CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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M&A / 基礎知識
- 公開日2025.04.28
- 更新日2025.04.30
【2025年最新】M&A・事業承継の成功事例18選|大企業と中小企業に分けて紹介
近年、企業の成長戦略としてのM&Aや事業承継が注目を集めています。M&Aや事業承継の成功事例は、企業の未来を描く上で非常に有益な情報となります。
本記事では、2025年最新のM&A・事業承継の成功事例を大企業と中小企業に分けて紹介します。また、M&Aの実施を検討している方に向け、M&Aのメリットも併せてお伝えします。
目次
【2025年最新】M&Aの成功事例8選
ここでは、2024年・2025年に実施されたM&A・事業承継の成功事例を紹介します。
最新の事例を理解することで、M&Aや事業承継の動向を押さえることにもつながります。
エアトリがノックラーンを子会社化
株式会社エアトリが株式会社ノックラーンの株式を取得し、子会社化しました。(2024年12月)
株式会社ノックラーンは、スタートアップ企業やベンチャー企業向けの採用支援サービス「Recboo」や社会人講師によるオンライン家庭教師サービス「KnockLearn」を展開している企業です。
ハイレイヤー人材の採用に特化したダイレクトリクルーティングの運用に強みを持っています。
一方で株式会社エアトリは、国内外の航空券や宿泊施設の予約を行うオンライン旅行プラットフォーム「エアトリ」を運営する会社です。
エアトリは創業以来のコア事業であり、航空会社との強固な提携を活かして、国内全路線の比較予約や新幹線の予約販売を実現しています。
エアトリの17つ目の事業「CXOコミュニティ事業」やエアトリCVC※投資先とのネットワークを活用し、ノックラーンとのシナジー効果※を生み出すことで、事業成長を加速させる狙いがあります。
また、このM&Aはエアトリが掲げる中長期成長戦略「エアトリ5000」の早期達成を意識したもので、企業の競争力を強化するための重要なステップです
※CVC…Corporate Venture Capital (コーポレートベンチャーキャピタル)の略で、大企業が設立する投資部門で、革新的なスタートアップ企業に投資を行います。
※シナジー効果…複数の要素や組織が協力することで、個々の合計以上の効果を生み出す現象を指します。
【出典】株式会社ノックラーン「株式会社エアトリへの株式譲渡及び子会社化のお知らせ」
アダストリアがADOORLINKとTODAY’S SPECIALを吸収合併
株式会社アダストリアが、株式会社トゥデイズスペシャルと株式会社ADOORLINKを吸収合併しました。(2025年3月)
株式会社トゥデイズスペシャル(TODAY’S SPECIAL)は、ファッションと雑貨を中心に展開するブランドで、特にライフスタイル関連の商品を提供しています。
株式会社ADOORLINK(アドアーリンク)は、サステナブル(持続可能)な衣料品ブランド「O0u(オー・ゼロ・ユー)」を運営しており、環境に配慮した素材や製造技術を重視しています。
一方で株式会社アダストリアは、日本を拠点とするカジュアル衣料品および雑貨の専門小売企業で、国内外で多様なブランドを展開しています。
この吸収合併により、アダストリアはTODAY’S SPECIALとADOORLINKのリソースを統合し、運営の効率を高めることを目指します。
特にサステナビリティ経営の加速化と業務効率化がシナジー効果として期待されています。
【出典】株式会社アダストリア「連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ」
ノジマがVAIOを子会社化
株式会社ノジマがVAIO株式会社の株式を取得し、子会社化しました。(2025年1月)
VAIO株式会社は1996年にソニーのPCブランドとして誕生し、2014年に独立した純国産PCメーカーとして再出発しました。高品質な製品とデザイン性の高さで知られていますが、競争の激化により経営が厳しくなっていました。
一方で株式会社ノジマは、神奈川県横浜市を本社とする日本の家電量販店です。デジタル家電製品等の販売を主な事業としており、首都圏を中心に店舗を全国展開しています。
ノジマは家電量販店としての強みを活かし、VAIOの法人向けPC事業を拡大することが期待されて、M&Aが行われました。
VAIOの製品を自社の販売網を通じて広めることで、顧客基盤の強化を図る狙いがあります。
また、ノジマによる「VAIOの持つブランド力と高い品質を維持」「VAIOの成長の支援」などVAIOにとってもメリットがあったため、M&A合意に至っています。
ノジマの安定した財務基盤を活用することで、VAIOは持続的な事業拡大を図ることができるとされています。
【出典】株式会社ノジマ「VAIO株式会社およびVAIO株式を保有するVJホールディングス3株式会社の子会社化完了に関するお知らせ」
パーソルビジネスプロセスが富士通コミュニケーションを子会社化
パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社が富士通コミュニケーション株式会社の株式を取得し、子会社化しました。(2025年2月)
富士通コミュニケーションサービス株式会社は、コンタクトセンターやITサポートのアウトソーシングサービスを提供しています。
親会社の富士通は、DXを推進するための事業モデルの見直しを行っていました。それにあたり、富士通コミュニケーションサービスの事業展開についても考えていました。
一方でパーソルビジネスプロセスデザイン株式会社は、BPOやコンタクトセンター、 業務コンサルティングを含めた支援を行っており、多くの企業のビジネスの成長をサポートしています。
パーソルビジネスプロセスデザインは、富士通コミュニケーションサービスのITサポートやコンタクトセンター運営における専門知識と人材を獲得し、市場の需要に応じたサービスを提供する能力を高めることが期待され、M&Aが行われました。
富士通としても、このM&Aによりコールセンター業務やITサポート業務からの撤退を図り、より戦略的な事業に集中できる点で、M&Aの合意となりました。
なお、この譲渡にあたり富士通コミュニケーションサービス株式会社の社名は、「パーソルコミュニケーションサービス株式会社」に変更となりました。
【出典】パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社「富士通コミュニケーションサービス株式会社の株式取得完了と商号変更に関するお知らせ」
ANA HDがPeach Aviationを子会社化
ANAホールディングス株式会社がPeach Aviation株式会社の全株式を取得し、子会社化しました。(2024年12月)
Peach Aviation株式会社は、格安航空会社(LCC)のPeachでおなじみの会社です。2011年に設立され、当初はANAと香港のファースト・イースタン・アビエーション・ホールディングスの共同出資による合弁会社でした。2017年にはANAホールディングスが38.7%の株式を取得し、連結子会社となりました。
一方でANAホールディングス株式会社は、日本を代表する航空会社である全日本空輸株式会社を有する企業グループの持株会社です。
2011年の設立から14年、ANAホールディングスはファースト・イースタン・アビエーション・ホールディングスからPeach Aviationの残りの7%の株式を取得し、Peach AviationはANAホールディングスの完全子会社となりました。
訪日観光客の増加が今回のM&Aの実施の大きな理由と言えます。Peach Aviationを完全子会社化することで、LCCとしての成長を促進し、ANAグループのブランドや事業を強化する狙いがあります。
【出典】ANAグループ「Peach Aviation株式会社の全株式取得に関するお知らせ」
ONODERA GROUPがなだ万を子会社化
株式会社ONODERA GROUPがアサヒグループジャパン株式会社の完全子会社である株式会社なだ万の株式を取得し、子会社化しました。(2024年9月)
株式会社なだ万は1830年に創業された歴史ある料亭です。創業以来、伝統的な日本料理を提供し続けており、特に高級懐石料理で知られています。
一方で株式会社ONODERA GROUPは日本を拠点とする多国籍企業です。フードサービス、ヒューマンリソース、メディカル、シニアライフ、スポーツなどの分野で事業を展開しています。また、高級和食レストラン「銀座おのでら」や給食事業サービス「LEOC」の経営も行っています。
ONODERA GROUPはなだ万を買収することで、日本の伝統的な和食文化を継承し、さらに拡大することを目指して、M&Aを実施しました。
また、給食事業を展開するLEOCや高級外食店「銀座おのでら」との相乗効果を狙っています。
【出典】株式会社ONODERA GROUP「株式会社なだ万の株式譲受について」
東京個別指導学院がベネッセコーポレーションの進研ゼミ個別指導教室事業を会社分割により承継
株式会社東京個別指導学院が、株式会社ベネッセコーポレーションの進研ゼミ個別指導教室事業を会社分割により、承継しました。(2025年4月)
株式会社東京個別指導学院(TKG)は、個別指導教育を中心に学生一人ひとりのニーズに応じたオーダーメイドの学習プログラムを提供しています。
一方で、株式会社ベネッセコーポレーションは教育関連企業で、主に通信教育や出版事業を展開しています。1955年に設立され、岡山県岡山市に本社を置いています。サービスとして「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」が代表されます。
ベネッセコーポレーションは、進研ゼミ個別指導教室事業を東京個別指導学院に承継することで事業の専門性を高め、より効果的な教育サービスを提供することを目指しています。
東京個別指導学院としても、ベネッセの教育ノウハウを活用し、個別指導の質を向上させることが期待されています。
【出典】株式会社東京個別指導学院「株式会社ベネッセコーポレーションの進研ゼミ個別指導教室事業の会社分割(簡易吸収分割)による当社への事業の承継に関するお知らせ」
イオンモールがインポートマートを吸収合併
イオンモール株式会社は、完全子会社である株式会社横浜インポートマートを吸収合併しました。(2025年3月)
株式会社横浜インポートマートは、横浜市のみなとみらいエリアにある商業施設「横浜ワールドポーターズ」の管理・運営を行っています。
一方でイオンモール株式会社は、日本を代表する商業施設の会社であり、ショッピングモールの開発・運営を行っています。
イオンモールグループ内での管理・運営業務のさらなる効率化を図るためにM&Aが行われました。
また、イオンモールは横浜ワールドポーターズの運営を一元化し、施設全体のリニューアルや集客向上を図ることが期待されており、横浜インポートマートにとってもメリットが期待されたため、合併の合意に至りました。
合併はイオンモールを存続会社とする吸収合併方式で行われ、横浜インポートマートは解散します。
【出典】イオンモール株式会社「完全子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ」
【上場・大手企業】M&Aの成功事例5選
ここでは、上場・大手企業に絞って、M&Aの成功事例について紹介します。事例を参考にし、今後のM&Aに役立てましょう。
歯愛メディカルがニッセンHDを子会社化
株式会社歯愛メディカルが株式会社セブン&アイ・ネットメディアから株式会社ニッセンホールディングスの株式を取得し、子会社化しました。(2024年5月)
株式会社ニッセンホールディングスは、衣料品や美容グッズ、インテリア雑貨の通販事業を運営する会社で、他にも複数事業を持つグループ会社です。
株式会社セブン&アイ・ホールディングスの傘下にありましたが、業績不振により債務超過の状態が続いていました。
一方で株式会社歯愛メディカルは、歯科医院向けの通販事業を展開しており、特に女性医療従事者に焦点を当てています。
ニッセンホールディングスの持つアパレル商品やサービスは、歯科医院で働く女性従業員にとって魅力的であると考え、セブン&アイ・ネットメディアから買収する形でM&Aが行われました。
歯愛クリニックはニッセンホールディングスの顧客基盤を活用し、女性の潜在的なニーズに応える商品展開を図る狙いがあります。
また今後は収益性や経営面での改善を行っていく方針です。
【出典】株式会社歯愛メディカル「株式会社ニッセンホールディングスの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
スシローグローバルホールディングスが京樽を子会社化
株式会社スシローグローバルホールディングス(現在は株式会社FOOD & LIFE COMPANIES)が株式会社京樽を子会社化しました。(2021年2月)
株式会社京樽は日本を拠点とする寿司専門の飲食企業で、テイクアウトやイートインの寿司店を運営しています。
当時、牛丼チェーン店でおなじみの株式会社吉野家ホールディングスの完全子会社でした。
一方で株式会社スシローグローバルホールディングスは、日本を拠点とする大手寿司チェーンの運営会社です。手頃な価格で新鮮な寿司を提供しており、国内外での店舗数は当時550店以上に達していました。
スシローグローバルホールディングスは京樽の持ち帰り寿司の販売を通じて、売上の増加を見込み、吉野家ホールディングスから京樽の株式を取得する形でM&Aを行いまいました。
また、京樽のブランド力を活用し、さらなる市場シェアの拡大を狙う意味でも譲渡がありました。
譲渡があった当時は新型コロナウイルスの流行による「外出控えによる飲食店の売上の低下」「テイクアウト需要の上昇」があり、その打開策として行われた一面があります。
【出典】株式会社スシローグローバルホールディングス「株式会社京樽の株式取得(完全子会社化)のお知らせ」
ワールドホールディングスがとヤマトホールディングスと業務提携および子会社の株式譲渡
株式会社ワールドホールディングスとヤマトホールディングス株式会社との業務提携が行われました。(2023年7月)
ヤマトホールディングス株式会社は、日本を代表する物流および宅配サービスを提供するグループ企業の持株会社で、宅急便サービスで広く認知されています。
株式会社ワールドホールディングスは福岡県に本社を置く企業で、人材教育、不動産、情報通信、農業公園の4つの事業領域で活動しています。
ワールドホールディングスとヤマトホールディングスの両社の事業のシナジー効果が期待され、業務提携が行われました。特に人材サービス分野での強化が目的でした。
また、この業務提携により、ヤマトホールディングスの完全子会社であるヤマト・スタッフ・サプライ株式会社の株式の51%がワールドホールディングスの連結子会社である株式会社ワールドスタッフィングに譲渡されました。
【出典】株式会社ワールドホールディングス「株式会社ワールドホールディングスとヤマトホールディングス株式会社による業務提携および、ヤマト・スタッフ・サプライ株式会社を対象とする株式譲渡に関するお知らせ」
As-meエステールの子会社がヴィレッジヴァンガードコーポレーションを吸収分割で承継
As-meエステール株式会社は、株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションの飲食店事業および食品販売事業を吸収分割により承継しました。(2017年6月)
株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションは、「遊べる本屋」をコンセプトに、書籍やSPICE(雑貨類)、CD・DVD などを融合的に陳列して販売する小売店を全国に展開しています。
As-meエステール株式会社は、宝石の仕入れや製造から、ジュエリーをお客様へお届けする販売まで一貫して行っています。ジュエリーブランド「As-me ESTELLE(アズミエステール)」として提供しています。
As-meエステールが新たに設立した子会社、AE フードアンドダイナー株式会社に、ヴィレッジヴァンガードの飲食店事業や食品販売事業を承継しました。ヴィレッジヴァンガードとしてはこの承継で経営の効率化を図る狙いがありました。
ヴィレッジヴァンガードの飲食店事業には、ハンバーガーショップ「ヴィレッジヴァンガードダイナー」や、食料品店「HOME COMING」「こととや」などがあり、これらを他社に譲ることで、書籍や雑貨に集中することが可能となりました。
さらにAE フードアンドダイナーとしても、飲食事業の専門化や親会社であるAs-meエステールとの業務提携によるシナジー効果を期待されています。
【出典】As-meエステール株式会社「新設子会社への株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションの飲食店事業及び食品販売事業の会社分割(簡易吸収分割)による承継等について」
マツモトキヨシホールディングスがココカラファインと株式交換
株式会社マツモトキヨシホールディングスと株式会社ココカラファインの株式交換による経営統合が行われました。(2021年10月)
株式会社ココカラファインは、神奈川県横浜市に本社を置く、日本の大手ドラッグストアチェーンです。
一方で株式会社マツモトキヨシホールディングスは、千葉県松戸市に本社を置く、日本の大手ドラッグストアチェーンです。
大手ドラッグストアチェーン同士の統合の背景には、少子高齢化や新型コロナウイルスの影響による消費動向の変化がありました。
特に、EC市場の拡大やデジタル化の進展により従来のビジネスモデルの見直しが求められていて、その見直しに応える形でM&Aが実施されました。
この統合によって仕入れの効率化やプライベートブランド商品の開発が進み、原価率の低減や商品ラインナップの強化が期待されました。
さらに地域に密着したヘルスケアネットワークの構築が進められ、在宅医療や介護サービスとの連携が強化されることが期待されました。
そして、両社の株式交換を通じて新たな企業体である株式会社マツキヨココカラ&カンパニーが設立されました。
【出典】株式会社ココカラファイン「株式会社マツモトキヨシホールディングスとの経営統合に関するご案内」
【非上場・中小企業】M&Aの成功事例5選
ここでは、非上場・中小企業に絞って、M&Aの成功事例について紹介します。事例を参考にし、今後のM&Aに役立てましょう。
CFPコンサルティングがTsunagu.AIを事業譲受
株式会社CFPコンサルティングは株式会社Tsunagu.AIより全事業を譲受しました。(2024年6月)
株式会社Tsunagu.AIは、主にWebサイト開発の自動化を目的としたAIサービス「FRONT-END.AI」を提供する企業です。
一方で株式会社CFPコンサルティングは、デジタルマーケティングの総合コンサルティングを提供する企業で、特に地方の中小企業の支援に力を入れています。
Tsunagu.AIは、日米特許取得の画像認識AIを用いてWebサイト開発における初期工程を自動化するサービス「FRONT-END.AI」を開発し、複数のベンチャーキャピタルや事業会社から出資を受けていました。
Tsunagu.AIのSaaSプロダクトはCFPコンサルティングのサービスとの相性が非常に良く、両社の技術とノウハウを組み合わせることで事業成長を加速できると考え、M&Aが成立しました。
【出典】株式会社CFPコンサルティング「FRONT-END.AI含む全事業を株式会社Tsunagu.AIより事業譲受」
多木化学が洛東化成工業株を子会社化
多木化学株式会社は洛東化成工業株式会社の株式を取得し、子会社化しました。
(2024年12月)
洛東化成工業株式会社は、微生物や酵素の培養技術を基盤とした製品の開発・製造を行っています。特に、化学薬品を使用しない繊維加工剤や、環境負荷を低減するための酵素を活用した製品の販売は強みと言えます。
一方で多木化学株式会社は、「アグリ事業」という化学肥料や有機肥料の製造・販売において、国内初の人造肥料を開発した点で、大きな実績があります。
多木化学は洛東化成工業の技術を取り込み、さらなる事業展開を狙い、M&Aを実施しました。アグリ事業の高付加価値化や化学品事業の拡充を目指し、持続可能な製品の開発に注力する方針です。
【出典】多木化学株式会社「株式取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結のお知らせ」
株式会社P-UP Worldが株式会社センチュリオンを子会社化
株式会社P-UP Worldは株式会社センチュリオンの株式を取得し、子会社化しました。(2024年9月)
株式会社センチュリオンは2008年に設立され、不動産の売買、賃貸、仲介及び管理業務を手掛けています。
一方で株式会社P-UP Worldは、さまざまな事業を展開しており、特に通信事業を中心に成長してきました。
主な事業内容には、携帯電話やスマートフォンの販売、飲食事業、学童保育型英会話スクールの運営、モーターバイクの販売などがあります。
P-UP Worldはセンチュリオンの買収により、「住」という大切な生活空間の提供を目指す新たなビジネスモデルを構築することを狙っています。
この買収によって、顧客に快適な空間を提供し、生活の質を向上させることが期待されています。
またセンチュリオンとしても相乗効果や事業拡大につながると思い、M&Aの合意に至っています。
【出典】株式会社P-UP World「株式会社センチュリオンの株式取得に関する株式譲渡契約締結のお知らせ」
アント・キャピタル・パートナーズがプリアンファを子会社化
アント・キャピタル・パートナーズ株式会社は株式会社プリアンファを子会社化しました。(2024年6月)
株式会社プリアンファは、主にジェルネイルやまつ毛関連商品の企画・販売を行っている企業です。美容関連商品を扱うことで、特に女性向けの市場に強みを持っています。
一方でアント・キャピタル・パートナーズ株式会社は、日本のプライベートエクイティファームで、日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社と英アントファクトリー・ホールディングス・リミテッドの合弁によって設立されました。
主に中堅企業への投資や経営支援を行っており、成長戦略の立案や再生計画の策定などを手掛けています。
アント・キャピタル・パートナーズは美容関連投資先とのシナジー効果が得られ、成長戦略を加速させると判断し、M&Aを実施しました。
プリアンファとしても事業拡大するためのきっかけになると考え、M&A合意に至っています。
【出典】アント・キャピタル・パートナーズ株式会社「株式会社プリアンファの株式譲受のお知らせ」
株式会社タカネットサービスが株式会社栃木パーツを子会社化
株式会社タカネットサービスは、株式会社栃木パーツの株式を取得し、子会社化しました。(2024年5月)
株式会社栃木パーツは、自動車リサイクル事業を展開しており、特に中古部品の安定供給に強みを持っています。自動車のリサイクルに関する専門的な知識と設備を有しています。
一方で株式会社タカネットサービスは、日本の神奈川県横浜市に本社を置く企業で、主にトラックや商用車に関連する多様なサービスを提供しています。
今回、全国展開するタカネットサービスにおいて、栃木パーツの顧客ネットワークが事業拡大につながると考え、M&Aが行われました。
また、栃木パーツとしても自社のサービスを全国に展開するきっかけになるため、M&Aの合意となりました。
【出典】PR TIMES「タカネットサービスが株式会社栃木パーツとの株式譲渡契約を締結」
M&Aとは?目的と事業承継について
M&Aとは、「Mergers and Acquisitions」の略称で、日本語では「合併と買収」となります。
2つ以上の会社が1つになったり、ある会社が他の会社を買ったりすることを指し、企業または事業の全部や一部の移転を伴う取引で、一般的には「会社もしくは経営権の取得」を意味します。
M&Aを行う目的は、会社により異なります。事業の維持を目的にしている会社もあれば、事業の引退や引継ぎを目的にしている会社もあります。
【出典】中小企業庁「2017年 後継者の有無別に見た、売り手としてのM&Aの目的や想定する効果」
中小企業庁の調べによると、後継者の有無にかかわらず、M&Aの目的や想定する効果の回答に「事業の承継」「従業員の雇用の維持」と回答した方が50%を超えました。事業承継を目的に利用する方は全国的にも多いです。
なお、事業承継では買い手に引継ぐ際に多くのステップを踏まなければなりません。各ステップを円滑に行うためにもM&A仲介会社をはじめとした、M&A仲介アドバイザーの支援を貰うこともぜひ考えましょう。
M&Aについて以下の記事で詳細に解説しています。こちらも併せてご覧ください。
【関連記事】M&Aとは?意味や目的、手法ごとのメリットデメリットをわかりやすく解説
M&A・事業承継のメリット
ここでは、M&A・事業承継を行うメリットを、売り手と買い手に分けて紹介します。メリットを参考に、今後のM&Aに役立てましょう。
【売り手企業】M&Aのメリット
会社や事業を、譲渡または売却するメリットは以下の通りです。
- 事業の存続
- 従業員の雇用の維持
- 売却益の獲得
事業の存続
経営者が後継者不足や資金不足で悩んでいる場合でも、買収企業に引き継ぐことで事業を継続が可能です。
後継者不足で廃業の危機に立たされた中小企業が、大手企業による買収により事業を続けられるケースが増えています。
【出典】中小企業基盤整備機構『令和 5年度 事業承継・引継ぎ支援事業の実績について「事業承継・引継ぎ支援センターの相談者数、成約件数ともに過去最高」』
中小企業基盤整備機構の調べによると、事業承継・引継ぎ支援センターの相談件数と成約件数は毎年増加しています。
事業承継・引継ぎ支援センターのほかに、BATONZなどのM&A支援マッチングサイトなども併せて活用すると、希望の買い手を見つける確率が上がるでしょう。
従業員の雇用の維持
廃業や倒産が避けられない状況でも、M&Aにより他の企業に承継することで、従業員の雇用の維持につながります。
なお、従業員の雇用の引継ぎはM&Aの手法により異なります。
M&Aの代表的な手法として「株式譲渡」と「事業譲渡」について紹介します。
株式譲渡 |
事業譲渡 |
|
特徴 |
①法人格に変更がないため、雇用契約は自動的に維持される ②労働条件や就業規則は原則としてそのまま継続する ③従業員の同意は原則として不要 ④会社の権利義務関係が包括的に承継されるため、退職金や年功序列などの既得権も維持される |
①法人格が変わるため、従業員の雇用契約は自動的には引き継がれない ②従業員の雇用を継続するためには、以下の手続きが必要 ③労働条件の変更がある場合は、従業員との協議・合意が必要 ④退職金や勤続年数などの取り扱いについては、個別に取り決める必要がある |
※事業譲渡については自動で従業員の引継ぎは行われません。また個別での同意が必要となるので注意が必要です。
売却益の獲得
事業を売却することで、売却益を得ることができます。売却により得た資金を利用して、リタイア後の生活資金や新たなビジネスへの投資などが可能です。この売却益はM&Aの手法により、対価と売却益を貰う立場が異なります。
「株式譲渡」と「事業譲渡」の場合、以下の通りです。
株式譲渡 |
事業譲渡 |
|
対価 |
株主が保有する株式の売却による利益 【税務上の取り扱い】 ▼法人株主の場合 ▼個人株主の場合 |
個々の資産・負債ごとに計算 【税務上の取り扱い】 ・法人税課税対象 |
売却益を得る立場 |
・株主に直接帰属 |
・会社に帰属 |
【買い手企業】M&Aのメリット
会社や事業を、譲受または買収するメリットは以下の通りです。
- 事業やエリアの拡大
- 事業の多角化・弱点強化
事業やエリアの拡大
新しい会社を買収することで、既存の市場以外のエリアにも進出でき、事業の規模を容易に拡大することができます。買収した会社が持つ既存顧客や営業基盤の引き継ぎも可能です。新規でエリア外に事業を進出させた時と比べると、労力や時間の大幅削減が見込めます。
事業の多角化・弱点強化
M&Aは事業の多角化や既存事業の弱点強化にもつながります。他企業のリソースや技術を組み合わせることで、自社の弱点を補完し、市場での競争力を強化することができます。
M&Aを実施する前に売り手企業の強みや実績を見て、どのようなシナジー効果が期待できるか考えることが成功の秘訣となります。
まとめ|M&A仲介会社の支援をもらい、M&Aを円滑に実施しよう
今回、2025年に実施された事例も含め、M&Aの成功事例を数多く紹介しました。これらの事例からわかるように、M&Aを実施する理由は会社により異なりますが、いずれも明確な戦略と目的を持っている点が共通しています。
大切なことはM&Aをゴールとするのではなく、M&A後の統合プロセス(PMI)も含めた長期的な事業計画を立てることです。
※PMI(Post Merger Integration)…M&A成立後に、異なる企業文化や業務プロセスを統合し、シナジー効果を最大化するためのプロセスを指します。
M&Aの成功は契約締結ではなく、その後の事業運営によって決まります。弊社CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、以下の3つの強みでお客様のM&Aをサポートしています。
- 業界最低水準の手数料体系
M&A仲介業界の中でも透明性の高い合理的な料金設定で、特に中小企業のM&Aに適したコスト効率の良いサービスを提供しています。 - 経験豊富な専門アドバイザー
業界歴10年以上または特定業界に特化したアドバイザーのみがお客様を担当。豊富な経験と専門知識に基づいた的確なアドバイスで、M&Aの成功確率を高めます。 - マーケティングテクノロジーの活用
独自のマッチングシステムを駆使し、最適な買い手・売り手の発掘と効率的なマッチングを実現。データに基づく科学的なアプローチで、成約率の向上と期間短縮を実現します。
M&Aの相談をご希望の方は、ぜひCINC Capitalにお気軽にお問い合わせください。お客様の真の利益を追求し、最適なM&A実現に向けてトータルでサポートいたします。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。