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【2025年】ステーキ事業の事業承継とは?動向や手法、メリットデメリット、成功のためのポイントを解説

業種

  • 公開日2025.09.30

【2025年】ステーキ事業の事業承継とは?動向や手法、メリットデメリット、成功のためのポイントを解説

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ステーキ店を経営していて、「後継者がいないけど、どうしたら良いかわからない」と悩んでいませんか?

近年では、原材料費の高騰や人材不足に加えて、親族や従業員への承継がうまくいかず、廃業に追い込まれる店舗も少なくありません。

本記事では、2025年時点のステーキ事業における事業承継の動向や、承継の手法やメリット・デメリットなどを詳しく解説します。

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ステーキ事業の市場動向と課題

ステーキ業界はかつて成長産業として注目されていましたが、現在は転換点に差し掛かっています。

本章では、ステーキ業界の市場動向について3つの観点から解説します。

業態の多様化で市場は拡大基調にあったが転換期を迎えている

過去数年、ステーキ業界は立ち食い・ファストステーキブームや海外高級店の進出により、市場は拡大基調にありました。

特に2018年時点でステーキ店の市場規模は約3,685億円と前年比で約9.4%増加し、業態の多様化によって新たな顧客層を獲得してきました。

しかし現在は成長が鈍化し、成熟期へと移行しています。

【出典】財経新聞「外食産業の国内市場、引き続き拡大 ステーキ店やからあげ専門店が好調」

原材料費の高騰が経営を直撃し、特に低価格業態が苦境に

近年は円安と輸入牛肉価格の高騰が企業収益を圧迫しています。

米国産や豪州産をはじめとする輸入牛肉の価格は、2024年には2019年比24%の値上がりとなり、100g当たり約366円に達しました。

野菜類のコスト増加も重なり、原価転嫁が難しい低価格業態の利益率が厳しくなっています。

【出典】帝国データバンク「『ステーキ店』の倒産動向(2024年)」

小規模店舗で後継者不在が進行、廃業リスクが拡大

小規模な独立系ステーキ店では、後継者不在による廃業リスクが顕著です。

帝国データバンクの調査によると、倒産件数は2024年に13件と過去最多となり、特に牛肉や野菜高騰を機に小規模店が経営困難に直面しています。

これは、需要があるにもかかわらず後継者がおらず、廃業を余儀なくされた事例です。

【出典】帝国データバンク「『ステーキ店』の倒産動向(2024年)」

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【2025年】ステーキ事業の事業承継の最新動向

事業承継をめぐる環境は、2025年現在、ステーキ業界でも急速に変化しています。

本章では、ステーキ事業の最新動向について2つの観点から解説していきます。

後継者不在を背景に第三者承継・M&Aが選ばれ始めている

近年のステーキ事業では、親族に継がせることが難しく、第三者承継やM&Aを選ぶ店舗が増えています。

マッチングサービスや公的支援を活用し、廃業せずに譲渡先を見つける事例も増加しているのです。

この流れは飲食業全体に広がり、今後さらに一般的になるでしょう。

大手・異業種からの買収が進み、ブランドの再編が進行

ステーキ業界では、大手外食企業や異業種による買収が進んでいます。

安楽亭は「ステーキのどん」などを運営するアークミールを買収し、仕入れや運営体制を統合しました。

ベルーナも熟成肉専門店「エイジング・ビーフ」を買収し、飲食事業に参入しています。

こうした動きは、事業承継をきっかけに業界全体の再編を促す流れにつながっているのです。

【出典】株式会社安楽亭「株式会社アークミールの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

ステーキ事業で事業承継を実施する方法は?

ステーキ店を引き継ぐ方法には、大きく分けて「親族内承継」「従業員承継」「M&A」の3つが一般的です。

それぞれにメリット・デメリットがあり、事業の規模や店舗の特徴、後継者の有無によって最適な方法は異なります。

本章では、それぞれの承継方法について見ていきましょう。

親族内承継

親族に承継する場合、店の味や接客、雰囲気を自然に引き継ぎやすいという利点があります。

従業員や常連客、取引先にも安心感を与えられ、混乱が起きにくい点も魅力です。

一方で、相続税や贈与税、保証債務の引き継ぎなど金銭面の課題も多くあります。

従業員承継

店長や料理長など社内の従業員に承継する従業員承継は、業務の理解度が高く、味やサービスの継続性に優れています。

常連客からの信頼を維持しやすく、店舗の雰囲気も大きく変わりません。

ただし、後継者の育成や資金面のサポートが必要で、適任者の確保も容易ではありません。

M&A

M&Aは、外部の企業や個人に店舗を売却して事業を引き継ぐ方法です。

後継者がいない場合でも、店舗のブランドやノウハウを活かしながら継続が図れます。

M&Aには「株式譲渡」と「事業譲渡」があり、いずれも外部の企業や個人に事業を引き継ぐ方法です。

株式譲渡の場合は売却益がオーナー個人や株主に帰属し、事業譲渡の場合は法人に帰属します。

そのため、老後資金や新規事業投資などの資金計画を考える際は、どちらの形態かを踏まえて検討する必要があります。

ステーキ事業を事業承継するメリット

事業承継は「店を残すための手段」にとどまらず、多くの経営的メリットをもたらします。

本章では、ステーキ事業を事業承継するメリットを5つの観点から解説していきます。

ブランドや味を守り続けられる

長年築いてきた味や接客スタイルを後継者に引き継ぐことで、店舗の個性や魅力の維持が可能です。

特に常連客にとっては、変わらない味や雰囲気が安心感につながります。

ブランドの継続は店舗価値の維持や顧客離れの防止にも効果的です。

味とサービスを守ることは、事業承継において重要な資産の引き継ぎと言えます。

従業員の雇用を守れる

事業を継続することで、従業員は働き慣れた環境で引き続き雇用されることになります。

これにより生活の安定が確保され、従業員のモチベーションも保ちやすくなるでしょう。

ステーキ店では、従業員同士の距離が近く、信頼を土台にしたチームワークが経営の安定において重要です。

取引先との関係性を維持できる

仕入先や業者との信頼関係は、スムーズな店舗運営に欠かせません。

事業承継によってこれまでの取引関係が継続されるため、仕入価格や納期の安定が保たれます。

新たな取引先を探す手間やリスクを回避できる点も大きなメリットです。

後継者問題を解消できる

後継者が身内にいない場合でも、M&Aや第三者承継を活用すれば事業を存続できます。

これは廃業を回避し、店舗の価値を社会に残すという点でも重要です。

また、地域に根差した店であれば、存続は地域経済や雇用の維持にもつながります。

創業者利益を得られる

M&Aで事業を譲渡した場合、株式譲渡であれば売却益はオーナー個人に入り、事業譲渡であれば法人に入ります。

その資金は老後の生活資金や新規事業への投資などに活用できますが、どちらの方法を取るかで資金の使途や税務対応が異なるため、専門家に確認することが重要です。

単に店を畳む場合と比べ、経済的メリットが大きくなります。

ステーキ事業を事業承継するデメリット

ステーキ店の承継には多くのメリットがある一方で、注意すべきリスクや課題も存在します。

店舗の味やサービスの再現性、顧客や従業員の対応、そして法務・税務の手続きなど、承継には専門的な準備と判断が求められます。

本章では、ステーキ事業を事業承継するデメリットを3つ見ていきましょう。

承継先の選定・交渉に手間と時間がかかる

後継者や買い手の候補探しは簡単ではなく、選定には多くの時間と労力を要します。

希望条件に合う相手を見つけるだけでなく、金額や引き継ぎ内容の交渉も複雑になりやすいです。

そのため、専門家を交えて計画的に進めることが欠かせません。

味やサービスの変化で顧客離れが起きやすい

新しい経営者が運営方針やメニューを変えると、常連客が離れる可能性も考えなければなりません。

店舗の雰囲気やサービスの質が変化すれば、従業員の士気にも影響を及ぼします。

その結果、売上や評判が悪化し、業績の不安定化を招くリスクがあるのです。

税金・契約・法務上の手間が発生する

株式や事業を譲渡する際には、所得税(譲渡所得課税)や法人税などの税務対応が必要です。

さらに、営業許可の名義変更や契約書の整備、資産調査など法務面の作業も多岐にわたります。

これらの対応には専門性の高い支援が必要です。

ステーキ事業で事業承継を成功させるためのポイント

ステーキ事業を円滑に承継するためには、単に経営権を引き渡すだけでなく、味やサービスの品質、店舗運営のノウハウなどを丁寧に引き継ぐことが求められます。

本章では、ステーキ事業で事業承継を成功させるための5つのポイントについて見ていきましょう。

味とサービス品質を徹底的に継承する

ステーキ店では、焼き加減やソースの味、接客の所作が顧客満足に直結します。

これらを正確に引き継ぐためには、レシピや提供フローを文書化し、後継者と共に現場で確認・習熟するプロセスが欠かせません。

味やサービスのブレを防ぐことで、常連客の信頼を維持しやすくなります。

主要仕入先や設備管理のノウハウを共有する

店舗の競争力は、安定した仕入れと設備の管理体制に支えられています。

後継者には仕入れ先や取引条件、交渉の要点などを詳細に引き継ぐことが必要です。

さらに、厨房機器や熟成庫の使い方・メンテナンス方法も共有し、オペレーションの安定性を保ちます。

常連客や従業員との信頼を保ちながら進める

事業承継では、店舗に関わる人々に不安を与えない配慮が重要です。

常連客には丁寧な告知を行い、従業員には早期に情報共有し、納得を得ながら進めましょう。

引き継ぎ期間中は先代と後継者が共に現場に立ち、信頼関係をつなぐ姿勢を見せることが大切です。

専門家や支援機関を早期に活用する

事業承継では、M&Aや税務、法務など多面的な対応が必要です。

専門家の支援を受けることで、適正な評価や交渉の進行、契約面のリスクを回避できます。

早い段階で支援機関に相談し、全体像を整理しましょう。

承継後の事業計画を共に設計する

承継は単なる引き継ぎではなく、将来を見据えた共同作業と言えます。

後継者と共にメニュー構成や集客戦略、設備投資の計画を立てることが大切です。

双方の意見を反映させたビジョンがあれば、承継後の店舗運営も安定しやすくなります。

ステーキ事業の事業承継に関するよくある質問

Q1.個人事業のステーキ店も事業承継できますか?

はい、可能です。

個人事業の承継は法人の株式譲渡と違い、通常は事業譲渡の形で設備・在庫・屋号やレシピなどを引き継ぎます 。

Q2.事業承継にかかる費用は?

承継に伴う主な費用は、デューデリジェンス(買い手負担)、仲介手数料(着手金・中間金・成功報酬など)、登記関連費用、そしてスキームに応じた税金です。

飲食業では、店舗の賃貸借契約や設備資産の扱いが承継費用に影響することが多く、居抜きやリース契約の引継ぎに伴って専門家のサポート費用が増えるケースもあります。

最終的な金額や負担者は、株式譲渡・事業譲渡といった承継手法や当事者間の合意内容で大きく変わるため、早めに費用項目と負担範囲を明確にしておくことが安心です。

Q3.事業承継の費用は誰が負担するのですか?

費用の負担主体は事業承継の形態によって異なります。

親族内承継の場合、基本的な諸費用(専門家への依頼料など)は会社または現経営者が負担し、後継者個人には相続税・贈与税といった税負担が生じる程度です。

従業員承継では、後継者となる従業員が株式の買取資金を準備したり贈与税を支払ったりする必要があり、資金調達を含めて後継者側の負担が大きくなります。

一方、M&Aの場合、一般的に買い手企業が事業取得の対価やデューデリジェンス費用を負担し、売り手側(承継元の経営者や法人)は譲渡対価から仲介手数料や譲渡益にかかる税金を支払う形となります。

まとめ|ステーキ事業の承継は「味」と「信頼」の継続がカギ

ステーキ業界は、業態の多様化や顧客ニーズの変化といったプラス要素がある一方で、原材料費の高騰や後継者不足といった厳しい課題にも直面しています。

そんな中で、事業承継は廃業を回避し、味やブランドを次世代に引き継ぐ有効な選択肢です。

親族内承継に限らず、第三者承継やM&Aなど、自社に合った方法を選ぶことで、店舗の継続と関係者の安心を実現できます。

CINC Capitalでは、中小企業の事業承継に精通したアドバイザーが在籍しており、店舗ごとの状況に応じた最適な承継方法をご提案しています。

まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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