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【2025年】小売業界の事業承継とは?動向や手法、メリットデメリット、成功のためのポイントを解説

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  • 公開日2025.09.29

【2025年】小売業界の事業承継とは?動向や手法、メリットデメリット、成功のためのポイントを解説

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小売業を営む中で「後継者が見つからない」「この先も事業を続けられるのか不安」と感じていませんか。

人口減少や競争激化が進む中、事業の存続をどう守るかは多くの経営者が抱える共通の悩みです。

本記事では、2025年時点の小売業界における事業承継の最新動向や具体的な方法、承継のメリットとデメリットなどを詳しく解説します。

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小売業界の市場動向と課題

日本の小売市場は、2023年に個人消費やインバウンド需要の回復、物価上昇の影響を受けて拡大しました。

本章では、小売業界の市場動向と課題について、3つの観点から解説していきます。

市場縮小に向けた消費構造の変化

経済産業省の商業動態統計月報によると、日本の小売売上高は2024年まで増加傾向が続いており、2025年6月時点でも堅調に推移しています。

一方で、日本の世帯数の将来推計(全国推計)によると、人口減少が進み、世帯数そのものは長期的に減少していることが統計から明らかになっています。

このような構造的な変化を踏まえ、経営者は事業承継においても持続的に収益を確保できる戦略を立てる必要があるでしょう。

【出典】経済産業省「商業動態統計調査」
【出典】国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(令和6(2024)年推計」

価格高騰と顧客離れを防ぐ対応

近年の物価上昇は小売業の利益を圧迫し、単純な値上げでは顧客離れを招くリスクがあります。

そのため、各社はプライベートブランド(PB)の強化や業務効率化でコストを抑える取り組みを進めているのです。

加えて、顧客体験を高める工夫を行うことで、承継後の経営においても競争力を維持する基盤となります。

オムニチャネル化とAI・DX導入の加速

消費者は店舗とオンラインを自由に行き来する購買行動をとるようになり、ECの利用比率は年々高まっています。

経済産業省も商品情報の標準化や流通データの連携を推進しており、業界全体でデジタル化が進んでいます。

こうしたオムニチャネル戦略やAI・DXの導入は、承継後に新しい価値を創造するための大きな武器となるでしょう。

【出典】経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
【出典】経済産業省「商品情報連携に関するこれまでの検討と今後の進め方について」

M&Aや事業承継は、まず自社の企業価値を正しく把握することから始まります。

「企業価値算定シミュレーター」では、業績や条件を入力するだけで、企業価値の目安を手軽に確認できます。経営判断や将来設計の参考として、ぜひご活用ください。

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【2025年】小売業界の事業承継の最新動向

2025年現在、小売業界ではM&Aを活用した第三者承継が急増しつつあります。

本章では、2025年時点における注目すべき事業承継の動向を2つの観点から解説していきます。

M&Aによる第三者承継の活性化

近年の事業承継では、親族や社内の従業員以外に引き継ぐ「第三者承継」が増えています。

特にM&Aを活用するケースが多く、中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」や後継者税制の整備がその後押しとなっています。

こうした流れは、承継の主流が第三者承継へと移行していることを示しています。

地域金融や支援機関による小規模M&A支援の強化

地方の中小企業は深刻な後継者不足に直面しており、その解決策として地域金融機関や支援機構が積極的に関わっています。

銀行や公的機関は、マッチングや資金面での支援を提供する仕組みを整備しています。

これにより、廃業を避けて事業を継続でき、地域経済を守る効果が期待されるでしょう。

小売業界で事業承継を実施する方法は?

小売業界の事業承継には、主に『親族内承継』と『従業員承継』『M&A』があります。

本章では、それぞれの方法について詳しく解説していきます。

親族内承継

親族内承継は、経営理念や企業文化を守りやすく、従業員や取引先からの理解も得やすい方法です。

従来は最も一般的な承継形態でしたが、少子化や価値観の変化により、子どもや親族が経営を継ぎたがらないケースが増えています。

その結果、親族内だけでの承継が難しくなり、早めの選択肢検討が求められています。

従業員承継

従業員承継は、社内の役員や従業員が後継者となる方法です。経営理念や事業内容を理解している人材に引き継ぐため、承継後も企業文化を維持しやすい点が特徴です。

一方で、承継者本人に十分な資金力がないケースが多く、株式取得や事業引継ぎに際して金融機関や制度融資の活用が不可欠となります。

M&A

M&Aは、事業を他社に譲渡し、統合を通じて引き継ぐ方法です。

雇用や取引先との関係を維持できる可能性が高く、買い手企業の資本やノウハウを活用できる点が大きなメリットです。

一方で、交渉や手続きが複雑になりやすいため、専門家の支援を受けながら進めることをおすすめします。

小売業界で事業承継するメリット

小売業で事業承継を行うと、親族に後継者がいない場合でも第三者へ引き継ぐことで事業を存続できます。

長年築き上げた店舗の信用や顧客基盤を守れるため、地域社会に与える影響を最小限に抑えられるのです。

なお、株式譲渡では売却益は株主(経営者個人)に、事業譲渡では対価が会社(法人)に帰属するなど、承継方法によって資金の帰属や税務の扱いは異なります。

こうした継続性と適切な承継形態の選択は、事業承継の大きな魅力であり成功の条件です。

本章では、小売業界で事業承継するメリットを5つ解説していきます。

事業存続確保

小売業で事業承継を行うと、親族に後継者がいない場合でも第三者へ引き継ぐことで事業を存続できます。

長年築き上げた店舗の信用や顧客基盤を守れるため、地域社会に与える影響を最小限に抑えられます。

こうした継続性は、事業承継の大きな魅力であり成功の条件の一つです。

売却益の獲得

小売事業をM&Aで承継する場合、手法によって売却益の帰属先が異なります。

株式譲渡では売却益は株主(経営者個人)に帰属し、事業譲渡では売却対価は会社(法人)に入ります。

そのため、事業譲渡の場合は法人税の課税や、その後の配当・役員退職金の設計といった論点も生じるのです。

売却益や対価を適切に活用することで、経営者の老後資金や新しい事業への投資に充てられる可能性があり、廃業と比較して大きな経済的メリットを享受できるでしょう。

ブランド・ノウハウの継承

事業承継を行えば、店舗ブランドや顧客との信頼関係を新しい経営者に引き継ぐことが可能です。

従業員が持つ接客技術や仕入れのノウハウも維持されるため、事業の安定性が高まります。

これにより、新体制に移行しても事業をスムーズに継続できます。

従業員雇用の維持

M&Aを活用した事業承継では、従業員が引き続き雇用されるケースが多いです。

突然の廃業で職を失う心配が減り、従業員の生活基盤を守ることができます。

安心して働ける環境が維持されることで、従業員のモチベーションも保たれます。

主力への資源集中

承継の過程で収益性の低い店舗や事業を譲渡すれば、経営資源を本業や主力部門に集中できます。

余計な負担を減らすことで、限られた人材や資金を効果的に活用できるようになります。

結果として、経営効率の改善や利益率の向上が期待できるでしょう。

小売業界で事業承継するデメリット

小売業界で事業承継を進める際には、いくつかのデメリットも存在します。

本章では、事業承継するデメリットを3つの観点から解説していきます。

後継者ミスマッチ懸念

小売店の事業承継では、理想的な後継者が見つからないことが大きな課題です。

やむを得ず十分な資質や意欲を持たない人材に継がせると、経営の安定性が損なわれる恐れがあります。

その結果、承継後に混乱が生じたり、最悪の場合は廃業につながるリスクが高まるのです。

従業員の離職・士気低下

M&Aや外部への承継が発表されると、従業員は待遇や働き方の変化に不安を抱きやすくなります。

職場文化が大きく変わると、心理的な負担から離職を選ぶケースも少なくありません。

こうした人材流出は組織の混乱を招き、承継自体に悪影響を与える可能性があります。

準備コストと時間負担

事業承継を成功させるには、後継者の育成や財務整理、税務・法務手続きなど多くの準備が必要です。

これらには通常、数年単位での時間と大きなコストがかかります。

計画が不十分だと承継が急ぎ足となり、失敗するリスクが一段と高まります。

小売業界で事業承継を成功させるためのポイント

小売業の事業承継を成功させるには、業界特有の課題に即した準備が欠かせません。

本章では、事業承継を成功させるためのポイントを5つ解説していきます。

取引契約の特約確認

M&Aで事業承継を行う際には、取引契約に含まれる特約を事前に確認することが重要です。

特にCOC(チェンジ・オブ・コントロール)条項があると、経営権の移転後に契約解除や承認が必要になる場合があります。

承継前に内容を精査し、必要な調整を済ませておくことで、取引や営業を途切れさせずに継続できます。

承継後の統合支援(PMI)実施

M&Aを成功させるためには、承継後の統合プロセスであるPMIの実行が欠かせません。

統合計画が不十分だと、期待した相乗効果が得られず、買収の目的を達成できない恐れがあります。

承継時に綿密なPMI計画を立て、従業員や業務を丁寧に統合していくことが成功のカギとなります。

早期準備開始

小売業の事業承継を円滑に進めるには、できるだけ早い段階で準備を始めることが求められます。

後継者選定や財務状況の整理、経営資源の棚卸しを計画的に行えば、承継時の混乱を減らせます。

時間に余裕を持つことで複数の選択肢を検討でき、スムーズな移行が実現します。

好タイミングでの実施

事業承継は実施するタイミングによって成果が大きく変わります。

市場環境や自社の業績を見極めつつ、早めに準備を整え、適切な時期に実施することが望ましいです。

専門家と連携

事業承継には法務・税務・労務など多くの専門知識が必要であり、経営者だけで対応するのは難しいのが実情です。

弁護士や税理士、M&Aアドバイザーなどの専門家に相談することで、リスクを抑えながら進められます。

中小企業庁が運営する「よろず支援拠点」などを活用すれば、信頼できる専門家にアクセスでき、承継計画を安心して進められます。

まとめ|小売業の未来を安心してつなぐために

小売業界は、人口減少や消費構造の変化などの影響を受けながらも、地域社会に欠かせない存在として重要な役割を担っています。

事業承継を円滑に進めるには、メリットとデメリットを正しく理解したうえで、契約面や従業員のケア、そしてDXを含む新しい取り組みを計画的に導入することが必要です。

早い段階で準備を始め、専門家の力を借りることで、会社の価値を維持しながら次世代へつなぐことができます。

なお、M&Aで得られる対価は株式譲渡か事業譲渡かによって帰属先が異なるため、税務上の取り扱いや資金計画は専門家に相談することが重要です。

CINC Capitalでは、豊富な経験を持つアドバイザーが小売業界の特性を踏まえ、会社と社員の未来を見据えた最適な承継プランをご提案します。

経営者の想いを大切にしながら円滑な承継を実現できるよう支援いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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