CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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- 公開日2025.09.29
新潟県のM&A動向は?事例や信頼できる相談先/M&Aを進める時の注意点を解説
経営者の高齢化が進む中、会社の未来を託す方法として「M&A」の選択肢を視野に入れる方が多くなっています。
M&A(Mergers and Acquisitions)とは、企業の合併・買収を意味し、事業の承継や拡大、再編などを目的に用いられる手法です。
なかでも新潟県では、建設業や製造業を中心に後継者不足が深刻化しており、地域の実情に合ったM&Aが検討されています。
この記事では、新潟でM&Aを進める際に押さえておきたい注意点や、信頼できる相談先について詳しく解説します。
目次
新潟県のM&Aの最新動向【2025年】
新潟県では経営者の意識改革が進み、親族内承継に代わる選択肢としてM&Aが注目されるようになりました。まずは、新潟県におけるM&A最新動向をご紹介します。
後継者不足の改善によりM&Aが注目されている
「株式会社帝国データバンク」の調査によると、新潟県における後継者不在率は2023年時点で47.2%となりました。全国平均の53.9%を6.7ポイント下回っており、全国で10番目に低い水準です。
さらに、同県の後継者不在率は2011年以降で初めて5割を下回り、6年連続で改善が続いていることも明らかになっています。
こうした背景には、地域の金融機関や公的支援機関による事業承継支援の充実があると考えられます。
【出典】株式会社帝国データバンク「新潟県内企業「後継者不在率」動向調査(2023年)」
「脱ファミリー」の流れで事業承継が注目
同様に「株式会社帝国データバンク」の調査データを見ると、2023年の新潟県内では同族承継の割合が39.7%となり、2022年の42.9%と比べて下がりました。
一方でM&Aを含む第三者承継は、2023年に23.7%に達しています。こちらは2022年の22.3%と比べて上昇しました。
こうした傾向から、新潟県では血縁関係に依存しない事業承継が広がっている状況が伺えます。内部昇格による承継も30.2%と高い水準を維持しており、企業が多様な承継手法を模索していることがわかるでしょう。
県内企業による「脱ファミリー」の流れは、事業の専門性や複雑性の高まり、デジタル化への対応など、現代の経営環境の変化に対応するための戦略的な動きだといえます。
【出典】株式会社帝国データバンク「新潟県内企業「後継者不在率」動向調査(2023年)」
新潟県でM&Aの相談どこにする?
初めてM&Aに取り組む経営者は、どこに相談するのが最適かと悩んでしまうケースが少なくありません。ここでは、新潟県でM&Aを検討する際の主要な相談先をご紹介します。
M&A仲介会社に相談する
新潟県でM&Aを進める際には、まずM&A仲介会社に相談することをおすすめします。M&A仲介会社は、事業承継や会社売却の専門家として売り手と買い手の間に立ち、交渉や手続きを円滑に進めるプロフェッショナルです。
仲介会社を選ぶ際には、料金体系が明確に示されているかどうかに加え、担当者の対応力や信頼性に注目しましょう。さらに、地域の商習慣や地元企業の実情を理解しているかどうかも、スムーズな取引を実現するうえで重要なポイントになります。
金融機関や公的機関を利用する
M&Aを検討する際は、地元の金融機関や公的機関に相談するのも有効です。金融機関は、地域経済や企業の財務状況に精通しており、買い手候補となる企業の情報を持っていることも珍しくありません。
日ごろから地元企業と取引を重ねているため、信頼性の高いネットワークを活用できる点が大きな強みです。
M&Aマッチングサイトで探す
M&Aマッチングサイトは、Web上で買い手候補を探せるオンラインサービスです。
新潟県に特化したサイトや全国対応のプラットフォームを利用すれば、幅広い選択肢の中から希望に合った相手を見つけやすくなります。
登録・検索が手軽なうえ、AIによる自動マッチング機能を備えたサービスもあり、スピード重視でM&Aを進めたい方におすすめです。
新潟県で信頼できるM&Aの相談先一覧
新潟県内には公的機関をはじめ、地元に根差した金融機関や実績のある仲介会社など、さまざまな相談窓口があります。ここでは、新潟県で信頼できるM&Aの相談先をご紹介します。
新潟県事業承継・引継ぎ支援センター
「新潟県事業承継・引継ぎ支援センター」は、中小企業の事業承継を支援するために設置された公的な相談窓口です。
親族内での承継はもちろん、第三者への承継やM&Aといった多様な選択肢を提案しています。
また、税理士や弁護士などの専門家と連携しているため、法務・税務を含めた総合的なサポートを受けられるのも大きな特徴です。初めて事業承継に取り組む経営者が、安心して相談できる環境が整っています。
受付時間 |
平日9時~17時30分 |
住所 |
〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島5番1号 万代島ビル19F |
電話 |
025-246-0080 |
Webサイト |
第四北陸銀行
「第四北陸銀行」は新潟県を代表する地方銀行として、M&A仲介サービスを提供しています。
地元企業との長年にわたる取引実績を背景に、多数の企業情報を把握しているのが強みです。
また、支店同士の連携を生かしながら、地域の実情に合った相手先とのマッチングを進めてもらえます。地場企業にとっては、信頼できる相談先の一つといえるでしょう。
【参考】第四北陸銀行
受付時間 |
9時~20時(事前相談予約の場合) |
住所 |
〒951-8066 新潟市中央区東堀前通七番町1071番地1 |
電話 |
025-222-4111(代表) |
Webサイト |
CINC Capital
「CINC Capital」は、マーケティングテクノロジーとデータ分析の専門知識を生かしたM&A仲介会社です。
独自のビッグデータとAI技術を使ったマッチングシステムにより、新潟県内の企業に最適な譲渡先・譲受先を提案しています。
同社は新潟県のM&A案件にも積極的に対応しており、経験豊富なアドバイザーが、企業価値評価から交渉戦略の立案、契約締結まで一貫してサポートしています。
【参考】CINC Capital
受付時間 |
平日9時~18時(年末年始を除く) |
住所 |
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1丁目21-19 東急虎ノ門ビル6F |
電話 |
03-4500-7072 |
Webサイト |
新潟県のM&A事例
新潟県のM&A事例をご紹介します。自社のM&A検討時の参考にしてみましょう。
株式会社トスネットによる株式会社トップロードのM&A
株式会社トスネットは、2023年1月23日付で新潟市の警備会社・株式会社トップロードの全株式を取得し、完全子会社化しました。
トップロードは建築現場や駐車場での交通誘導警備、イベント時の雑踏警備などを展開しており、地域に根差した警備事業で実績を積み重ねてきた企業です。
トスネットグループは交通誘導や施設警備を主力とする人的サービスを展開しており、今回の買収により、新潟市に本社を置く既存子会社・トスネット上信越との連携強化が可能になります。
取得価額は約5.8億円で、グループ内における警備事業の拡充とシナジー創出が狙いです。地域密着型の警備事業者を取り込むことで、安定的な収益基盤の強化とサービス網の広域化が進むと考えられます。
【出典】株式会社トスネット「株式会社トップロードの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
株式会社ハイブリッドテクノロジーズによるドコドア株式会社のM&A
株式会社ハイブリッドテクノロジーズは、2024年7月16日付で新潟市のドコドア株式会社の株式を取得し、子会社化することを決議しました。
翌17日に発行済株式の80%を取得し、その後100%子会社化を予定しています。
ハイブリッドテクノロジーズは日本とベトナムの人材を組み合わせた「ハイブリッド型サービス」を強みとしており、今回の買収により日本国内に開発拠点を確保し、為替変動リスクの分散や中小企業向けのローコスト開発需要への対応力を高める狙いがあります。
ドコドアは新潟を拠点に、中小企業向けDX支援やWeb・アプリ開発を展開し、低コストで標準化された開発体制やSalesforce・kintone導入支援に強みを持ちます。
両社のシナジーにより、DX支援領域の拡大や国内エンジニア採用力の強化が期待され、幅広い企業のデジタル化推進に貢献する体制強化となる見込みです。
【出典】株式会社ハイブリッドテクノロジーズ「ドコドア株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
ゼロワットパワー株式会社による佐和田発電所株式会社のM&A
ゼロワットパワー株式会社は、2024年11月20日に新潟県佐渡市の双日佐和田火力株式会社を買収し、社名を「佐和田発電所株式会社」へ変更のうえ連結子会社化しました。
佐和田発電所は島内電力供給の約15%を担う重要なインフラであり、地域の安定供給に寄与してきました。
今回の子会社化により、ゼロワットパワーが強みとする再生可能エネルギー分野の知見を活かし、将来的にはバイオマス燃料への転換を進めることでCO₂排出削減を図ります。
発電した電力は引き続き東北電力ネットワークへ供給され、「エコアイランド佐渡」構想に基づく循環型社会の実現にも貢献する計画です。
再エネ普及を軸に事業を拡大してきたゼロワットパワーにとって、本件は地域社会と環境の両面で価値を創出する取り組みであり、持続可能な電力供給モデルの構築につながると考えられます。
【出典】ゼロワットパワー株式会社「佐和田発電所株式会社 子会社化についてのお知らせ」
新潟県でM&Aを進めるときの注意点
M&Aでは、地域特性に応じた事前の備えが欠かせません。ここでは、新潟県でM&Aを進める際に知っておきたい注意点について、売り手目線でお話します。
豪雪地帯特有の技術・設備を適切に評価する
新潟県は、国内有数の豪雪地帯です。製造業の場合、豪雪地帯特有の冬季操業ノウハウや設備管理技術など、ほかの地域にはない強みがあります。
これらの「見えない価値(無形資産)」を企業価値に反映しつつ、理解してくれる買い手候補を探しましょう。
地域産業の技術力とブランド価値を考慮する
新潟県の製造業は、金属加工や精密機械の技術力に定評があります。買い手候補との交渉前は、これらの技術を正しく評価してもらうために、技術力を示す資料や実績を事前に準備しましょう。
また、設備が古い場合でも、買い手が計画的な設備更新や投資計画を立てやすいように、具体的な更新時期や費用見積りなどを事前に準備して伝えることで、交渉が円滑になります。
地域で長く愛されている企業なら、顧客との信頼関係や地域でのブランド力が、有力な交渉材料になるはずです。
適切な専門家に相談する
新潟県でのM&Aには、地域特性を理解した専門家のサポートが欠かせません。
豪雪地帯特有の物流やコスト面の課題、地域産業の特性を踏まえた戦略立案や、M&A以外の選択肢を含めた総合的な判断が求められます。
こうした専門知識や知見、実績を持つ専門家を探し、相談してみましょう。
M&Aを検討する際に知っておきたい基礎知識
ここからは、経営者がM&A検討時に押さえておくべき基礎知識をご紹介します。
M&Aと事業譲渡の違いはなんですか?
M&Aは企業の合併・買収を意味し、事業譲渡はM&Aにおける手法の一種です。
M&Aにはいくつかの手法があり、主なものに株式譲渡と事業譲渡があります。株式譲渡は会社の株式を取得することで経営権を移転する手法です。
一方、事業譲渡は特定の事業・資産のみを切り離して譲渡する手法となります。
【関連記事】M&Aとは?意味や目的、手法ごとのメリットデメリットをわかりやすく解説
M&Aのメリットとデメリットはなんですか?
M&Aの主なメリットとして、売主側では事業承継問題の解決、創業者利益の確保、従業員の雇用維持が挙げられます。
一方、デメリットとしては、企業文化の統合困難や統合コストの増大などが考えられるでしょう。
【関連記事】M&Aのメリットとデメリットは?買い手と売り手の立場別にわかりやすく解説
M&Aの相場はどのくらいですか?
M&Aの相場は企業の規模や業種、財務状況などにより大きく異なるため、一概に数値で示すことはできません。
ただし、一般的な相場の算出方法として、時価純資産に営業権(のれん)を加算したり、マルチプル法(EBITDAなどの指標に対する倍率で評価)などを用いたりします。
M&Aへ向けて自社の企業価値を知りたい方は、以下のページから「企業価値算定シミュレーション」をご利用ください。
【参考】企業価値算定シミュレーション
M&Aでおすすめの相談先はどこですか?
おすすめは、新潟県におけるM&Aの実績が豊富な仲介会社です。M&A仲介会社には、業界に精通し、適切な企業価値評価や交渉戦略の立案ができるアドバイザーが在籍しています。
プロフェッショナルのサポートを受け、新潟県でのM&Aを有利に進めましょう。
【関連記事】M&Aはどこに相談する?相談先の選び方やメリットデメリットを解説
新潟県のM&Aのポイントまとめ
新潟県では、後継者不在の改善や「脱ファミリー承継」の流れを背景に、地域の課題解決と企業成長の手段としてM&Aが注目されています。
また、新潟県では酒造業や食品加工業などの分野でもM&Aが行われており、地域ブランドを活かした第三者承継が増えています。
地元密着型の金融機関や公的機関、AIやビッグデータを活用した仲介会社などもあるため、目的や状況に応じて適切な相談先を選びましょう。まずは、M&Aの専門家にご相談ください。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。