CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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- 公開日2025.09.29
愛媛県のM&A動向は?事例や信頼できる相談先/M&Aを進める時の注意点を解説
M&A(Mergers and Acquisitions)とは、企業の合併・買収を指す言葉で、事業の拡大や経営効率化、事業承継などの目的で実施されます。
造船業やタオル生産で有名な愛媛県においても後継者問題が深刻化しており、「会社を残したいが後継者がいない」「事業は自分の代で終わりにしたくない」といった声が少なくありません。
本記事では、愛媛県のM&A最新動向や具体的な事例、おすすめのM&A相談先についてご紹介します。
目次
愛媛県のM&Aの最新動向【2025年】
愛媛県では経営者の高齢化が進み、事業承継問題が深刻になっています。ここでは、同県におけるM&A最新動向をご紹介します。
後継者不足で事業承継への関心が高まっている
「株式会社帝国データバンク」の調査によると、2023年における愛媛県の後継者不在率は62.5%であることがわかりました。
全国で8番目に高い水準となり、深刻な状況だといえるでしょう。小規模事業者は後継者確保が難しい傾向にあり、事業の継続性に不安を抱える経営者が見られます。
こうした背景から、愛媛県では官民一体となった事業承継支援が進んでいます。従来の親族内承継や従業員承継だけでなく、M&Aによる第三者承継が重要な選択肢として考えられるようになりました。
【出典】株式会社帝国データバンク「愛媛県「後継者不在率」動向調査(2023 年)」
地域産業の特性を活かしたM&A案件に熱視線
愛媛県は東予・中予・南予の3つの地域に分かれており、それぞれ異なる産業が根付いています。具体的には、東予地域は繊維産業、中予地域は松山市中心の商業・観光業、南予地域は宇和島市の海面養殖業が盛んです。
いずれの地域においても、昔ながらの技術とマーケティングを組み合わせて企業価値を高める動きが見られます。
例えば、造船業では2020年における「今治造船」と「ジャパンマリンユナイテッド」の資本業務提携が、国際競争力強化の好例として注目されました。
【出典】今治造船株式会社「ジャパンマリンユナイテッド株式会社との資本業務提携及び合弁会社設立に関する契約締結等についてのお知らせ」
愛媛県でM&Aの相談どこにする?
「M&Aを検討したいけれど、どこに相談すればいいのかわからない」という経営者の方も多いのではないでしょうか。愛媛県でM&Aを進める際の相談先は、大きく3つあります。
M&A仲介会社に相談する
愛媛県でM&Aを考えるなら、M&A仲介会社への相談をおすすめします。タオルや柑橘類など、愛媛県特有の産業に詳しい仲介会社を探してみましょう。
近年は完全成功報酬制の仲介会社が増えており、初期費用を抑えつつ専門的なサポートが受けられます。
金融機関や公的機関を利用する
愛媛県内の地方銀行や信用金庫も、M&A・事業承継の相談先として頼りになる存在です。
県内の金融機関は四国・中国・関西エリアの広いネットワークを持ち、中小企業のM&A相談に対応しています。
また、公的機関においても同様に、事業承継の無料相談や支援策の紹介を行っています。
M&Aマッチングサイトで探す
M&Aマッチングサイトは、売却側の利用料が無料のプラットフォームが多く、初期投資を抑えて幅広い買い手候補を探せるのが特徴です。
ただし、愛媛県の製造業や農業では地域特有の技術やノウハウの承継が重要となるため、マッチングサイトでの情報収集と併せて、専門家のサポートを受けるのが望ましいといえます。
愛媛県で信頼できるM&Aの相談先一覧
ここでは、愛媛県でM&Aを検討する際におすすめの相談先をご紹介します。
愛媛県事業承継・引継ぎ支援センター
「愛媛県事業承継・引継ぎ支援センター」は、中小企業の事業承継を支援する公的機関です。
後継者不在企業と起業希望者のマッチング支援や、事業承継に関する相談対応を無料で行っています。
愛媛県内の企業事情に精通しており、M&Aを含む第三者承継についても専門的なアドバイスを提供しています。
受付時間 |
平日9:00~17:00 年末年始祝日を除く |
住所 |
〒791-1101 愛媛県松山市久米窪田町487-2 テクノプラザ愛媛別館1階 |
電話 |
089-948-8511 |
Webサイト |
四国銀行
四国銀行は、株式譲渡(企業買収・売却)に関する専門的なアドバイスを提供する地域金融機関です。M&Aに関する総合的なアドバイスから仲介機関のネットワークを活用した情報提供まで、幅広いサポートを行っています。
【参考】四国銀行
受付時間 |
平日9:00~11:30、12:30~15:00(窓口営業時間) |
住所 |
〒780-0833 高知県高知市南はりまや町1丁目1−1 |
電話 |
088-823-2111(代表番号) |
Webサイト |
CINC Capital
「CINC Capital」は、マーケティングテクノロジーとデータ分析に強みを持つM&A仲介会社です。
愛媛県内でも多数の実績があり、ビッグデータとAIを活用した独自のマッチングシステムにより、中小企業に最適なパートナー選定を行っています。
熟練のアドバイザーが企業価値の評価から交渉、成約まで一貫して支援しているのが特徴です。
【参考】CINC Capital
受付時間 |
平日9時~18時(年末年始を除く) |
住所 |
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1丁目21-19 東急虎ノ門ビル6F |
電話 |
03-4500-7072 |
Webサイト |
愛媛県のM&A事例
愛媛県のM&A事例をご紹介します。自社のM&A検討時の参考にしてみましょう。
株式会社マルハンによる有限会社大和屋本店旅館のM&A
株式会社マルハンは、観光事業拡大の一環として2024年9月30日付で有限会社大和屋本店旅館(愛媛県松山市)の全株式を取得しました。
これに先立ち、同年4月には株式会社大和屋別荘の全株式も取得しており、道後温泉を代表する老舗「大和屋本店」と「大和屋別荘」を傘下に迎え入れました。
両施設は歴史と文化を重んじた高付加価値な旅館であり、株式取得後も従来の運営体制を維持しつつ、マルハン北日本カンパニーからの人材派遣を通じて地域資源の発信力を高めていく方針です。
パチンコホール事業で全国300店舗以上を展開するマルハンにとって、観光事業は第二の柱として位置付けられており、本件はその戦略を象徴する案件といえます。
地域文化と観光資源を活かした事業展開により、持続的な地域発展と日本の観光立国への貢献が期待されます。
【出典】株式会社マルハン「慶応4年創業の老舗旅館 道後温泉「大和屋本店」の株式を取得 ~道後温泉にて「大和屋本店」「大和屋別荘」2施設の運営を開始~」
JKホールディングス株式会社による株式会社協和のM&A
JKホールディングス株式会社は、2022年2月10日付で連結子会社の株式会社ブルケン四国を通じ、愛媛県今治市の株式会社協和の全株式を取得する契約を締結しました。
株式譲渡は同年4月1日に実行され、協和は連結子会社となる予定です。
協和は合板や建築資材の販売、施工、建築工事を手掛ける地域密着型企業であり、今回の子会社化により、JKグループの小売セグメントにおける四国エリアの拠点強化が図られます。
これにより地域での営業基盤が拡充され、資材供給や施工サービスを含めたグループ全体のシナジー創出が期待されます。
なお、取得価額は非開示ですが、公正妥当な水準での実施とされています。
建材流通業界において、地域拠点の積極的な取り込みは競争力強化につながる動きといえます。
【出典】JKホールディングス株式会社「当社連結子会社による株式会社協和の取得(子会社化)に関するお知らせ」
株式会社ソラストによるベストケア株式会社のM&A
株式会社ソラストは2017年9月27日、愛媛県松山市に本社を置くベストケア株式会社の全株式を取得し、同年10月31日付で子会社化すると発表しました。
ソラストは全国で281カ所の介護事業所を展開しており、「自立支援と地域トータルケア」を理念に在宅系サービスを中心に拡大を進めています。
一方、ベストケアは愛媛県や関東・関西圏で35カ所の介護事業所を運営し、理学療法士や作業療法士による機能訓練を強みとしています。
今回のM&Aにより、ソラストは事業規模と地域展開を大幅に拡大するとともに、ベストケアの専門性と自身の経営ノウハウを融合させることで、サービスの質向上を図る狙いです。
高齢化社会におけるニーズ増加に対応し、地域包括ケアを強化する戦略的な動きと位置づけられます。
【出典】株式会社ソラスト「株式会社ソラスト、ベストケア株式会社の全株式を取得〜介護事業の⼤幅な拡⼤と⾃⽴⽀援のためのサービス充実を図る〜 」
愛媛県でM&Aを進めるときの注意点
愛媛県でのM&Aは、他の地域とは異なる特徴があります。地域に根ざした産業や長年築いてきた取引関係など、重要な要素を理解しておくことが大切です。M&Aを進める際のポイントについて、売り手目線でお話します。
地域産業の特性と取引先関係を理解する
愛媛県の産業は地域ごとに特色があり、東予地域の繊維産業や造船業は長年築いた取引先ネットワークに支えられています。
これらは企業間の信頼関係で成り立っているため、M&A後も関係性を維持する必要があります。買い手が地域の特色を理解し、適切に受け継ぎができるかを慎重に見極めることが大切です。
従業員の雇用継続と地域への貢献を重視する
県内企業は地域に根ざした経営をしている会社が多数で、従業員も地元出身者が多く見られます。
そのため、M&A後も従業員の雇用を守り、地域社会とのつながりを保つことが重要です。買い手企業が地域の雇用を維持・拡大していく姿勢を持っているか確認が不可欠となります。
適切な専門家に相談する
愛媛県でM&Aを成功させるには、地域の商慣習や産業構造を理解している専門家が欠かせません。
愛媛県内で実績のあるM&A仲介会社や、地域に詳しい税理士・弁護士を選ぶことがポイントです。
M&Aを検討する際に知っておきたい基礎知識
愛媛県でM&Aを考えるなら、基本を押さえておきましょう。ここでは、売り手側の経営者が知っておくべきM&Aの基礎知識をご紹介します。
M&Aと事業譲渡の違いはなんですか?
M&Aは企業の合併・買収を意味し、事業譲渡はM&Aにおける手法の一種です。
M&Aにはいくつかの手法があり、主なものに株式譲渡と事業譲渡があります。株式譲渡は会社の株式を取得することで経営権を移転する手法です。
一方、事業譲渡は特定の事業・資産のみを切り離して譲渡する手法となります。
【関連記事】M&Aとは?意味や目的、手法ごとのメリットデメリットをわかりやすく解説
M&Aのメリットとデメリットはなんですか?
M&Aには事業承継問題の解決や創業者利益などのメリットがあります。M&Aによって事業の継続・発展を目指すことが可能です。
一方デメリットとしては、企業文化の違いによって統合がうまくいかなかったり、期待していた効果が得られなかったりする可能性があります。
【関連記事】M&Aのメリットとデメリットは?買い手と売り手の立場別にわかりやすく解説
M&Aの相場はどのくらいですか?
M&Aの相場は、企業の規模や業種、財務状況によって大きく異なるため、明確な金額を一概に示すことはできません。
一般的な算出方法としては、時価純資産に営業権(のれん)を加える方法や、EBITDAなどの指標に倍率をかけて評価するマルチプル法などがあります。
M&Aへ向けて自社の企業価値を知りたい方は、以下のページから「企業価値算定シミュレーション」をご利用ください。
【参考】企業価値算定シミュレーション
M&Aでおすすめの相談先はどこですか?
M&Aの主な相談先として、以下の機関が挙げられます。
-
M&A仲介会社
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地域の金融機関(信用金庫や地方銀行など)
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商工会議所、事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関
なかでも重要なのは、豊富な実績を持ち、自社の業種や規模に合った支援ができる専門機関を選ぶことです。業界に精通したM&A仲介会社であれば、企業価値の正確な把握や買い手との的確なマッチング、交渉戦略の立案まで、きめ細やかな支援が受けられます。
【関連記事】M&Aはどこに相談する?相談先の選び方やメリットデメリットを解説
愛媛県のM&Aのポイントまとめ
愛媛県でのM&Aは、地域の産業特性と人とのつながりを大切にすることが成功のポイントです。
適切な専門家に相談しながら、愛媛県の事情を理解できる買い手を見つけることで、事業の継続と地域の発展を両立できるM&Aが実現できるでしょう。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。