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ロングリストとは?ショートリストの違い、作成方法について解説

M&A / 基礎知識

  • 公開日2024.10.30
  • 更新日2024.10.31

ロングリストとは?ショートリストの違い、作成方法について解説

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ロングリストの作成は、M&Aにおいて取引をしたい企業を見極めるための大切なステップです。理想の買い手企業との出会いを求めている企業は、ロングリストをよく理解する必要があります。

本記事では、ロングリストの詳細、そして ショートリストの 違いについて解説します。 また、ロングリストの作成のタイミングとポイントについてもお伝えします。

ロングリストは何を指す?ショートリストとの違い

ロングリストはM&Aにおいて、理想の買い手企業を探すための重要なツールです。

ここではロングリストとは何か、また、よく比較されるショートリストとの違いについて解説します。

ロングリストとは?

ロングリストは、買い手企業候補の情報をリストアップしたものです。数十から数百の買い手企業候補が含まれることがあります。作成したロングリストは売り手企業が確認し、その中から理想の買い手企業を探すことができます 。

ロングリストは、M&A仲介会社などのM&Aアドバイザーが作成することが多いです。

ロングリストとショートリストの違い

ショートリストはロングリストからさらに絞り込まれた最終候補のリストのことを指します。

多くの買い手候補企業 の情報を一度ロングリストに記載し、その中から有力候補である買い手企業を選び出すのが一般的です。

ロングリストが数十から数百の買い手企業候補の情報が記される一方、ショートリストは20社から50社の厳選した買い手企業候補が記されます 。

ロングリストの構成

ロングリストは、詳細かつ網羅的に企業情報を収集することが求められます。詳細な情報が揃うことで、後のショートリスト作成や意思決定が容易になるからです。

実際に弊社で活用しているロングリストでは、以下の情報を記載しております 。

  1. 会社名
  2. 代表者名
  3. 大株主(買い手に対してのみ)
  4. 上場 or 未上場
  5. 業界・業種カテゴリ
  6. 事業概要
  7. 売上
  8. 利益
  9. 従業員数
  10. 会社URL
  11. 法人番号

①~⑪は弊社(M&A仲介会社)で管理するもので、売り手企業にお見せする時は以下の情報で共有します。

  1. 会社名
  2. URL
  3. 事業概要
  4. 売上
  5. 利益
  6. 法人番号
  7. 選定理由
  8. M&A実績(売り手に対してのみ) 
    └M&Aのデータベースサイトや自社収集(CINCはCAMM DB※で独自データベース化)

※CAMM DB(キャムディービー)…生成AIや自然言語処理を用いて、M&A仲介における迅速かつ最適なマッチングを行うための社内システムです。詳細はPR TIMESでもご紹介しております。

会社名は公開します 。なぜ、売り手企業に紹介しているのかという点は、「⑦選定理由」で確認できます。

ロングリスト作成のポイント|売り手と買い手別で解説

売り手企業はもちろん、買い手企業も売り手企業に情報を提供する点で、ポイントが存在します。ここでは、ロングリスト作成のタイミングとポイントについて解説します。

【売り手】ロングリスト作成のポイント

ここでは、売り手企業がロングリストを作成する 上でのタイミングと具体的なポイントについて解説します。

── 作成のタイミング
仲介契約・アドバイザリー契約締結後、IM(企業概要書)とNN(ノンネームシート)作成とほぼ同時並行で進めます。

売り手オーナーと面談等で確認いただき、紹介を控えてほしい企業候補先について伺います 。

── 作成のポイント
買い手企業に求めるものは何か、売り手企業にヒアリングを実施します 。元々買い手企業から求める情報をもらっていて、その内容と合致する場合、リストに含めます。

新規 の場合は、同業・川上業種・隣接業種・川下業種・その他、5つの軸で調査をします。

同業の買い手企業は避けたいなどの希望もあるので、希望について売り手企業の経営者にヒアリングが必要です。

【買い手】ロングリスト作成のポイント

ここでは、買い手企業がロングリストを作成する際のタイミングと具体的なポイントについて解説します。

── 作成のタイミング
買い手企業にM&Aの希望や要求についてヒアリングした後、プロアクティブサーチ※の依頼を受けた場合、その直後にロングリストを作成します。

ロングリスト作成後、買い手企業にロングリストを共有し、すり合わせ、ショートリストの作成に移ります。
※プロアクティブサーチ…通常は売り手企業が譲渡の相談をしてきた場合、その後に買い手企業の候補を挙げ、その中から買い手企業へアプローチをします。プロアクティブサーチは、企業の成長戦略を前提に、まだ譲渡の話がない売り手企業に買い手企業からアプローチをするものです。

── 作成のポイント
事業内容・売上・利益・従業員数・エリアなどの買収ニーズに合う売り手企業をリスト作成ツール※などで調査します。

事業内容等をキーワード調査と整理を実施。その後HPなどを確認し、依頼内容と相違がないかを確認します。
※リスト作成ツールの例:TSR・TDB・FORCAS・QFINDR・SPEEDAなど

ロングリストは情報漏洩に注意

ロングリストには多くの機密情報が含まれており、不適切に取り扱うと重大なリスクを招いてしまいます。

買収候補企業(売り手) の経営状況や将来の計画が流出すると、競合他社に悪用されたり、社内の情報が漏れることで企業の信用が失われたりする可能性もあるのです。

情報漏洩を防ぐために、買い手候補企業と秘密保持契約を結び、情報漏洩に努めなければなりません。

秘密保持契約については以下の記事で解説しております。併せてご覧ください。
秘密保持契約(NDA)とは?基本から締結のメリットまで解説

まとめ丨希望や条件を含めたロングリストの作成がM&A成功の近道

ロングリストの作成において、希望や条件を明確にすることが大切です。明確にした上で、買い手候補企業 が自社のニーズとマッチしているか確認しましょう。ロングリストの作成は、自社の機密情報が漏れる可能性もあるため、情報漏洩には特に注意が必要です。

ロングリスト作成に関して不明点などがあれば、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長。リクルート関連会社や外資系製薬会社、大手・ベンチャー独立系M&A仲介会社で営業組織を牽引。 特にM&A実績の多い業界は調剤・IT・運送業。

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