CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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- 公開日2025.04.21
- 更新日2025.04.23
静岡県のM&A動向は?事例や信頼できる相談先/M&Aを進めるときの注意点を解説
東海地方に位置する静岡県では、後継者不足や事業拡大の手段としてM&A(企業の合併・買収)が注目されています。M&Aとは、企業が他の企業を買収したり、経営権を譲渡したりすることで、成長戦略や事業継承を実現する手段の一つです。
本記事では、静岡県におけるM&Aの最新動向や具体的な事例、信頼できる相談先、そしてM&Aを進める際の注意点について解説します。
目次
静岡県のM&Aの最新動向【2025年】
静岡県では、後継者不足や産業構造の変化にともない、中小企業を中心にM&Aの活用が進んでいます。ここでは、静岡県のM&Aに関する最新の傾向について解説します。
後継者不在率の改善とM&Aの多様化
「株式会社帝国データバンク静岡支店」の調査によると、静岡県の後継者不在率は2024年に50.3%と過去最低を記録し、4年連続で改善しました。60代の経営者においても、後継者を確保する企業が増えている傾向があります。
しかし、それでも半数近くの事業者が後継者不在の状況であり、今後もM&Aを活用した事業承継の必要性が高まっています。同族承継の割合は依然として最も多いものの、M&Aを含む第三者承継が増加しており、親族外の後継者を迎えるケースが一般化している傾向です。
また、M&Aの活用方法も多様化しており、企業単位での売却だけでなく、一部事業の譲渡や企業間提携を通じたM&Aも増加しています。特に製造業や卸売業では、技術力の継承や販路拡大を目的としたM&A成約が目立ちます。
【出典】株式会社帝国データバンク静岡支店「2024年 静岡県「後継者不在率」動向調査」
休廃業・解散を避けるためのM&Aの増加
静岡県では、高齢化・人手不足・産業構造の変化などにより、休廃業・解散を選択する企業が依然として多く見られます。「株式会社帝国データバンク静岡支店」の調査によると、2024年の休廃業・解散件数は1,941件に達しました。このうち49.1%の企業が黒字かつ資産超過の状態です。
このデータからもわかるように、静岡県では経営が成り立つにもかかわらず後継者不在により事業継続を断念するケースが少なくありません。そのため、地域経済の活性化や雇用維持の観点からも、休廃業を避ける手段としてM&Aの活用が推奨されています。
【出典】株式会社帝国データバンク静岡支店「2024年 静岡県内企業「休廃業・解散」動向調査」
静岡県でM&Aの相談どこにする?
静岡県でM&Aを検討する際、どこに相談すればよいか悩む方も多いでしょう。それぞれの相談先の特徴を理解し、自社の状況に合った方法をお選びください。
M&A仲介会社に相談する
M&A仲介会社は、売り手と買い手のマッチングをサポートし、交渉や契約の締結まで一貫した支援を行います。特に静岡県内で業界ごとの市場動向に詳しい仲介会社を選ぶことで、より適切な相手とスムーズにM&Aを進められる可能性が高まるでしょう。
また、静岡県では中小企業のM&Aが活発化しており、地域に根ざした仲介会社も多く存在します。地元企業とのつながりを重視したい場合は、静岡県内に拠点を持つ仲介会社を検討すると良いでしょう。
金融機関や公的機関を利用する
静岡県のM&Aでは、地元の金融機関や公的機関を活用する方法もあります。銀行や信用金庫などの金融機関は、取引先企業のM&Aニーズを把握しており、売り手・買い手の紹介や資金調達のサポートを提供しています。特に静岡県内の地域金融機関は地元企業とのネットワークを持っているため、適切な買い手・売り手を見つけやすいのが特徴です。
また、静岡県の商工会議所や事業引継ぎ支援センターなどの公的機関もM&Aの相談窓口として活用できます。これらの機関では、中小企業向けのM&A支援や、後継者不足に悩む企業へのアドバイスを行っており、専門家と連携しながら進められます。費用を抑えてM&Aを進めたい場合、公的機関のサポートを検討するのも一つの方法です。
M&Aマッチングサイトで探す
静岡県でM&Aを進める方法として、M&Aマッチングサイトの活用があります。売却を希望する企業と買収を検討する企業がオンライン上で情報を掲載し、相手を探せる仕組みです。静岡県のM&Aでは、小規模な事業や個人事業主によるM&Aが増えており、マッチングサイトを利用するケースも見られます。
静岡県で信頼できるM&Aの相談先一覧
ここでは、静岡県で事業承継や企業売却をスムーズに進めるために、M&Aの相談ができる主要な機関をご紹介します。
静岡県事業承継・引継ぎ支援センター
静岡県事業承継・引継ぎ支援センターは、静岡商工会議所に設置された公的な相談窓口で、事業承継を総合的に支援しています。親族内承継支援、従業員承継支援、第三者承継支援など、さまざまなケースに対応しており、専門家による無料の相談を受け付けています。
静岡県よろず支援拠点
静岡県よろず支援拠点は、中小企業や個人事業主の経営課題に対して、無料で専門的なアドバイスを提供する公的機関です。経営・財務・法務・労務・販路拡大など、多岐にわたる相談にワンストップで対応しており、M&Aに関する相談も受け付けています。
【参考】静岡県よろず支援拠点
静岡商工会議所
静岡商工会議所は、地域の企業支援を行う公的機関で、事業承継やM&Aに関する相談も受け付けています。専門家によるアドバイスや情報提供を通じて、円滑な事業承継をサポートしています。
【参考】静岡商工会議所
CINC Capital
CINC Capitalは、M&Aに関する専門的な知識と経験を持つ企業で、静岡県内の事業者に対してもサービスを提供しています。企業価値の評価や最適な戦略の提案など、マーケティングテクノロジーを駆使してM&Aプロセス全般をサポートし、経験豊富なアドバイザーが円滑な取引の実現を支援しています。
【参考】CINC Capital
静岡県のM&A事例
最後に、静岡県のM&A事例をご紹介します。自社のM&A検討時の参考にしてみましょう。
関西電力株式会社による海幸ゆきのや合同会社のM&A
関西電力株式会社は、2024年8月、完全閉鎖循環式の陸上養殖プラントを運営する海幸ゆきのや合同会社の全持分をNTTグリーン&フード株式会社に譲渡しました。
海幸ゆきのやは静岡県磐田市で「幸えび」の生産を手掛け、水産業における環境負荷低減を目指してきました。譲渡後、NTTグリーン&フードは同地に新設するバナメイエビ養殖プラントと統合し、国内最大級の陸上養殖施設を運営します。
両社のDX技術を活用したスマート化も推進され、持続可能な水産業のモデルケースとなることが期待されています。
株式会社 AFC-HD アムスライフサイエンスによるラビット急行株式会社のM&A
株式会社AFC-HDアムスライフサイエンスは、2024年7月、静岡県浜松市を拠点とするラビット急行株式会社の全株式を取得し、グループ会社化しました。ラビット急行は、29台のバスを保有し、貸切バス事業や旅行業を展開しています。
本件により、AFCグループの旅行事業「AFCツアーズ」とのシナジーが期待され、観光事業の強化を図ります。さらに、ラビット急行の子会社であるラビットトラベル株式会社も連結対象となり、グループ全体の事業基盤拡充が進む見通しです。
観光・運輸分野での事業多角化を進める戦略的なM&A事例といえます。
【出典】株式会社 AFC-HD アムスライフサイエンス「ラビット急行株式会社の株式取得(グループ会社化)に関するお知らせ」
株式会社MINEZAWAによる株式会社古橋のM&A
株式会社MINEZAWAは、2024年7月、静岡県浜松市に本社を置く株式会社古橋の発行済全株式を取得し、完全子会社化しました。古橋は、工作機械や切削工具、油圧機器、軸受など工場用品の販売・代行を手掛ける企業です。
本件M&Aにより、MINEZAWAグループは両社の営業基盤や経営資源を統合し、シナジー効果を最大化することで企業価値向上を目指します。工作機械関連市場での競争力強化を図る戦略的なグループ拡大の事例となりました。
【出典】株式会社MINEZAWA「株式会社古橋の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ」
静岡県でM&Aを進めるときの注意点
静岡県でM&Aを進める際には、売り手側は適切な準備と戦略がM&A成功の鍵となります。ここでは、静岡県でM&Aを進める際に注意すべきポイントを紹介します。
事業価値を適切に評価する
M&Aでは、自社の適正な企業価値を把握することが重要です。静岡県内では地域の産業特性や市場環境によって企業の評価基準が異なることがあります。日本の中小企業M&Aでは一般的に「時価純資産+営業権法」や「マルチプル法」で企業価値が算定されますが、財務データだけでなく、地域における競争優位性やブランド価値、取引先との関係性なども加味して総合的に評価することが重要です。
特に静岡県の製造業では技術力や特許などの無形資産の評価も重要になるため、専門家のサポートを受けながら適切な評価を行うことが求められます。
地域特有の法規制や制度を確認する
静岡県では、自治体の支援制度や補助金、事業承継に関する独自の取り組みがある場合があります。これらを活用することで、より円滑なM&Aが可能になります。また、業種によっては許認可や規制が異なるため、売却の際に必要な手続きを事前に確認することが重要です。
適切な専門家に相談する
M&Aを成功させるためには、地域の市場や法規制に精通した専門家のサポートを受けることが不可欠です。M&A仲介会社やアドバイザーに相談することで、適切な買い手候補の選定や契約条件の交渉をスムーズに進められます。経験豊富なM&A支援企業を活用すれば、地域特化のアドバイスを受けながら最適な取引を進めることが可能です。
M&Aを検討する際に知っておきたい基礎知識
M&Aを検討する際には、基本的な知識を押さえておくことが重要です。ここでは、M&Aに関するよくある質問に対して簡潔に回答します。
M&Aと事業譲渡の違いはなんですか?
M&Aは、企業全体または事業の一部を売買する取引を指します。主な手法に「株式譲渡」と「事業譲渡」の2つがあります。
株式譲渡は会社の株式自体を売買することで、会社の支配権が移る方法です。売却代金は株主(オーナー個人)に直接入り、会社の資産・負債などはすべて一括して買い手に引き継がれます。
一方、事業譲渡は会社の一部門や特定の事業のみを売却する方法です。売却代金は会社(法人)に入り、売却対象となる資産・負債・契約関係などを選択的に引き継ぐことができます。
両者の違いは税金の計算や今後の資金計画において大きく影響します。どちらの手法が自社に適しているか、専門家と相談して決定することがおすすめです。
M&Aの手法について、詳しくは以下の関連記事で解説しています。こちらも併せてお読みください。
【関連記事】M&Aとは?意味や目的、手法ごとのメリットデメリットをわかりやすく解説
M&Aのメリットとデメリットはなんですか?
売り手側におけるM&Aのメリットとして、事業の成長加速や後継者問題の解決などが挙げられます。一方で、企業文化の統合や取引条件の調整の難易度が高いのはデメリットです。
M&Aのメリットとデメリットについて、詳しくは以下の関連記事で解説しています。こちらも併せてお読みください。
【関連記事】M&Aのメリットとデメリットは?買い手と売り手の立場別にわかりやすく解説
M&Aの相場はどのくらいですか?
M&Aの相場は、業種や企業規模、売上高などによって異なります。日本の中小企業M&Aでは主に「時価純資産+営業権法」「マルチプル法(EBITDA倍率法)などの方法で企業価値が算定されます。
M&Aへ向けて自社の企業価値を知りたい方は、以下のページから「企業価値算定シミュレーション」をご利用ください。
【参考】企業価値算定シミュレーション
M&Aでおすすめの相談先はどこですか?
M&Aの相談先には、「M&A仲介会社」「金融機関」「公的機関」などがあります。豊富な実績を持つ専門家に相談することで、スムーズなM&Aの実現が期待できるでしょう。
M&Aを成功へ導くには、適切なアドバイザー選びが重要です。CINC Capitalは、豊富な実績と専門知識を活かし、売却を検討する企業様の課題解決をサポートいたします。M&Aの初期相談に始まり、交渉から契約締結まで一貫して支援するためご安心ください。
M&Aの相談先について、詳細は以下の関連記事で解説しています。こちらも併せてお読みください。
【関連記事】M&Aはどこに相談する?相談先の選び方やメリットデメリットを解説
静岡県のM&Aのポイントまとめ
M&Aは、事業承継や成長戦略の一環として重要な選択肢となっています。静岡県でM&Aを検討している売り手企業は、適切な相談先を選び、地域の市場動向を踏まえた上でM&Aを進めることが成功の鍵です。
その際は、信頼できる専門家への相談によって、円滑な取引を実現しやすくなります。静岡県でM&Aを検討されている経営者の方は、今回ご紹介した相談先で専門家のアドバイスを受けながら、計画を進めることをおすすめします。
CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。