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M&Aの基本的な流れを解説|検討からクロージングまで

M&A / 流れ

  • 公開日2024.10.01
  • 更新日2024.11.06

M&Aの基本的な流れを解説|検討からクロージングまで

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近年、企業の成長戦略や事業再編の一環としてM&Aがますます重要視されるようになっています。
しかし、実際にM&Aを進めるには多くのステップと専門知識を要するため、初めての方にとって高いハードルに感じるかもしれません。

本記事では、売り手企業(譲渡側)に向け、M&Aの流れ・プロセスを解説します。M&Aのプロセスは、大きく下 記の4つに分類することができます。

・準備フェーズ
・マッチングフェーズ
・交渉フェーズ
・実行フェーズ

4つのフェーズは、さらに細かいプロセスで構成されています 。各フェーズの細かいプロセスも解説していきます。
※本記事は、M&A仲介会社から支援を希望する企業向けにお伝えいたします。

M&Aの基本的な流れ|準備フェーズ

本記事では、M&Aに興味がある方に向けて、M&Aとは何か、そして代表的な手法について解説します。また、M&Aのメリットやデメリットついても触れていきます。

M&Aを円滑に進めるためには、準備フェーズが非常に大切です。適切な事前準備は、今後必要なプロセスを行う際にトラブル防止・リスク軽減に繋がります。

準備フェーズは、下記の4つのプロセスで成り立ちます。

  • 初回面談
  • 秘密保持契約(NDA)の締結
  • 財務資料の共有
  • アドバイザリー契約の締結

    初回面談

    初回面談では、売り手企業がM&A仲介会社と面談を行います。
    初回面談を成功させ、M&Aの進行を円滑に進めるための基盤を築きましょう。

    秘密保持契約(NDA)の締結

    秘密保持契約(NDA)の締結は、情報漏洩を防ぐために必要な契約です。
    M&Aのプロセスでは機密情報が多く扱われるため、情報漏洩を防ぐ秘密保持契約は必須です。

    秘密保持契約を締結することで、売り手企業が安心して情報提供ができるようになります。早期に締結し、情報の適切な管理を確保しましょう。

    財務資料の共有

    財務資料の共有は、正確な企業価値評価のために必要です。このタイミングでM&A仲介会社に財務資料を共有します。

    売り手企業の財務資料を参考に、経営実績や価値を評価し、売却価格を算出していきます。財務資料は、財務諸表、税務申告書などが該当します。

     

    アドバイザリー契約の締結

    アドバイザリー契約は、専門的な支援を受けるために必要な契約です。
    M&A仲介会社を始め、弁護士、会計士、M&A専門のコンサルタントなどの専門家と契約し、それぞれの専門分野での支援を受けます。

    このタイミングで報酬などについて記された重要な契約を結ぶことになります。
    適切なアドバイザーと契約し、専門的なサポートを受けてM&Aを成功に導きましょう。

    M&Aの基本的な流れ|マッチングフェーズ

    マッチングフェーズは、売り手と買い手の間で具体的な協議が行われるプロセスです。このフェーズでは、適切な買い手企業を見つけ、初期交渉を進めていきます。

    マッチングフェーズは下記の8つのプロセスで成り立ちます。

    • ロングリストの作成
    • ノンネームシートの作成
    • IMの作成
    • 買い手候補の確認および選択
    • 買い手にアプローチ(ノンネームシート送付)
    • IM開示を売り手に確認
    • 買い手と秘密保持契約(NDA)の締結
    • 買い手にIM開示し、面談

      M&Aの成功には、このマッチングフェーズが非常に重要です。では、各プロセスについて解説します。

      ロングリストの作成

      ロングリストは、多くの買い手候補企業を一覧にまとめ、初期段階で幅広く検討するために必要なものです。ロングリストはM&A仲介会社が作成します。

      多くの買い手企業の中から、適切な企業を選び出しましょう。

      ノンネームシートの作成 

      ノンネームシートは、企業を匿名で紹介する文書です。
      売上(ただし利益や純資産は記載しない)や事業内容、強みなどを記載します。

      有力な買い手に買ってもらうために、目を引くように作成していくことがコツとなります。支援を受けるM&A仲介会社と相談しながら作成をしましょう。

      IMの作成

      IM (インフォメーションメモランダム)は売却予定の企業の情報を記した書類を指します。IMはM&A仲介会社が作成します。

      これらの文書は、買い手に対して企業の価値を具体的に伝え、関心を引き出すために必要なものです。ポイントをまとめて、わかりやすく作ることが成功の秘訣と言えます。

      買い手候補の確認および選択

      売り手企業はM&A仲介会社より、買い手候補の紹介を受けます 。買い手候補先は先ほど説明した「ロングリスト」の中から選びます。

      売り手の要望や条件を満たす買い手を見つけることで、M&Aが円滑に進行します。

      複数の買い手候補から適切な買い手を選ぶ重要なプロセスとなります。

      買い手にアプローチ(ノンネームシート送付)

      買い手企業に対してノンネームシートを送付し、興味を引きます。
      初期段階で興味を持ってもらえれば、詳細な交渉や面談に繋げることができます。

      適切な買い手に対してノンネームシートを送り、売り手の企業概要や事業内容、魅力をプレゼンしていきましょう。

      買い手と秘密保持契約(NDA)の締結

      M&A仲介会社が買い手と秘密保持契約(NDA)を締結します。
      秘密情報の保護は、M&A交渉の安全性を確保するために不可欠です。

      売り手企業の秘密情報を契約締結時に定めた目途や目的以外で使うことや、他人に開示することを禁止するために締結します。

      IMの開示

      買い手企業へM&A仲介会社が作成したIMを送付し、買い手企業が内容を確認します。

      買い手企業にIMを開示する前に、売り手企業がIMの内容が問題ないか確認することが非常に大切です。

       

      買い手と面談

      M&A仲介会社は、IMを買い手企業に開示した後 、面談を実施します 。

      IMをもとに売り手企業の事業内容、財務状況、将来の展望などについて話し合います。面談を通じて、買い手の具体的な意向を理解し、次のステップに活かします。

      M&Aの基本的な流れ|交渉フェーズ

      このフェーズでは、売り手と買い手が具体的な条件や取引の詳細について話し合い、合意を目指します。

      交渉フェーズは、下記の3つのプロセスで成り立ちます。

      • トップ面談
      • 買い手から意向表明の受領
      • 基本合意書の締結

        それぞれのプロセスで何が行われるのか、具体的に見ていきましょう。

        トップ面談

        トップ面談は、売り手と買い手の最初の直接的なコミュニケーションの場です。

        面談では経営理念や将来のビジョンについて話し合い、双方が同じ方向を向いているかを確認します。

        トップ面談で信頼関係を構築することが、今後の交渉を円滑に進める上で非常に重要です。

        買い手から意向表明の受領

        買い手企業からのM&Aの意向表明を受領することで交渉は大きく進展します。
        意向表明に使用する意向表明書では、M&Aを行う意思に、取引額や譲渡資産、手法などの条件が盛り込まれます。

        明確な意向表明を受領することで、売り手企業は交渉を進めるかどうかの判断がしやすくなります。

        基本合意書の締結

        基本合意書では、売り手企業と買い手企業でM&Aに向けた意思を確認します。独占交渉権の規定を設け、設定以降は他社との交渉を行わないことを合意します。

        基本合意書を交わすことで、次の実行フェーズにあるデューデリジェンスや最終契約書の締結に向けた準備が整います。

        M&Aの基本的な流れ|実行フェーズ

        実行フェーズは、売買や譲渡などが実際に行われるフェーズ となります。

        実行フェーズは、下記の5つのプロセスで成り立ちます。

        • デューデリジェンスの実施
        • クロージングパッケージの作成
        • 最終契約書の締結
        • クロージングパッケージへの調印
        • クロージング

          デューデリジェンスの実施

          デューデリジェンスでは、M&A仲介会社が詳細な企業調査を行います。

          デューデリジェンスを実施することで、売り手企業の実際の価値やリスクを明確に把握できます。
          財務、法務、ビジネス上のリスクなどを詳細に調査し、情報の精査を行います。

          クロージングパッケージの作成

          クロージングパッケージの作成は、取引を完了するための書類準備を行うステップです。

          M&A仲介会社はM&A実行時の法的手続きに必要となる書類を全てまとめていきます。取引条件や合意事項を明確にし、トラブル防止に繋がるように進めていきます。

          最終契約書の締結

          最終契約書は、取引の最終条件を正式に取り決める重要な書類です。

          最終契約書は、M&A取引の最終的な合意を法的に確保するために必要になります。
          売り手企業と買い手企業の間で合意された価格、支払い条件、その他の主要条項が記されています。最終契約書を締結することで、取引の確実性を法的に保障します。

          クロージングパッケージへの調印

          最終契約書の締結後、クロージングパッケージへの調印を行います。これにより、売り手企業と買い手企業が正式に契約内容を確認し、法的に有効な状況となります。

          クロージング

          クロージングは、M&A取引が正式に完了する最終段階です。この段階で経営権や事業などが移転されます。

          クロージングが完了することで、M&A取引が正式に成立し、事業の統合や譲渡が開始されます。

          M&Aを成功させるための3つのポイント

          M&Aは企業成長の一手段として注目されていますが、成功させるのは容易ではありません。ここでは、M&Aを成功に導くための3つの重要なポイントについて解説します。

          M&Aの手法を理解し、適切なM&Aを選ぶ

          M&Aにはいくつかの手法がありますが、それぞれの手法を理解し、企業の状況に適した方法を選ぶことが重要です。

          企業の目指すゴールや市場状況によって適切なM&A手法は異なるため、自社に合った 手法を選定することが成功の鍵となります。

          M&Aの代表的な手法を2つご紹介します。

          ── 株式譲渡

          株式譲渡とは、会社の株式を現在の株主から新たな株主に移転することを指します。株式の移動を行うことで企業の所有権が変わります。

          ── 事業譲渡

          事業譲渡とは、会社が特定の事業を他の会社に移転させることを指します。事業を譲渡された企業が、その後の事業運営を行うことになります。

          情報の管理を徹底する

          情報漏洩や不正確な情報提供は、信頼関係を損ない、交渉を破談に導くリスクがあります。

          M&Aの流れで取り上げた、契約の締結、IMの作成などのプロセスでは、しっかり自社の機密情報に配慮しましょう。

          情報の管理を徹底して行うことで、M&Aのプロセスの透明性が高まり、成功に繋がります。

          専門家の支援を受ける

          M&Aの成功には、専門家の支援を受けることが重要です。複雑な法律や財務事項が絡むプロセスを自己判断で進めるのはリスクが高いため、専門家の助けを借りるようにしましょう。

          M&A仲介会社や弁護士、会計士などの専門家から適切な助言を受け、プロセス全体をサポートしてもらうことで、リスクを最小限に抑え、効率的にM&Aを実行できます。

          まとめ|M&Aの流れを理解すること、専門家に助言をもらうことが成功の鍵

          M&Aを成功させるためには、M&Aの基本的な流れをしっかりと理解することが重要です。

          また、専門家の支援を受けることで、リスクを低減しつつスムーズに各プロセスを進 行できます。

          弊社ではM&A仲介会社として、ご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーも在籍しております。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

          この記事の監修者

          阿部 泰士

          CINC Capital取締役執行役員社長

          阿部 泰士

          CINC Capital取締役執行役員社長。リクルート関連会社や外資系製薬会社、大手・ベンチャー独立系M&A仲介会社で営業組織を牽引。 特にM&A実績の多い業界は調剤・IT・運送業。

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