効です。また、資本業務提携は特定の技術や資源を共有することで、互いの強みを生かすことができます。M&Aの多様な手法を理解し、自社の戦略に最適な方法を選ぶことが重要です。

M&Aを成功させるためのポイント

M&Aは企業にとって重要な経営判断であり、その成功には専門的な知識とノウハウが不可欠です。ここでは、M&Aを成功に導くための専門家の役割と、適切な専門家の選び方について解説します。

専門家(M&Aアドバイザー、弁護士、会計士など)のサポートに相談する

M&Aの成功には、様々な専門家のサポートが必要不可欠です。主な専門家として、M&Aアドバイザー、弁護士、会計士が挙げられます。

M&Aアドバイザー

プロジェクト全体を統括する重要な役割を担います。全体的な戦略立案から、買収・売却候補企業の発掘、条件交渉まで幅広く関与します。また、企業価値評価や適正な取引価格の算定も行い、関係者間の調整役としても機能します。

弁護士

法務面での支援を提供します。契約書の作成や法的リスクの確認はもちろん、法務デューデリジェンスの実施も担当します。また、規制当局への対応や株主総会などの各種法的手続きもサポートします。

会計士・税理士

財務・税務面での専門家として重要な役割を果たします。財務デューデリジェンスの実施や税務上の影響分析を行い、適切な節税戦略を立案します。また、企業価値評価のサポートや会計処理方針の検討も行います。

このような専門家の支援を受けることで、潜在的なリスクを早期に発見し、適切な対策を講じることができます。また、効率的なプロセス管理により、時間とコストを削減することも可能です。自社にとってどの分野の専門家のサポートが必要かを、見極めることが大切です。初めてM&Aを行う場合は、M&Aアドバイザリーと面談し全体像を掴む方法も有効です。

専門家を選ぶときのポイント

M&Aの成功には適切な専門家の選定が重要です。選定にあたっては、実績と経験、専門性と対応力、コミュニケーション能力、費用体系の透明性といった点に注目する必要があります。

実績と経験

類似案件の取扱実績や対象業界における知見が重要です。過去の成功事例や失敗事例から学べる知見を持っているかどうかも、重要な判断材料となります。

専門性と対応力

業界特有の課題への理解度や、複雑な取引構造への対応力や、最新の法規制・会計基準への精通度も重要な要素です。

コミュニケーション能力

わかりやすい説明と提案力、迅速なレスポンス、関係者間の円滑な調整能力が求められます。特に経営者との相性は、プロジェクトの円滑な進行に大きく影響します。

費用面

明確な報酬体系が提示されているかどうかがポイントとなります。追加費用の発生条件や成功報酬の設定など、費用に関する透明性の高さを確認することが重要です。

専門家の選定においては、複数の候補から提案を受け、比較検討することをお勧めします。初回相談時には、担当チームの体制や具体的なアプローチ方法、想定されるスケジュールや費用などについて確認しましょう。

専門家の選び方に関しては、下記の記事でも解説しております。併せてご覧ください。

関連記事】安心のM&A仲介会社選び|失敗しないためのポイント・FAとの違い

まとめ

M&Aのメリット・デメリットを立場別に解説しました。それぞれの立場での具体的な利点や注意点を理解することは、M&Aの成功に導くために重要です。

M&Aを検討している企業は、この記事を参考に、専門家の意見を交えながら具体的なプラン作成を進めることをおすすめします。企業にとって重要な意思決定であるM&Aを成功させるためにも、適切なパートナーを見つけ、綿密な準備を行いましょう。

CINC Capitalでは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&A・事業承継のご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&A・事業承継の相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長。リクルート関連会社や外資系製薬会社、大手・ベンチャー独立系M&A仲介会社で営業組織を牽引。 特にM&A実績の多い業界は調剤・IT・運送業。

OTHERS 関連コラム すべてのコラムを見る

SEMINARセミナー すべてのセミナーを見る

CONTACTお問い合わせ

秘密厳守いたします。お気軽にご相談ください。最新の業界動向・M&A相場などわかり易くご説明させていただきます。