CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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支援 / アドバイリー
- 公開日2025.04.11
- 更新日2025.04.14
M&Aアドバイザーとは?仕事内容や起用するメリット・デメリット、選び方のポイントを解説
M&Aアドバイザーは、企業の合併・買収のプロセスをサポートする専門家です。M&Aの戦略立案から取引完了まで一貫したサポートを提供し、企業の重要な経営判断を支援する役割を担います。
本記事では、M&Aアドバイザーの役割、具体的な業務内容、報酬体系、起用するメリット・デメリット、選ぶ際のポイントについて解説します。これからM&Aを検討している経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
M&Aアドバイザーとは?
M&Aアドバイザーとは、M&Aの契約成立までの取りまとめ役を担う専門家です。「M&Aコンサルタント」とも呼ばれます。M&Aアドバイザーは主に「ファイナンシャルアドバイザー(FA)」と「M&A仲介会社」に分類されます。
FAは特定の企業(売り手または買い手)の立場に立ち、依頼企業の利益を最大化するようアドバイスを提供します。一方、M&A仲介会社は売り手と買い手の間に立ち、中立的な立場で両者のマッチングと取引の仲介を行います。なお、仲介形式は「媒介」とも呼ばれます。
アドバイザリー形式では、売り手と買い手それぞれにM&Aアドバイザーが着任し、各々の立場で助言をするのが特徴です。一方、仲介形式ではM&Aアドバイザーが買い手側と売り手側の間に入り、中立的な立場で助言を行います。
M&Aアドバイザーになるために必須の資格はありません。ただし、一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会(JMAA)が認定する「JMAA認定M&Aアドバイザー(CMA)」などの民間資格は存在します。
M&Aアドバイザーの仕事内容
M&Aアドバイザーは、M&Aプロセスの各段階に応じてさまざまな業務を担っています。
初めに取り組むのが、M&A戦略の立案です。M&Aの有効性を経営視点で考え、具体的な戦略を立案します。
次に、デューデリジェンスの調整・管理を行います。デューデリジェンスとは、買い手企業が売り手企業を詳細に調査し、企業価値やリスクを洗い出す工程です。実際の調査は会計士・弁護士・税理士などの専門家が担当しますが、M&Aアドバイザーはこれらの調査を統括し、結果を取引条件に反映させる重要な役割を担います。
財務・税務・法務・ビジネスモデルなど多岐にわたる調査を効率的に進めるための調整が、M&Aアドバイザーの重要な業務の一つです。
このほかに、取引条件の交渉も重要な業務の一つです。M&Aアドバイザーは、取引執行段階で資金調達や契約書類作成を支援し、最終的な契約締結までサポートします。
M&Aアドバイザーを起用する際の報酬体系
M&Aアドバイザーの報酬には「着手金(リテーナー)」「月額報酬」「中間報酬」「成功報酬」の種類があり、案件の進行状況に応じて段階的に報酬が発生します。各報酬の金額や条件は、仲介会社によって異なるのが一般的です。
着手金はM&A業務の開始時に支払う初期費用です。着手金は原則として、M&Aが成立しなかった場合でも返金されません。
月額報酬は、M&A業務の進行中に定期的に支払う費用です。アドバイザーを専属で案件に就かせるための費用として設定されています。中間報酬は、M&Aプロセスが一定の段階まで進んだ際に発生する費用です。多くの場合は基本合意時に発生し、「第1次成功報酬」と呼ばれることもあります。
成功報酬はM&A取引が成立した際に支払う最終的な報酬です。全体の報酬の中で最も金額が大きくなり、「レーマン方式」と呼ばれる計算方法で算出する仲介会社が多く見られます。
M&Aアドバイザーを起用するメリット
M&Aアドバイザーを起用すると、専門知識の活用、適正な企業評価、有利な交渉、手続きの効率化など、さまざまなメリットが得られます。それぞれ具体的にご説明します。
専門知識と経験を活用できる
M&Aアドバイザーは、財務・法務・税務など多岐にわたる専門知識を持ち、豊富な経験を活かしてM&Aの仲介をサポートします。M&Aには複雑な手続きや多角的な視点での判断が必要となるため、専門家の助言が欠かせません。
適正な企業価値評価ができる
M&Aアドバイザーは専門的な分析手法を用いて、対象企業の真の価値を見極め、適切な取引価格を設定します。具体的には、「コストアプローチ」や「マーケットアプローチ」などの手法を駆使して適切な企業価値を算定し、説得力のある交渉材料を用意します。
交渉を有利に進められる
M&Aアドバイザーは、豊富な交渉経験と専門知識を活かして、クライアントにとって有利な交渉条件を引き出します。これにより、希望条件に近い形でのM&Aを実現しやすくなります。
手続きを効率化できる
M&Aが完了するまでには多くの手続きと時間を要します。M&Aアドバイザーのサポートを受けることで、複雑な手続きを効率的に進められるでしょう。
成約の可能性を高められる
M&Aアドバイザーは検討段階から支援に入り、企業価値の算定や書類作成など、成約に向けた一連のプロセスをサポートします。また、幅広いネットワークを活用して最適な相手先を見つけられるため、成約率も高まる傾向があります。
M&Aアドバイザーを起用するデメリット
M&Aアドバイザーを起用する際には、取引の質が左右されるリスク、意思決定の複雑化、利益相反の可能性という主な3つのデメリットがあります。メリットと併せて考慮しておきましょう。
アドバイザーの質に取引が左右される
M&Aアドバイザーの経験や専門知識の程度によって、取引の成否や条件が影響を受けることがあります。未熟なアドバイザーは交渉の重要な局面で不適切な発言をしたり、必要な資料を適時に準備できなかったりすることで、案件の失敗を招く可能性があるでしょう。
自社の意思決定が複雑になる
M&Aアドバイザーを起用した場合、意思決定プロセスが複雑化して社内外の調整が必要となり、M&A取引の進行が遅れる可能性があります。また、多くの関係者が関わることで、情報漏洩のリスクが高まる点にも注意が必要です。
アドバイザーの手数料体系が利益相反を生むおそれがある
M&Aアドバイザーの報酬体系は、主に成功報酬型が採用されています。悪質な仲介会社の場合、短期間での取引の成立を優先するあまり、依頼企業の最善の利益を考慮せずに取引を推奨する可能性があります。
M&Aアドバイザーを選ぶときのポイント
ここでは、M&Aアドバイザーを選ぶときに注視すべきポイントを解説します。過去の実績や専門性、料金・手数料体系などを漏れなく確認しましょう。
実質的なサポート体制を確認する
M&Aアドバイザーを選ぶ際は、表面的な実績だけでなく、実質的なサポート体制を確認することが重要です。具体的には、以下のポイントをチェックしましょう。
- 実際に案件を担当するアドバイザー個人の経験年数と実績
- アドバイザー1人あたりの同時担当案件数
- 休日や時間外の対応可能性
- バックオフィスのサポート体制の充実度
同時担当案件数が多すぎると、十分な対応が難しいと懸念されます。また、M&Aは時に緊急対応が発生するので、休日や時間外の対応可能性も確認が必要です。
特に中小企業のM&Aでは、担当者の経験と熱意が成功の鍵を握ります。初回の相談時に、これらの点について具体的に質問することをお勧めします。
手数料体系が適正か判断する
M&Aアドバイザーの手数料体系は各社によって異なります。例えば、近年は完全成功報酬制のM&Aアドバイザーが増加傾向にあります。完全成功報酬制の場合、成功報酬以外の手数料は発生しません。予期しない費用の発生を避けるためにも、各社のM&A手数料の詳細を確認しておきましょう。
企業の意向を尊重する姿勢を見極める
M&Aのプロセスでオーナーの気持ちが揺れ動いたとき、背中を押したり、時には立ち止まったりと、依頼主の意向を尊重できるアドバイザーが望ましいといえます。経営者の意向や要望などを真摯に聞き、寄り添いながら取り組んでもらえる、信頼できるアドバイザーを探しましょう。
まとめ|スムーズにM&Aを進めるならM&Aアドバイザーへの相談を
M&Aアドバイザーは、企業のM&A戦略をサポートするパートナーです。専門知識と経験を活かして、企業価値の向上、円滑な交渉、手続きなどを支援します。一方で、アドバイザリーの質による取引の左右、意思決定の複雑化、利益相反のリスクといったデメリットも存在します。
M&Aアドバイザーを探すときは、過去の実績や専門性、評判・口コミなどを確認することがおすすめです。信頼できるアドバイザーとともに、M&Aを慎重かつ戦略的に進めていきましょう。
弊社CINC Capitalでは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、業界最低水準の手数料体系で高品質なM&Aアドバイザリーサービスを提供しています。
業界経験10年以上または特定業界に精通した専門アドバイザーのみがお客様のM&Aをサポートするため、深い知見に基づいた戦略的アドバイスが可能です。さらに、マーケティングテクノロジーを活用したM&A仲介プロセスの効率化により、スピーディーかつ最適なマッチングを実現しています。
M&Aに関するご相談は、ぜひCINC Capitalの経験豊富なアドバイザーにお気軽にお問い合わせください。お客様の真の利益を追求し、最適なM&A実現に向けてサポートいたします。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。