CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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- 公開日2025.09.29
島根県のM&Aや事業承継の動向は?事例や信頼できる相談先/M&Aを進める時の注意点を解説
近年、島根県では後継者不在や地域経済の構造変化を背景に、中小企業を中心として「M&A」への注目が高まっています。
M&Aとは、企業の合併や買収などを通じて、経営資源や事業を次の担い手に引き継ぐ手法の総称です。
単なる売却手段ではなく、地域に根差した企業が事業を存続・発展させていくための選択肢の一つとして位置づけられています。
本記事では、島根県のM&Aや事業承継の現状や事例、相談先、そしてM&Aを進めるうえでの注意点について解説します。
目次
島根県のM&Aや事業承継の最新動向【2025年】
島根県では、近年の支援制度の拡充や意識変化により、後継者不在率の改善が見られる一方で、依然として全国平均を大きく上回る水準にとどまっています。
ここでは、島根県で注目すべきM&Aや事業承継の最新動向を解説します。
後継者不在によりM&Aの必要性が高まっている
「株式会社帝国データバンク」の2024年の調査によると、島根県内企業の後継者不在率は66.5%と、過去10年間で最も低い数値となりました。
しかし、全国平均の52.1%と比べると依然として14ポイント以上高く、全国3位の高さを記録しています。
中国地方の中でも鳥取県に次いで2番目に高い数字であり、地域全体で事業承継の問題が深刻化していることを示しています。
行政による事業承継支援や税制優遇の影響で、徐々に後継者の確保に向けた取り組みは広がりつつあります。
しかし、親族内に限らない「第三者承継」への移行はまだ進んでおらず、今後はM&Aを活用した承継のさらなる普及が求められるでしょう。
【出典】株式会社帝国データバンク「島根県 後継者不在に関する企業の実態調査(2024 年) 」
あきらめ型廃業の多さとM&A件数の少なさが課題
「株式会社帝国データバンク」の報告によると、2024年における島根県での休廃業・解散件数は336件と、前年より10件増加し、2年ぶりに上昇に転じました。
一方で倒産件数は50件となっており、前年に続き「倒産より廃業」の傾向が顕著となっています。
特に、負債を抱える前に自主的に事業をたたむ「あきらめ型廃業」が目立ち、将来的にも後継者問題が深刻な企業の増加が懸念されています。
【出典】帝国データバンク「島根県 企業の休廃業・解散動向調査(2024年)
島根県でM&Aや事業承継の相談どこにする?
島根県でM&Aや事業承継を進めるには、地域事情に詳しく、信頼できる相談先を見つけることが重要です。
ここでは、県内で相談先として検討できる主な窓口をご紹介します。
M&A仲介会社に相談する
一般的な方法として、M&Aを専門に扱う仲介会社に相談する方法があります。
仲介会社は、売り手・買い手のマッチングや交渉、契約までを一貫して支援する専門家です。
島根県内には全国展開しているM&A仲介会社の対応エリアも含まれており、地方の中小企業の実情に詳しい担当者がサポートにあたることもあります。
仲介会社を選ぶ際は、地域実績や中小企業に特化した支援経験があるかを確認することがポイントです。
金融機関や公的機関を利用する
島根県内では、地元の地方銀行や信用金庫に加えて、商工会議所や「島根県事業承継・引継ぎ支援センター」などの公的機関もM&A・事業承継に関する相談窓口を設けています。
費用を抑えて相談できる点や、初めてM&Aを検討する企業でも利用しやすい点がメリットです。
ただし、実務的なマッチング業務や契約交渉までは担っていないケースも多く、必要に応じて民間機関との併用も検討しましょう。
M&Aマッチングサイトで探す
自社で主体的に売却・買収先を探したい場合は、M&Aマッチングサイトを利用する方法もあります。
登録型のプラットフォームでは、島根県内の案件も全国のユーザーに公開され、スピーディーな交渉が可能です。
小規模な事業であれば、自分で条件交渉からクロージングまで進められるケースもあります。
ただし、法務や税務などの手続きが複雑になりやすいため、実行段階では専門家の助力を受けることが望ましいでしょう。
島根県で信頼できるM&A・事業承継の相談先一覧
島根県でM&Aや事業承継について相談したいと考えたとき、頼れるのは地域に根差した公的支援機関です。
ここでは、県内で信頼性の高い相談先を紹介します。
島根県事業承継・引継ぎ支援センター
島根県内の中小企業を対象に、後継者問題やM&Aに関する相談を受け付けている公的機関です。
専門家による無料相談やマッチング支援、必要に応じた外部機関の紹介も行っており、親族内承継からM&Aまで幅広く対応しています。
特に、初めて事業承継に取り組む企業には心強い窓口です。
島根県商工会連合会
県内各地の商工会と連携しながら、中小企業の経営相談や事業承継支援に取り組んでいます。
セミナーや個別相談会の開催もあり、地元事情に精通した経営指導員による対応が期待できる点が魅力です。
親族内での引き継ぎから、第三者への譲渡を見据えた支援まで受けられます。
【参考】島根県商工会連合会
CINC Capital
CINC Capitalは、中小企業のM&A支援に特化した仲介会社です。
全国の企業に対応しており、地域ごとの事情や業種特性に応じた最適なマッチングと丁寧なサポートが強みです。
専門的な知識と豊富な実績をもとに、M&Aの検討段階から実行、クロージング後のサポートまで一貫して寄り添います。
島根県の中小企業にとっても、信頼できるパートナーとなるでしょう。
【参考】CINC Capital
島根県のM&Aや事業承継の事例
島根県のM&A事例をご紹介します。自社のM&A検討時の参考にしてみましょう。
株式会社イルグルムによるファーエンドテクノロジー株式会社のM&A
株式会社イルグルムは2022年1月、島根県松江市のファーエンドテクノロジー株式会社を株式取得により子会社化しました。
イルグルムは広告効果測定ツール「アドエビス」を中心にマーケティングDXを支援するクラウドサービスを展開しており、事業領域拡大を重要課題としています。
一方、ファーエンドテクノロジーはオープンソースのプロジェクト管理ツール「Redmine」のクラウド版「My Redmine」を提供し、代表の前田剛氏は同ソフトの主要開発者としても国際的に高い評価を受けています。
リモートワークの普及で営業・管理部門でも進捗管理ニーズが高まる中、両社の連携により企業内外のプロジェクト推進を支援するサービス強化が期待されます。
マーケティングとプロジェクト管理を掛け合わせた本件は、DX需要拡大に対応した戦略的なM&Aの好例といえます。
【出典】株式会社イルグルム「ファーエンドテクノロジー株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
株式会社フォーバルによる株式会社えすみのM&A
株式会社フォーバルは2020年4月、島根県雲南市の株式会社えすみを完全子会社化しました。
えすみはオフィス家具や機器、サプライ用品の販売・保守、ネットワークインフラ構築を手掛けるほか、子会社の株式会社テック販売山陰を通じて流通機器や東芝テック製レジの販売も展開しています。
今回の買収により、フォーバルは山陰地域の顧客基盤を獲得し、自社の中核事業である「アイコンサービス」の潜在顧客拡大を図ります。
中堅・中小企業の経営支援を掲げるフォーバルにとって、本件は地方拠点の強化と事業シナジーの拡大を狙った戦略的M&Aと位置付けられます。
【出典】株式会社フォーバル「株式会社えすみの株式を取得!~山陰地域の顧客基盤を獲得~」
株式会社バンダイナムコエンターテインメントによる株式会社山陰スポーツネットワークのM&A
株式会社バンダイナムコエンターテインメントは2019年8月、プロバスケットボールチーム「島根スサノオマジック」を運営する株式会社山陰スポーツネットワークの株式56.5%を取得し、経営権を獲得しました。これにより、バンダイナムコエンターテインメントはプロスポーツ事業に新たに参入することになります。
「島根スサノオマジック」は、島根県を本拠地とするB.LEAGUE所属のプロバスケットボールチームです。2010年の創設以来、「地域の活性化」や「青少年の健全育成」といった理念を掲げ、地域のファンから熱く愛されてきました。
このM&Aの背景には、バンダイナムコエンターテインメントの事業領域拡大戦略があります。同社は既存のゲーム事業に限定せず、エンターテインメント分野での新たな挑戦を模索していました。今回は「スポーツ」という新しい領域への進出であり、「島根スサノオマジック」の理念や挑戦し続ける姿勢に強く共感したことが、運営参画の決め手となりました。
今後は、バンダイナムコエンターテインメントが持つエンターテインメント事業のノウハウと、「島根スサノオマジック」が持つスポーツチームとしての魅力を掛け合わせることで、共に成長していくことを目指します。この取り組みを通じて、同社が掲げる「アソビきれない毎日を。」の実現に向けた、新たなエンターテインメントの創出が期待されます。
【出典】株式会社バンダイナムコエンターテインメント「『B.LEAGUE』所属 プロバスケットボールチーム『島根スサノオマジック』経営権獲得」
M&Aや事業承継を進めるときの注意点
島根県でM&Aや事業承継を進める際は、地域特有の産業構造や後継者不在の状況を踏まえた慎重な対応が求められます。
ここでは、M&Aを成功させるために押さえておくべき注意点を解説します。
島根県の地域性をふまえた戦略を立てる
島根県は中山間地域に多くの事業所が点在し、地域密着型の中小企業が多いことが特徴です。
そのため、売り手企業の多くが地域社会との関係性や従業員の雇用維持を重視する傾向にあります。
交渉の際には、価格だけでなく、買収後の事業方針や雇用維持への配慮なども含めた包括的な提案が求められます。
デューデリジェンスを丁寧に実施する
中小企業のM&Aでは、財務や法務のリスクだけでなく、地域事情や企業文化に起因する経営上の課題が表面化しにくいケースがあります。
島根県では、帳簿に表れない取引先との関係性や地元自治体とのつながりなども含めて丁寧なデューデリジェンスを実施することが重要です。
M&A後のトラブルを防ぎ、適切な価格評価にもつながります。
適切な専門家に相談する
M&Aは法務、税務、財務、労務など多岐にわたる知識が求められます。
なかでも島根県のように地域ごとの慣習や企業文化が色濃く反映される場合は、地域事情に明るく、実績のある専門家に相談することが重要です。
M&A仲介会社や弁護士、会計士など、信頼できるパートナーと連携することで、安心して事業承継を進められるでしょう。
初期段階から相談を始めることで、準備や交渉もスムーズに進みます。
M&Aや事業承継を検討する際に知っておきたい基礎知識
M&Aや事業承継は、企業の存続と成長のために重要な手段です。
初めて検討する方に向けて、基本的なポイントをQ&A形式で解説します。
M&Aと事業譲渡の違いはなんですか?
M&Aとは「企業の合併・買収」を意味し、株式譲渡・事業譲渡・会社分割など様々な手法が含まれます。
その中の一つが事業譲渡で、会社全体ではなく特定の事業部門や資産のみを譲り渡す方法です。
売り手にとっては一部の事業に限定して切り離せる点が特徴で、買い手にとっては必要な資産だけを取得できるというメリットがあります。
【関連記事】M&Aとは?意味や目的、手法ごとのメリットデメリットをわかりやすく解説
M&Aのメリットとデメリットはなんですか?
売り手側にとっては、後継者問題の解決や創業者利益の確保が主なメリットです。
一方で、買収後の組織統合がうまくいかないリスクや、価格交渉が難航するなどのデメリットもあります。
【関連記事】M&Aのメリットとデメリットは?買い手と売り手の立場別にわかりやすく解説
M&Aの相場はどのくらいですか?
M&Aの相場は、業種・規模・財務状況などによって大きく異なります。
主な算定方法には「時価純資産法」「収益還元法」「類似会社比準法」などがあります。
なお、上場企業やスタートアップ企業同士のM&Aでは、将来のキャッシュフローをもとにした「DCF法」も用いられます。
M&Aへ向けて自社の企業価値を知りたい方は、以下のページから「企業価値算定シミュレーション」をご利用ください。
【参考】企業価値算定シミュレーション
M&Aでおすすめの相談先はどこですか?
M&Aを進める際は、M&A実績が豊富で業界知識を持つ仲介会社や専門家に相談するのが効果的です。
信頼できる相談先を選ぶ際には、「成約実績」「サポート体制」「料金体系の明確さ」などを基準にするとよいでしょう。
特に地方に根差した事業の場合は、地域事情に詳しいアドバイザーを選ぶことも重要です。
M&Aの相談先をお探しの方には、地域事情に精通し、豊富な実績を持つCINC Capitalにお任せください。
中小企業や地方企業の特性に配慮した丁寧なサポートで、最適な事業承継・M&Aの実現を力強くサポートします。
【関連記事】M&Aはどこに相談する?相談先の選び方やメリットデメリットを解説
まとめ|島根県でM&Aや事業承継を進めるなら早めの準備と適切な相談先の選定を
島根県では後継者不在や経営者の高齢化を背景に、M&Aや事業承継の重要性がますます高まっています。
近年は支援体制の整備も進みつつありますが、まだ第三者への承継は少なく、慎重な対応が求められる地域だといえるでしょう。
円滑な事業引き継ぎを実現するためには、早期の準備と信頼できる専門家への相談が不可欠です。
地域事情に詳しい専門機関や仲介会社を活用し、自社に最適な形でのM&Aをご検討ください。
CINC Capitalは後継者不在に悩む経営者様を支援しています。
事業の価値を正当に評価し、譲渡先の選定から契約手続きまで一貫して対応し、会社の未来を守る具体的な方法をご提案します。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。