CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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- 公開日2025.04.11
- 更新日2025.04.14
東京のM&A動向は?事例や信頼できる相談先/M&Aを進める時の注意点を解説
全国トップクラスの企業数を誇る東京都では、「M&A(企業の買収・合併)」や「事業譲渡」といった企業再編の動きが活発に行われています。なかでも経営者の高齢化にともなう後継者問題が深刻化しており、国や都によるM&Aマッチング支援が実施されている状況です。
本記事では、東京のM&A動向や事例、信頼できる相談先などの情報をご紹介します。
目次
東京のM&Aの最新動向【2025年】
まずは、東京都におけるM&Aの最新動向をご紹介します。東京では、以下のような背景からM&Aが活発化しています。
東京の業種別M&A傾向
東京都では業種によってM&Aの傾向に特徴が見られます。特にIT・デジタル関連企業のM&Aが活発で、スタートアップの買収や技術獲得を目的としたM&Aが目立ちます。東京に集中するIT人材と高度な技術力が、M&A市場での評価を高めている要因です。
また、都市型サービス業(飲食・小売・不動産など)においてもM&Aは活発化しています。特に、物件確保が難しい東京では、好立地の店舗や事業を持つ企業に対して高い需要が集中しています。
地域別では、都心部(千代田区・中央区・港区など)のM&A案件は大企業や外資系企業が関わる大型案件が多く、郊外エリアでは中小企業の事業承継型M&Aが中心となる傾向があります。業種や地域特性に応じたM&A戦略の構築が、東京での成功の鍵となるでしょう。
企業数が多くM&Aが盛んに行われている
東京都は全国でもっとも企業数の多い地域であり、M&Aの件数も多い傾向にあります。東京都が公開する資料「令和3年経済センサス‐活動調査報告」によると、2021年6月1日時点の民営事業所数は62万8,239事業所となっています。また、東京都に本社を置く企業数は28万6,491企業であり、個人経営も含めると企業数は45万3,145企業にも達します。M&Aの取引が盛んに行われているエリアです。
2022年以降も東京都の企業数は安定的に推移しており、特にスタートアップやデジタル関連企業の新規設立が増加傾向にあります。これにより、業種や規模の多様性が高まり、M&A市場での取引の選択肢も拡大しています。
【出典】東京都「令和3年経済センサス‐活動調査報告(産業横断的集計 東京都概況)【令和6年3月19日公表】」
後継者問題の解決にM&Aが活用されている
東京都では、中小企業を中心として後継者不在で悩む経営者が少なくありません。経営者の高齢化が進行する一方で、親族や社内に適切な候補者が見つからない場合、M&Aによる事業の引き継ぎを検討するケースが多くなっています。そのため、近年は東京都と連携した公的機関によるM&Aマッチング支援にも力が入れられています。
東京でM&Aの相談どこにする?
東京都で専門家にM&Aを相談する場合は、以下の相談先を検討すると良いでしょう。ここでは、東京のM&Aの相談先をご紹介します。
M&A仲介会社に相談する
東京都を対象地域とするM&A仲介会社では、売り手企業と買い手企業の仲介による支援が行われています。M&A仲介会社は民間のサービスであり、売り手・買い手の利益を最大化するために、中立的な立場で支援が行われることが特徴です。サービスによって得意とする業界・ノウハウなどに違いがあるほか、料金体系にも違いがあります。
金融機関や公的機関を利用する
東京都の金融機関や公的機関で、M&Aマッチングの支援が提供されています。すでに東京の銀行や証券会社と取引がある場合は、担当者に相談することで、専門部署で対応してもらうのも一つの方法です。また、国や都が運営する公的機関の窓口では、無料でM&Aの相談を受け付けているケースもあります。
M&Aマッチングサイトで探す
東京都の事業者を対象としたM&Aマッチングサイトを利用すると、オンラインで候補企業を見つけることが可能です。サイトによっては地域別に候補企業を検索できるので、東京に限定してM&Aを検討している場合にも利用しやすいでしょう。ただし、自社で候補先を探す手間が生じる点に留意する必要があります。
東京で信頼できるM&Aの相談先一覧
ここでは、東京都でM&Aを検討している方へ向けて、信頼できるM&Aの相談先をご紹介します。
東京都事業承継・引継ぎ支援センター
「東京都事業承継・引継ぎ支援センター」は、東京商工会議所が国の委託を受けて運営するM&Aの支援機関です。深刻化する中小企業の事業承継問題を解決するために、第三者への事業譲渡を中心として、東京都の事業者からの相談を受け付けています。東京23区の事業者が利用できる窓口は、東京商工会議所内に設置されています。相談は完全予約制で、メールや電話で予約が可能です。
公益財団法人東京都中小企業振興公社
「公益財団法人東京都中小企業振興公社」は、東京都と連携する公的な中小企業支援機関です。各種経営相談のほか、企業再編促進支援(M&Aマッチング支援)も提供しています。M&Aマッチング支援では、後継者不足や事業継続の課題を抱えている都内の中小事業者を対象に、マッチングのサポートを実施しています。なお、対象となるのは売り手側の事業者のみで、買い手側は利用できない点に注意が必要です。
CINC Capital
「CINC Capital」は、ビッグデータを活用したM&A仲介マッチングを得意とするM&A仲介会社です。東京都のM&A案件にも豊富な実績があります。買い手企業のM&A実績データを収集・分析するマーケティングテクノロジーと、業界歴10年以上の経験豊富なアドバイザーによる支援を掛け合わせて、M&Aを成功へと導きます。
特徴としては、業界最低水準の手数料体系を実現している点が挙げられます。特に東京都内の中小企業経営者の負担を軽減するため、着手金や中間金を抑えた成功報酬型の料金プランを提供しています。さらに、企業規模や業界を問わず、幅広いM&Aの相談に対応可能な点も強みです。
【参考】CINC Capital
東京のM&A事例
最後に、東京のM&A事例をご紹介します。自社のM&A検討時の参考にしてみましょう。
株式会社KYORITSUによる株式会社東京アドのM&A
2024年10月、株式会社KYORITSUは、通販広告に特化した広告代理店である株式会社東京アドの全株式を取得し、完全子会社化しました。
東京アドは、新聞・テレビ・ラジオを中心に通販関連広告を展開しており、マーケティング支援も含めたワンストップサービスを提供しています。
KYORITSUは、情報デジタル事業を中核とした新たな成長戦略を掲げており、本件M&Aにより、傘下の共立印刷やバッハベルクなどのグループ会社との連携を通じて、紙・デジタル・映像を融合したトータル販促支援体制を強化する狙いです。
販売ネットワークの相互活用により、既存顧客の満足度向上に加え、新規開拓による事業拡大が期待されます。業界では、通販市場の競争激化を背景に、デジタルと紙媒体を組み合わせた提案力の強化を目的としたM&Aが今後も加速することが予想されます。
【出典】株式会社KYORITSU「株式取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結のお知らせ」
八洲電機株式会社による東京キデン株式会社のM&A
2024年9月、八洲電機株式会社は、電気器具の製造販売や建設機械・電気器具のレンタルを手がける東京キデン株式会社の全株式を取得し、子会社化することを決定しました。
本件は、八洲電機が策定した中期経営計画「80/26」に基づき、コア技術である電源システム分野の進化とリカーリングビジネスの強化を目的としたものです。東京キデンの保有する高低圧分電盤などの設計製造技術と既存の電気設備保守サービスを融合させることで、同社の循環型ビジネスモデルの推進が期待されます。
業界内では、再生可能エネルギーの普及や設備更新ニーズの高まりに対応するため、設備・保守領域の強化を図るM&Aが増加傾向にあります。
【出典】八洲電機株式会社「東京キデン株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
オリックス株式会社による株式会社ディーエイチシーのM&A
2022年11月、オリックス株式会社は、化粧品・健康食品大手の株式会社ディーエイチシー(DHC)の発行済株式の91.1%を取得し、子会社化しました。DHCは豊富な商品ラインアップと幅広い販売チャネルを持ち、長年にわたり高いブランド力を築いてきた企業です。
ヘルスケア領域に注力してきたオリックスにとって、本件はネットワークの拡大とDHCの事業承継を目的とした戦略的M&Aです。代表の𠮷田嘉明氏は株式譲渡に伴い退任し、今後は新たな経営体制でガバナンスやコンプライアンス強化を図る方針です。
高まる健康志向を背景に、安定需要が見込まれる分野における企業買収は、今後も成長を目指す大手企業の動きとして注目されます。
【出典】オリックス株式会社「株式会社ディーエイチシーの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
東京でM&Aを進めるときの注意点
ここでは、東京でM&Aを進めるときの注意点を、売り手側の目線から解説します。
早期にM&Aの準備に取り組む
M&Aを成功させるには、売却のタイミングが重要となります。東京都では多くの事業者が後継者不足や事業継続の課題を抱えていますが、M&Aの売却が完了するまでには一定の期間がかかる点に留意しましょう。売却のタイミングが遅れると企業価値に影響が出る可能性があるため、引退の時期を視野に入れて早期に準備に取り組むことが大切です。
従業員の不安を軽減する
東京都では、事業承継を目的としたM&Aが数多く行われています。売却後も事業を継続させるためには、既存の従業員の流出を防ぐ対策が不可欠です。買い手企業との交渉では、可能な限り現状の待遇を維持できるよう努めましょう。また、M&Aの取引成立後、従業員に情報を開示する際は、不安を軽減するために丁寧な説明を行う必要があります。
M&Aの専門家から支援を受ける
自社が希望する条件に合う買い手企業と成約に至り、M&Aを成功へ導くには、高度な知識と豊富な経験が求められます。また、業界・業種によってはM&Aプロセスで特殊な手続きが求められるケースもあるでしょう。スムーズな売却を実現するためにも、東京都のM&A案件に対応可能な専門家から支援を受けるようおすすめします。
M&Aを検討する際に知っておきたい基礎知識
ここでは、M&Aを検討する際によくある質問と回答をご紹介します。M&Aの基礎知識として押さえておきましょう。
M&Aと事業譲渡の違いはなんですか?
「M&A」とは、企業の買収・合併のことを指します。一方、「事業譲渡」とは事業の一部または全部を売却(譲渡)するM&Aの手法のことです。M&Aにはさまざまな手法があり、その一つに事業譲渡があります。
M&Aの手法について、詳しくは以下の関連記事で解説しています。こちらも併せてお読みください。
【参考】M&Aとは?意味や目的、手法ごとのメリットデメリットをわかりやすく解説
M&Aのメリットとデメリットはなんですか?
売り手側の企業は、M&Aによって「事業の存続」「後継者問題の解決」「従業員の雇用維持」といった多くのメリットを得られます。その一方で、売却に時間がかかりやすい点や、希望の条件で交渉が成立しない可能性がある点は、デメリットだといえるでしょう。
M&Aのメリットとデメリットについて、詳しくは以下の関連記事で解説しています。こちらも併せてお読みください。
【参考】M&Aのメリットとデメリットは?買い手と売り手の立場別にわかりやすく解説
M&Aの相場はどのくらいですか?
M&Aで企業価値を評価する際は、「インカムアプローチ」「マーケットアプローチ」「コストアプローチ」などの選択肢の中でも、企業ごとに適した方法で算定が行われます。相場は具体的な事例によって異なるため、専門家に算定を依頼するか、M&A仲介会社が提供するシミュレーションをご利用ください。
M&Aへ向けて自社の企業価値を知りたい方は、以下のページから「企業価値算定シミュレーション」をご利用ください。
【参考】企業価値算定シミュレーション
M&Aでおすすめの相談先はどこですか?
M&Aの主な相談先としては、M&A仲介会社・公的機関・M&Aマッチングサイトなどが挙げられます。相談先によって対応可能な案件の範囲に違いがあるため、「事業承継」や「後継者問題の解決」といった自社の目的に応じて選びましょう。また、民間のサービスに依頼する場合は、実績の豊富なM&A仲介会社に依頼することがおすすめです。CINC Capitalでは、業界歴10年以上のプロアドバイザーが、企業様をご支援いたします。
M&Aの相談先について、詳しくは以下の関連記事で解説しています。こちらも併せてお読みください。
【参考】M&Aはどこに相談する?相談先の選び方やメリットデメリットを解説
まとめ|東京のM&Aのポイント
ここまで、東京のM&A動向や事例、信頼できる相談先などの情報をお伝えしました。企業数の多い東京都では、M&Aの取引が活発に行われています。近年は後継者問題の解決にM&Aが活用され、国や自治体と連携した公的な支援が充実している傾向にあります。
M&Aによる事業承継を成功へ導くには、専門家の支援を受けながら、早期から準備に取り組むことが大切です。信頼できる機関やM&A仲介会社にマッチングを依頼すると良いでしょう。
CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。