CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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- 公開日2025.09.29
和歌山県のM&A動向は?事例や信頼できる相談先/M&Aを進めるときの注意点を解説
M&Aは、企業の合併や買収を通じて事業の成長や承継を実現する手法として注目を集めています。和歌山県では少子高齢化や後継者不足の影響から、中小企業を中心に事業承継のニーズが高まっており、地域密着型のM&Aが進行しています。
本記事では、和歌山県におけるM&Aの最新動向や実際の事例、信頼できる相談先、M&Aを円滑に進めるための注意点まで解説します。
目次
和歌山県のM&Aの最新動向【2025年】
和歌山県では、少子高齢化と地域経済の縮小といった背景から、M&Aによる事業承継や再編が注目されています。まずは、和歌山県のM&A動向を象徴する2つのポイントを解説します。
後継者問題を背景としたM&Aニーズの高まり
「株式会社帝国データバンク」の調査によると、2024年における和歌山県の後継者不在率は43.5%でした。
全国平均の52.1%を下回る水準ではありますが、依然として4割以上の企業が後継者不足に直面しています。近年は、従業員承継や第三者への承継を視野に入れたM&Aも検討されています。
なかでも和歌山市や橋本市などの人口が集中するエリアでは、地域金融機関や商工会議所が事業承継の仲介役を担う動きが活発化しています。
加えて、県外からの移住者と県内の事業者とのマッチングを支援する制度も整備されており、外部人材による事業承継を含めたM&Aの可能性が広がっています。
【出典】株式会社帝国データバンク「全国「後継者不在率」動向調査(2024年)」
経営環境の変化によるM&A活用の動き
和歌山県では、2023年の休廃業件数が前年比0.7%増の299件と、わずかながら増加傾向にあります。
特に中小企業では、物価上昇や電気代の高騰、人手不足により経営が圧迫されるケースが多く見られます。
こうした背景から、収益性の低下や財務悪化が進む前に、事業の売却や統合によって会社の価値を残そうとする「前向きなM&A」が選ばれる傾向も出てきました。
一方で、支援策の縮小に伴って資金繰りが難しくなった企業が、十分な事前準備を行わずに事業を手放すケースも増えています。早期からの事業承継計画の策定や、M&Aに関する専門家との連携が重要視されている状況です。
【出典】株式会社帝国データバンク「全国企業「休廃業・解散」動向調査(2023)」
和歌山県でM&Aの相談どこにする?
和歌山県でM&Aや会社売却、事業承継を検討している場合、誰に相談すべきか迷う方も多いでしょう。スムーズなM&Aを進めるためには、自社に合った相談先を選ぶことが重要です。ここでは、和歌山県でM&A相談をする主な3つの手段について解説します。
M&A仲介会社に相談する
和歌山県でM&Aを進める際、一般的な方法の一つがM&A仲介会社に相談することです。M&A仲介会社は、買い手・売り手のマッチングから契約成立まで、一貫したサポートを提供しています。
なかには全国規模のネットワークを活用して、和歌山県内の案件も幅広く取り扱っている仲介会社もあります。
仲介会社を利用することで、M&Aの専門家によるアドバイスを受けながら、複雑な手続きを円滑に進めることが可能です。ただし、手数料体系や対応スピードには会社ごとに差があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
金融機関や公的機関を利用する
和歌山県には、地域の企業支援を目的とした公的機関や地元の金融機関がM&Aの相談窓口を設けています。なかでも公的機関は地元企業の事業承継支援に力を入れており、無料での相談を受け付けている場合もあります。
一方、金融機関では融資を含めた資金面の相談ができる点が魅力です。ただし、公的機関では仲介業務を行っていないことが多く、案件の成約までには別途仲介会社のサポートが必要となる可能性があります。
M&Aマッチングサイトで探す
和歌山県内のM&A案件をご自身で探したい場合には、M&Aマッチングサイトを利用するのも一つの手段です。マッチングサイトでは、売り手・買い手の情報が掲載されており、条件に合う相手を自由に検索できます。
和歌山県に拠点を置く企業同士のマッチング事例も多く、自社にM&Aの知見がある場合には、仲介を通さず低コストで進めることも可能です。ただし、その際は交渉や契約実務に関する専門知識が求められます。
和歌山県で信頼できるM&Aの相談先一覧
和歌山県でM&Aや事業承継を検討している方に向けて、地域に特化した信頼できる相談先をご紹介します。各機関の所在地、連絡先、ウェブサイトをまとめた表も併せて掲載していますので、ぜひご活用ください。
和歌山県事業承継・引継ぎ支援センター
事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業庁と独立行政法人中小企業基盤整備機構が連携して運営する公的機関です。和歌山県内の中小企業の事業承継や、M&Aに関する無料相談を受け付けています。
専門家による中立的な立場からのアドバイスや、後継者不在企業と譲受希望者とのマッチング支援などを行っています。
受付時間 |
平日9時~17時30分 |
住所 |
〒640-8033 和歌山県和歌山市西汀丁36番地 和歌山商工会議所5階 |
電話 |
073-499-5221 |
Webサイト |
和歌山商工会議所
和歌山商工会議所は、地域の中小企業支援を目的とした団体で、事業承継やM&Aに関する相談窓口を設けています。専門の相談員が、企業の状況に応じたアドバイスや、必要に応じて専門機関の紹介を行っています。
受付時間 |
平日9時~17時30分 |
住所 |
〒640-8567 和歌山県和歌山市西汀丁36 |
電話 |
073-422-1111 |
Webサイト |
CINC Capital
CINC Capital(シンクキャピタル)は、全国対応可能な独立系のM&A仲介会社であり、中小企業・スモールM&Aに強みを持っています。
財務・税務・法務の専門家と連携したワンストップ支援により、譲渡企業・譲受企業の双方にとって納得感のあるM&Aを実現。和歌山県の企業に対しても、地域密着型の丁寧なサポートを行っており、初めてのM&Aでも安心して相談できるパートナーです。
受付時間 |
平日9時~18時(年末年始を除く) |
住所 |
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1丁目21-19 東急虎ノ門ビル6F |
電話 |
03-4500-7072 |
Webサイト |
和歌山県のM&A事例
和歌山県のM&A事例をご紹介します。自社のM&A検討時の参考にしてみましょう。
ポエック株式会社によるアイエススプリンクラー株式会社のM&A
ポエック株式会社は、2024年7月30日付でアイエススプリンクラー株式会社(和歌山県橋本市)の株式取得を完了し、子会社化したと発表しました。
アイエススプリンクラーは1991年設立の企業で、スプリンクラーヘッドや流水検知装置、一斉解放弁の製造を手掛けています。
今回の買収により、ポエックは防災関連機器分野における製品ラインアップの拡充と技術基盤の強化を図る狙いとみられます。
火災予防・消火設備の需要は公共施設や民間建築物の安全対策強化を背景に安定的に推移しており、グループとしての事業シナジー創出が期待されます。
なお、2024年8月期の連結業績への影響は軽微とされていますが、中長期的には防災ソリューション事業の競争力向上に寄与するM&Aといえます。
【出典】ポエック株式会社「アイエススプリンクラー株式会社の株式取得(子会社化)完了に関するお知らせ」
株式会社日本共創プラットフォームによる浦島観光ホテル株式会社のM&A
株式会社日本共創プラットフォーム(JPiX)は、和歌山県でホテル・旅館事業を展開する浦島観光ホテル株式会社の全株式を取得する契約を締結し、2024年12月末に譲受を完了する予定です。
浦島観光ホテルは「ホテル浦島」をはじめ、洞窟温泉「忘帰洞」で知られる那智勝浦温泉の宿や、熊野川の川湯温泉を代表する施設など計4施設を運営し、南紀勝浦エリアの観光を長年牽引してきました。
JPiXは、同社が築いてきたブランドや地域に根差した基盤を活かしつつ、グループが経営する南紀白浜空港をハブとした周遊観光の推進などを通じ、南紀エリア全体の活性化を目指すとしています。
短期的な売却益を目的とせず、長期的な視点からの経営支援を特徴とするJPiXの戦略により、地域観光産業の持続的な成長を後押しするM&Aといえます。
【出典】株式会社日本共創プラットフォーム「浦島観光ホテル株式会社の株式譲受に関するお知らせ」
センコー株式会社による株式会社オプラスのM&A
センコー株式会社は、2024年5月に和歌山市の総合物流会社・株式会社オプラスを子会社化すると発表しました。
オプラスは創業70年を超え、和歌山県を中心に大阪・三重にも拠点を持ち、スーパーマーケットやドラッグストア向けに食品の低温輸送や日用品輸送を手掛ける地域トップクラスの物流企業です。
センコーは今回の子会社化により、全国に展開する輸配送ネットワークの中で和歌山エリアを強化し、地域発着の新規顧客獲得を目指します。
一方、オプラスはセンコーグループの量販小売・食品物流に関するノウハウや広域配送網を活用し、更なる事業拡大を図る考えです。
地域密着型の物流会社を取り込むことで、双方の強みを活かしたシナジー創出が期待され、センコーの西日本エリアにおける物流基盤の拡充に大きく寄与するM&Aといえます。
【出典】センコー株式会社「和歌山エリアの配送網を強化し、事業拡大を図る~県内トップクラスを誇るオプラスを5月に子会社化
和歌山県でM&Aを進めるときの注意点
和歌山県で会社の売却や事業承継を検討している企業には、地域特有の事情を踏まえた慎重な対応が求められます。ここでは、和歌山県でM&Aを進める際に、売り手側の企業が注意すべきポイントをご紹介します。
地域の産業構造に合わせた戦略を立てる
和歌山県は、農業や水産業、観光業など地域資源に根差した産業が多くを占めています。
そのため、売却時には単に財務面の良し悪しだけでなく、事業が地域経済や雇用にどのような役割を果たしているかも重要視されます。
買い手にとっても「地域に馴染むビジネスかどうか」が判断基準になるため、こうした背景を踏まえた戦略立案が必要です。
買い手との経営方針やビジョンのすり合わせを重視する
中小企業のM&Aでは、譲渡後の「経営の引き継ぎ」がスムーズにいくかが成功の鍵です。特に地方では、従業員の定着や顧客・取引先との関係維持が事業継続に影響を与えます。
そのため、買い手の経営スタイルや企業文化が自社と大きくかけ離れていないかを、慎重に確認することが大切です。事前にビジョンの共有ができていないと、譲渡後のトラブルに発展するリスクがあります。
適切な専門家に相談する
M&Aは法務・税務・財務の知識が必要な専門的な取引です。初めてM&Aを行う中小企業の売り手にとっては、不明点や不安が多くあるでしょう。
そんなとき和歌山県には、地域に根差した仲介会社や、全国対応可能なM&A専門機関が存在します。
専門家に相談することで、相場の把握や適切な買い手の選定、交渉の進め方まで一貫したサポートを受けられます。
M&Aを検討する際に知っておきたい基礎知識
M&Aを初めて検討する企業にとっては、専門用語や手法の違いがわかりにくいものです。ここでは、売却を考えている方が気になりやすい基本的な疑問に、一問一答形式で簡潔にお答えします。
M&Aと事業譲渡の違いはなんですか?
「M&A」とは会社の合併や買収を総称する言葉で、その手法の一つに「事業譲渡」があります。株式譲渡や合併と並び、目的や状況に応じて使い分けられる手法の一つです。
【関連記事】M&Aとは?意味や目的、手法ごとのメリットデメリットをわかりやすく解説
M&Aのメリットとデメリットはなんですか?
売却による事業承継や成長資金の獲得など、M&Aには多くのメリットがあります。一方で、従業員への影響や買い手との交渉リスクといったデメリットもあるため、慎重に進めることが大切です。
【関連記事】M&Aのメリットとデメリットは?買い手と売り手の立場別にわかりやすく解説
M&Aの相場はどのくらいですか?
一般的な算出方法としては、時価純資産に営業権(のれん)を加算する方法、マルチプル法(EBITDAなどの指標に対する倍率で評価)などがあります。なお、DCF法(将来キャッシュフローの現在価値)は主に上場企業同士やスタートアップのM&Aで用いられる手法です。
M&Aへ向けて自社の企業価値を知りたい方は、以下のページから「企業価値算定シミュレーション」をご利用ください。
【参考】企業価値算定シミュレーション
M&Aでおすすめの相談先はどこですか?
M&Aを検討する際には、専門的な知識と実績を持つ相談先を選ぶことが重要です。一般的には、M&A仲介会社、金融機関、税理士・公認会計士・弁護士などの専門家が相談先として挙げられます。
なかでもM&A仲介会社は、売り手と買い手の間に入り、条件交渉から契約締結までを一貫してサポートするので、多くの中小企業にとって心強い存在となるでしょう。
CINC Capitalでは、これまで多くの企業様のM&Aを支援してきた実績があり、専門コンサルタントが丁寧に対応いたします。初めてM&Aを検討する方も、まずはお気軽にご相談ください。
【関連記事】M&Aはどこに相談する?相談先の選び方やメリットデメリットを解説
まとめ|和歌山県のM&Aのポイント
和歌山県でM&Aを検討する際には、地域の産業構造や経済環境を理解した上で、自社にとって最適なタイミングと相手先を見極めることが重要です。地方ならではの人間関係や業界特性を踏まえた丁寧な対応が、M&A成功の鍵となります。
M&Aには専門的な知識が求められる場面が多く、自社だけで進めるのはリスクが伴います。信頼できる専門家や仲介会社と連携し、戦略的かつ慎重に進めることが大切です。
CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。