CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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売却 / 会社売却
- 公開日2025.04.24
- 更新日2025.04.24
会社売却後の経営者(社長)の人生とは?選択肢やメリットデメリットを解説
会社売却を検討しているが、売却後の人生や影響について不安を感じていませんか?経営者にとって、会社は単なるビジネスではなく、人生の一部です。
売却後のキャリアや生活がどう変わるのか、どのようなメリットやデメリットがあるのかを知っておくことは、後悔しない決断をするために不可欠です。
本記事では、会社売却後の経営者の人生の選択肢、売却のメリット・デメリット、成功のためのポイントについて詳しく解説します。
目次
会社売却後の経営者(社長)の人生はどうなる?
会社売却後、経営者にはさまざまな選択肢があります。売却によってまとまった資金を手にし、次のキャリアやライフスタイルをどう構築するかは個々の価値観によって異なります。
主な道として、新規事業を立ち上げる、売却後の会社に引き続き関与する、あるいはプライベートの充実を図るという三つの選択肢が考えられます。それぞれの道について詳しく見ていきましょう。
新規事業の立ち上げ
会社売却後、新たな事業を立ち上げる経営者は少なくありません。売却益を活用し、これまでの経験を生かしたビジネスや、全く異なる分野への挑戦を行う場合があります。
特に、M&Aを経て得た資金や人脈を活用し、よりスケールの大きな事業に取り組む経営者もいます。その理由は、経営経験が新たな事業の成功に役立つためです。すでに経営のノウハウを持ち、ビジネスを成長させる力があるため、成功する可能性が高くなります。
また、一度事業を売却した経験があると、投資家やパートナーからの信頼も得やすく、新規事業の立ち上げがスムーズに進むことが多いです。実際に、多くの経営者が売却後に新たな事業を立ち上げ、さらなる成功を収めています。
売却を単なるゴールではなく、新たな挑戦のスタートとして捉えることで、経営者のキャリアはより広がっていきます。
売却後の会社での勤務
会社売却後も、経営者が引き続き売却先の企業に勤務するケースは珍しくありません。多くの場合、ロックアップ期間(一定期間、旧経営者が会社に残る契約)が設けられ、顧問や役員として新体制のサポートを求められることがあります。その理由は、経営の引き継ぎを円滑に進めるためです。新しいオーナーが事業をスムーズに運営できるよう、旧経営者が一定期間サポートすることで、従業員や取引先の不安を軽減し、事業の継続性を確保できます。
また、売却後も安定した収入を得ながら、自身のスキルを活かせる点も魅力の一つです。実際に、一定期間勤務した後、退任するケースもあれば、新たな役職を得て長期的に関与し続けるケース、売却と同時に完全に退任するケースなどもあります。
売却後の会社での働き方は契約内容によって異なるため、事前にしっかりと確認することが重要です。
プライベートの充実
会社売却後、ビジネスの第一線から退き、プライベートを充実させる選択をする経営者もいます。売却によって経済的な安定を得たことで、長年の夢であった趣味や家族との時間に重点を置くケースが増えています。その理由は、経営のストレスから解放され、自由な時間を手にできるためです。経営者としての責任を果たした後は、健康を優先したり、海外移住を考える場合もあります。
また、社会貢献活動や投資家としての活動に力を入れることで、充実した第二の人生を歩む経営者も少なくありません。実際に、会社売却をきっかけにライフスタイルを大きく変えた成功事例は数多くあります。
ビジネスに追われていた日々から一転し、心身ともに豊かな生活を手に入れることは、会社売却の大きなメリットの一つと言えるでしょう。
経営者(社長)にとっての会社売却のメリット
会社売却には、経営者にとって多くのメリットがあります。主に、売却益の獲得、経営リスクや個人保証からの解放、後継者問題の解決、そして従業員の雇用維持などです。これらのメリットを理解することで、会社売却を前向きに検討する判断材料になります。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
売却益が獲得できる
会社売却の最大のメリットは、まとまった売却益を得られることです。経営者は株式譲渡や事業譲渡によって資産を現金化でき、今後のライフプランや新たな事業の資金として活用できます。その理由は、企業価値に見合った対価が支払われるためです。業績が良好で市場価値のある企業ほど高額で売却できるため、経営者にとっては資産形成の大きな機会となります。
また、売却益を再投資することで、さらなる事業展開や資産運用を行うことも可能です。実際に、成功したM&A事例では、売却益を活用して新たな事業を立ち上げる経営者が多く見られます。適切なタイミングと準備を行うことで、より有利な条件での売却が実現できます。
経営リスクから解放される
会社売却によって、経営に伴うリスクから解放されます。経営者は常に市場の変動や資金繰り、人材確保といった課題に直面しますが、売却によりこれらの負担から解放され、安心した生活を送ることができます。その理由は、経営者の責任が新たなオーナーに引き継がれるためです。
特に、景気の変動や競争環境の変化によるリスクは経営者にとって大きなプレッシャーですが、売却によってその責任を負う必要がなくなります。また、経営のプレッシャーから解放されることで、健康面や家族との時間を大切にできるようになります。実際に、売却後に精神的な余裕を得たことで、新たな事業に意欲的に取り組む経営者も多くいます。
経営のストレスを軽減し、より充実した人生を送るための選択肢として、会社売却は有効な手段です。
個人保証から解放される
会社売却によって、経営者は個人保証から解放されます。多くの中小企業の経営者は、銀行借入の際に個人保証を求められますが、売却によってその負担を解消できます。その理由は、買収先企業が負債を引き継ぐことで、旧経営者の個人保証が解除されるからです。
ただし、金融機関との契約内容によっては、売却後も個人保証が継続する場合があります。買収先が債務を引き継ぐかどうか、事前にしっかりと確認することが重要です。特に、金融機関との取引が多い企業では、売却時に個人保証の解除を交渉することが重要になります。実際に、売却後に個人資産を守りながら新たな事業に挑戦する経営者もいます。
リスクを最小限に抑えつつ、次のステップへ進むために、会社売却を検討することは有効な手段です。
後継者問題が解決する
会社売却は、後継者不在の問題を解決する手段となります。特に、中小企業では親族や従業員に適切な後継者が見つからないケースが多く、その解決策としてM&Aが活用されています。その理由は、売却によって新たな経営者が事業を引き継ぐことができるためです。親族内承継が難しい場合でも、適切な買い手企業が見つかれば、事業の継続が可能になります。
特に、業界内の競争が激しい場合、M&Aによって事業の成長を加速させることも期待できます。実際に、多くの企業がM&Aを活用して後継者問題を解決しています。会社を存続させ、従業員や取引先に対する責任を果たすためにも、M&Aは有効な手段です。
従業員の雇用維持ができる
会社売却によって、従業員の雇用を維持することが可能になります。特に、事業を継続したいと考えている経営者にとって、従業員の将来を守ることは重要なポイントです。その理由は、M&Aによって会社の運営が引き継がれるためです。廃業を選択すると、従業員は職を失う可能性がありますが、売却すれば新たな経営体制のもとで雇用が継続されます。
特に、買収企業が成長を志向している場合、従業員のキャリア機会も広がる可能性があります。実際に、M&Aによって従業員の待遇が向上したケースもあります。会社売却は、単に経営者の利益だけでなく、従業員の将来を守るための選択肢にもなり得るのです。
経営者(社長)にとっての会社売却のデメリット
会社売却には多くのメリットがありますが、一方で経営者にとってのデメリットも存在します。主なデメリットとして、会社売却後の喪失感、従業員や取引先への影響、そして社会的な立場の変化が挙げられます。売却を検討する際は、これらのリスクを理解し、どのように対処するかを事前に考えておくことが重要です。
本章ではそれぞれのデメリットについて詳しく解説します。
会社売却後には喪失感を感じることがある
会社売却後、経営者が喪失感を抱くことは少なくありません。長年築き上げた企業を手放すことで、自分のアイデンティティを失ったように感じるケースが多く見られます。その理由は、経営者にとって会社は単なる仕事の場ではなく、人生そのものに近い存在だからです。特に、自ら創業した会社の場合、会社の成長と共に人生を歩んできたため、売却後に「自分は何をすればよいのか」と戸惑うことがあります。
また、日々の業務から解放される一方で、目標を見失い、心理的な空白を感じる経営者もいます。実際に、会社売却後に新たな事業を始めたり、投資や社会貢献活動に取り組むことで喪失感を克服した事例は多くあります。
売却後の人生設計を事前に考えておくことで、精神的な負担を軽減し、前向きに次のステップへ進むことが可能です。
従業員や取引先へ影響が出ることがある
会社売却は、経営者だけでなく、従業員や取引先にも影響を及ぼします。新しい経営者のもとで組織体制や業務方針が変わることがあり、それに適応できない従業員や取引先との関係が悪化するリスクが考えられます。その理由は、買収企業の経営方針が売却前と異なる場合、従業員の働き方や企業文化が大きく変わる可能性があるからです。特に、待遇や業務内容に変更が生じると、従業員のモチベーション低下や退職につながることがあります。
また、取引先にとっても、長年の信頼関係を築いてきた経営者が交代することで、不安を感じることがあります。実際に、M&A後に企業文化の違いが原因で従業員の離職が増えたり、取引先が契約を見直すケースも報告されています。売却前に従業員や取引先に対して十分な説明を行い、買収企業と連携してスムーズな引き継ぎを進めることが重要です。
社会的な立場が変化する
会社売却後、経営者の社会的な立場が変わることがあります。会社の顔として活動していた経営者が引退すると、それまで築いてきた人脈や影響力が低下することがあります。その理由は、経営者としての肩書きがなくなることで、業界や地域社会での存在感が薄れるためです。
特に、経営者としての立場が強く認識されていた場合、売却後にビジネスの場での発言力が弱まることがあります。また、これまでの取引先や関係者とのつながりが薄れ、新しい環境での再構築が必要になることもあります。実際に、売却後に新たな肩書きを持たずに過ごしていた元経営者が、社会的な孤立を感じる場合もあります。
しかし、新たな事業や社会活動に参加することで、売却後の人生を充実させることは可能です。
会社売却を成功させるためのポイント
会社売却を成功させるには、事前の準備と適切な戦略が必要です。売却の目的を明確にし、自社の価値を高め、適切なタイミングで進めることが重要です。
また、売却後の経営者の役割を考慮し、ロックアップ期間の対応やM&Aの専門家の活用も検討すべきポイントになります。これらの要素をしっかり準備することで、スムーズな売却を実現できます。
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
売却目的を明確化しておく
会社売却を成功させるには、まず売却目的を明確にすることが重要です。目的が不明確なまま進めると、売却条件の交渉で優先すべき点がぶれてしまい、後悔する可能性が高くなります。その理由は、売却目的によって最適な買い手や契約条件が変わるためです。例えば、「後継者不在による事業承継」が目的なら、従業員の雇用継続を重視する買い手を選ぶべきです。
一方、「売却益の最大化」が目的なら、企業価値を高め、より高い価格での売却を目指す必要があります。実際に、目的が明確な経営者ほど、売却後のギャップが少なく、スムーズに次のステップへ移行できています。
売却を検討する際は、事前に自分の優先順位を整理し、どのような形で売却を進めるのか明確にしておくことが大切です。
自社の価値を把握し向上させておく
会社売却を成功させるには、自社の価値を正しく把握し、可能な限り向上させることが必要です。企業価値が高いほど、売却価格も上がり、好条件での売却が可能になります。その理由は、M&Aの買い手は将来の成長性や収益性を重視しているからです。財務状況の健全化、不採算事業の整理、競争優位性の強化などを行うことで、より魅力的な企業として評価されます。
また、財務デューデリジェンスの際に問題が発覚すると、売却条件が悪化するため、事前に改善しておくことが重要です。実際に、M&Aで高額売却に成功した企業の多くは、売却前に事業改善や経営の透明性を高める努力をしています。売却を検討し始めたら、まずは自社の現状を正確に分析し、どこを強化すべきかを明確にしましょう。
適切なタイミングで売却を行う
会社売却はタイミングが重要です。市場環境や自社の業績が良好な時期に売却を行うことで、より有利な条件で交渉を進めることができます。その理由は、M&A市場の動向や業界の成長性によって、企業価値の評価が大きく変わるためです。例えば、業界全体が成長している時期には買い手の関心が高まり、競争が激しくなるため、高い評価を得やすくなります。
一方、自社の業績が悪化してから売却を考えると、買い手の選択肢が限られ、価格交渉でも不利になりやすいです。実際に、成功したM&A事例では、企業価値がピークに達したタイミングで売却を決断したケースが多くあります。自社の成長フェーズや市場環境を見極め、最適なタイミングで売却を進めることが重要です。
ロックアップへの対応をしておく
会社売却後、旧経営者には一定期間、会社に留まる義務が課されることがあります。これを「ロックアップ期間」といい、買い手企業がスムーズに経営を引き継ぐために設定されるものです。その理由は、売却直後に経営者が完全に退任すると、従業員や取引先が混乱する可能性があるからです。
また、旧経営者の知識やノウハウが必要とされるため、一定期間のサポートが求められます。ただし、ロックアップ期間が長すぎると、新しい事業を始める際に制約となるため、事前に契約内容をよく確認しましょう。
実際に、売却後も顧問や役員として関与しつつ、新たな事業準備を進めるケースも多く見られます。
M&Aの専門家に相談をする
会社売却を成功させるためには、M&Aの専門家に相談することが不可欠です。M&Aには財務・法務・税務など幅広い知識が必要となるため、適切なサポートを受けることでリスクを最小限に抑えられます。その理由は、M&Aのプロセスが複雑であり、適正な価格設定や契約交渉を進めるためには専門的な知識が求められるためです。専門家の支援を受けることで、適切な買い手の選定、デューデリジェンス対応、契約の細部調整がスムーズに行えます。
また、売却の成功率を高めるだけでなく、トラブルを回避するうえでも重要な役割を果たします。実際に、M&A仲介会社やアドバイザーのサポートを受けることで、より良い条件で売却を実現した企業が多数あります。売却を検討し始めた段階で、信頼できる専門家に相談することが成功の鍵となります。
まとめ|会社売却は終わりではなく、新たなキャリアや人生のスタート
会社売却は、経営者にとって大きな決断です。売却後の人生設計、新規事業の立ち上げ、売却益の活用など、幅広い選択肢があります。売却のメリットとして、経営リスクや個人保証からの解放、後継者問題の解決が挙げられる一方、喪失感や従業員・取引先への影響といったデメリットもあります。成功するM&Aを実現するためには、売却目的を明確にし、自社の価値を高め、適切なタイミングを見極めることが重要です。
さらに、ロックアップ期間の対応や専門家の活用を検討することで、スムーズな売却が可能になります。会社売却は終わりではなく、新たなキャリアや人生のスタートです。計画的に準備を進め、次のステージに向けて最適な選択をしましょう。
CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。