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通信業のM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

業種

  • 公開日2025.09.30

通信業のM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

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通信業の将来に不安を感じていませんか。

市場は拡大傾向にある一方で、設備投資の負担や人材不足、後継者不在など経営者を悩ませる要因が多いです。

本記事では2025年の通信業界における市場動向や課題、さらにM&Aのメリット・デメリットなどを解説します。

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通信業の市場動向

日本の通信市場は成熟期に入っていますが、全体としては安定的な成長を維持しており、特にデータ通信分野が拡大傾向にあります。

2024年の市場規模は約17.5兆円で、2029年には約22.3兆円へと年平均成長率(CAGR)4.92%の予測です。

一方、IMARCグループは市場を少し強めに捉え、2024年20.4兆円、2033年には30.2兆円へ、CAGR 4.4%での成長を見込んでいます。

日本では音声通信が減る一方で、5Gや光回線、動画配信サービスの利用が増えています。

これらがデータ通信を押し上げ、今後も成長が期待されるでしょう。

【出典】imarc「日本の通信市場レポートサービス別(音声サービス、データ通信サービス、OTT、有料テレビサービス)、地域別 2025-2033」

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通信業が抱える課題

日本の通信業界は社会インフラを担う成長産業である一方、いくつかの構造的な課題を抱えています。

本章では、通信業が抱える課題について3つの観点から解説していきます。

設備投資の負担増と資金調達難

通信インフラは年々高度化しており、5Gの基地局整備や光ファイバーの敷設には膨大な費用が必要になっています。

大手通信事業者はある程度の余力で投資を進められますが、地方の中小事業者は資金が限られており、必要な投資に踏み切れない場合が多いです。

資金調達の難しさは通信業界の成長を妨げており、持続的な発展には支援策やM&Aの活用が必要です。

地方における通信インフラ格差

都市部では高速回線や光ファイバー網が整備され、快適な通信環境が広がっています。

しかし地方では同じように整備が進んでおらず、サービス品質に大きな地域差が出ているのです。

通信障害や設備トラブル時には地方の対応が遅れることがあり、住民が公平に利用できる環境へ改善が求められています。

専門人材不足と後継者問題

通信ネットワーク技術者は減少し、地方では若手育成も進んでいません。

ベテランの高齢化で技能継承が難しくなり、ノウハウ喪失の懸念が高まっているのが現状です。

また、中小企業では経営者の高齢化と後継者不在が深刻で、事業承継型M&Aが増えています。

通信業のM&A最新動向(2025年)

2025年の通信業界におけるM&Aは、これまで以上に多様化が進んでいます。

本章では、通信業のM&A最新動向を3つの観点から解説していきます。

親子統合による経営合理化の動き

通信業界ではグループ内での親子統合が進んでおり、経営効率化のための重要な流れです。

NTTは2025年5月、約2兆3700億円でNTTデータを完全子会社化し、経営の迅速化とグローバル競争力の強化を目指しています。

このような統合は事業戦略を一体化し、資源を効率的に投入するための有効な手段であり、業界再編を加速させる要因になっているのです。

【出典】NTTグループ「NTTデータグループの完全子会社化について」

技術・サービス獲得を目的とした買収活発化

近年の情報通信業界では、新しい技術やサービスを持つ企業の買収が活発です。

AIやクラウド、デジタル決済は競争が激しく、自社開発には時間とコストがかかるため、通信企業はM&Aで効率的に取り入れる動きが強まっています。

こうした動きは新サービス提供のスピードを高め、顧客への価値向上と差別化を実現できるため、今後も拡大していくでしょう。

地域中小企業の承継型M&A増加

地方の通信インフラ事業者では、創業者の高齢化や後継者不在の問題が深刻です。

このままでは雇用や地域の通信サービスが失われる可能性があるため、事業承継を目的としたM&Aが有力な解決策として注目されています。

承継型M&Aにより通信基盤を守りつつ企業と雇用を維持する動きが進み、地方再編の重要な手段となる見込みです。

通信業でM&Aをするメリット

通信業界でM&Aを実施することは、単なる規模拡大にとどまらず、業界特有の強みを生かす経営戦略として大きな意味を持ちます。

本章では、通信業でM&Aをするメリットを5つの観点から解説していきます。

技術・AIインフラの迅速獲得

通信業界は変化のスピードが非常に速く、自社でAIや通信インフラを一から開発すると膨大な時間とコストがかかってしまいます。

そこで、M&Aを通じて既に実績を持つ企業を取り込めば、研究開発のリスクを抑えながら最新技術をすぐに活用できるのです。

この方法は市場の動きを先取りし、競争力を維持するために欠かせない有効な戦略といえるでしょう。

人材・ノウハウの組織内取り込み

通信業界では、高度な専門知識や経験を持つ技術者が企業の強みを決定づける大切な存在です。

M&Aによってこうした有能な人材を組織に迎え入れれば、独自のノウハウも同時に獲得でき、即戦力として活用できます。

その結果、技術力の強化だけでなくサービスの品質向上にもつながるため、企業の競争優位性を高められるのです。

インフラ・設備の統合によるコスト削減

通信インフラや運営設備を複数の企業で統合すると、重複していた投資や保守コストを大きく削減可能です。

通信回線やクラウド契約を一本化すればコストを抑えられ、運用部門の統合で管理効率も高まります。

結果として利益率の改善に直結し、企業の財務体質をより強固にすることができるでしょう。

顧客基盤・市場シェアの効率的拡大

他社を買収することで、すでに確立された顧客基盤や営業チャネルをそのまま取り込むことができます。

これにより新規市場への進出がスムーズになり、既存顧客に自社サービスを組み合わせて提供することで収益機会を拡大できるのです。

この仕組みは短期間で市場シェアを大きく伸ばせるため、競争の激しい通信業界で生き残るための有効な手段といえるでしょう。

後継者不在企業の事業継続支援

通信業界では創業者の高齢化と後継者不足が深刻化しており、事業の存続が危ぶまれるケースも少なくありません。

その解決策としてM&Aを活用すれば、雇用やサービスを維持しながら円滑に事業を引き継ぐことが可能です。

売り手は個人保証から解放され安心して引退でき、買い手は地域の信用を活かして事業を拡大できる利点があります。

【売却スキームの基本|資金は誰に入る?】

  • 株式譲渡:対価は株主(オーナー個人)に入る。契約・許認可は原則継続。
  • 事業譲渡:対価は会社(法人)に入る。個別に契約/許認可の承継が必要。消費税の論点あり。
  • 個人保証の解除:金融機関の同意が前提。債務者変更/借換/返済のいずれかで外す設計。自動では外れない。

通信業でM&Aをするデメリット

通信業界のM&Aは成長戦略や事業承継の有効手段となる一方で、特有のリスクも存在します。

本章では、通信業でM&Aをするデメリットを3つ解説していきます。

ネットワーク・システム統合の困難さ

通信業界のM&Aでは、ネットワークやシステムを統合する過程で大きな課題が発生することが多いです。

例えば、経営層の理解不足やIT部門の統率力欠如で統合が遅れ、情報共有の遅延や業務停止を招く恐れがあります。

その結果、期待していたシナジーを発揮できず、かえって混乱を招くリスクが高まるため、事前の綿密な準備と専門人材の確保が欠かせません。

組織文化の摩擦や人材流出リスク

M&A後に異なる文化や方針を持つ組織を一体化させることは容易ではありません。

従業員は新しい環境に戸惑いや不安を抱きやすく、モチベーションの低下や優秀な人材の流出につながってしまうことがあります。

通信業界では技術力が競争力の源泉であり、キーパーソン流出は戦略停滞を招くため、従業員への丁寧な説明と信頼構築が重要です。

許認可・規制対応・審査遅延の可能性

通信業は総務省の管轄下で厳しい規制があり、M&Aを進める際にも各種の許認可が必要です。

手続きは複雑で時間を要するうえ、経営体制や影響が不透明な場合には行政から改善指示を受ける可能性もあります。

さらに、大規模取引では公正取引委員会の審査によりスケジュールが遅延することもあるため、規制対応を見越した十分な計画を立てましょう。

通信業でM&Aを成功させるためのポイント

通信業界でM&Aを成功させるには、業界特有の事情を踏まえた戦略的な準備が欠かせません。

本章では、通信業でM&Aを成功させるためのポイントを5つ解説していきます。

早期準備と専門情報の整理

通信業におけるM&Aは、事前準備のスピードが成否を分ける大きな要素です。

M&A検討の初期から契約情報や財務データ、技術ライセンスを整理しておけば、買い手との交渉が円滑に進みます。

早めの対応によって調査や評価にかかる時間を短縮できるため、競合案件より有利に交渉を進められる可能性が高まるでしょう。

技術・人材の承継計画(PMI)の策定

M&A後の統合段階で重要なのがPMIと呼ばれる承継計画になります。

すぐに経営を一体化させるのではなく、まず従業員との信頼関係を築く期間を設けることが摩擦を減らすために有効なのです。

そのうえで段階的に統合を進めることで、技術や人材を安定的に引き継ぎ、シナジー効果を最大限発揮できる体制を整えましょう。

通信業に精通した専門家の活用

通信業界のM&Aは規制や許認可、技術評価など特殊な領域が多く、一般的な取引以上に専門知識が必要です。

こうした事情に対応するためには、業界特有のノウハウを持つ専門家を早い段階から関与させることが欠かせません。

専門家の助言を受けることで手続きの見落としを防ぎ、想定外の遅延を回避して円滑に進めることが可能になります。

財務・無形資産の徹底デューデリジェンス

通信業では、財務数値だけでは企業の価値を十分に測れません。

開発中のソフトウェアや保有する技術ライセンス、人材リソースといった無形資産が競争力の源泉になることが多いため、徹底的に調査する必要があるのです。

財務と無形資産の両面を精査することで正確な企業評価が可能となり、統合後に発生し得るリスクを軽減できるようになります。

従業員・取引先に対する丁寧な説明と信頼構築

M&Aでは経営者の交代や体制の変更によって、従業員や取引先に不安が広がりやすい傾向があります。

こうした不安を放置すると統合後のパフォーマンスや関係継続に悪影響を与えるため、早期から積極的に情報を共有することが大切なのです。

将来のビジョンやメリットを丁寧に説明し、対話を重ねることで信頼を築き、協力体制を確立しましょう。

まとめ|通信業のM&Aを成功へ導くために

通信業界は成熟期を迎えつつも、データ通信需要の拡大や技術革新を背景に新たな成長機会が広がっています。

その一方で、高額な設備投資、地方でのインフラ格差、専門人材不足と後継者問題など、構造的な課題も顕著です。

このような環境でのM&Aは、技術獲得や顧客拡大、コスト削減、事業承継などに活用され、重要な経営戦略の手段となります。

しかし、統合時のシステム調整や文化摩擦、規制対応の遅延など特有のリスクも存在するため、業界に精通した専門家によるサポートが欠かせません。

CINC Capitalは、M&A仲介協会会員であり、中小企業庁登録の支援機関として、10年以上の実務経験を持つ専門家が企業の目的に合った最適な手法をご提案します。

秘密厳守で円滑な取引を支援し、通信業界の特性を踏まえた戦略的M&Aの実現をお手伝いします。

まずは無料相談にお問い合わせください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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