CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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- 公開日2025.07.02
- 更新日2025.07.02
三重のM&A動向は?事例や信頼できる相談先/M&Aを進める時の注意点を解説
三重県では後継者不足を背景に、M&A(合併・買収)による事業承継が実施されることがあります。M&Aとは企業が他の企業を買収・合併することで、近年は事業存続の手段としても活用されています。
本記事では、三重県のM&A最新動向や信頼できる相談先、進める際の注意点などをご紹介します。円滑な事業承継を目指す経営者の方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
三重のM&Aの最新動向【2025年】
三重県では中小企業の後継者不足を背景に、M&Aが活用されるケースがあります。具体的にどのような動きが見られるのか、最新動向をご紹介します。
製造業での第三者承継
三重県の製造業は明治時代の製糸・紡績業に始まり、戦後には四日市の石油化学コンビナート設立や自動車・輸送機械工業の進出によって重化学工業へと発展しました。現在では、輸送機械・電子部品・化学工業の3分野が、県内製造品出荷額の半数以上を占める主要産業となっています。
いわば「製造業の集積地」である三重県ですが、経営者の高齢化にともなう後継者不足が深刻化しています。その対策として、第三者承継という形でのM&Aが実施されることがあるのです。県外からの買収も見られ、地域産業の技術や雇用を守る重要な選択肢となっています。
観光・食品加工分野の小規模M&A
三重県は伊勢神宮や熊野古道などの観光資源に恵まれており、また食品加工業も盛んな地域です。近年、こうした観光関連事業や食品加工分野における小規模M&Aも行われています。例えば、観光業は後継者不在の旅館・土産物店などが、食品加工分野では地域特産品を扱う加工業者がM&Aを検討するケースが見られます。
三重でM&Aの相談どこにする?
三重県には複数のM&A支援機関があり、それぞれの特徴が異なります。ここでは、主な相談先を3つほどご紹介します。
M&A仲介会社に相談する
M&A仲介会社は、企業における事業承継・会社売却をサポートするエキスパート集団です。案件の発掘から買い手選定、交渉・成約まで、全プロセスをサポートする体制を整えており、専門知識と豊富な経験を活かして理想的なM&Aを実現します。
M&A仲介会社を選ぶ際には、過去の実績や得意とする業界、手数料体系などを比較検討することが大切です。例えば、中小規模の企業であれば中小企業のM&Aに強い仲介会社を選ぶことで、自社の規模や業種に合った適切なアドバイスを受けられます。
金融機関や公的機関を利用する
三重県では、金融機関や公的支援機関が事業承継・会社売却の支援を積極的に行っています。特に地元の金融機関は、取引先企業との長年の関係から、企業の状況を深く理解しています。地元企業を中心に、適切な買い手候補の紹介を行っているのが特徴です。
M&Aマッチングサイトで探す
近年、インターネット上のM&Aマッチングプラットフォームを活用する企業が増えています。これらのサイトは、売り手と買い手が直接コンタクトできる場であり、仲介手数料を抑えながらM&Aを進められるのが特徴です。
三重で信頼できるM&Aの相談先一覧
ここでは、三重県内の主要なM&A相談先について詳しく解説します。各相談先の特徴や、特色ある支援内容を押さえておきましょう。
三重県事業承継・引継ぎ支援センター
「三重県事業承継・引継ぎ支援センター」は、県内中小企業の円滑な事業承継をサポートする公的機関です。中小企業を中心に、後継者不在に悩む経営者と事業を引き継ぎたい意欲ある法人・個人とのマッチングを積極的に行っています。無料での相談対応や専門家による丁寧なアドバイスが特徴で、地域経済の維持発展に貢献しています。
百五銀行
「百五銀行」のM&A支援室は、地方銀行として長年培ってきた地域ネットワークを活かし、中小企業のM&A支援に注力しています。同行は豊富な情報網を活用して買い手・売り手双方のニーズを的確に把握し、守秘義務を徹底した上で最適なマッチングを実現しています。
【参考】百五銀行
CINC Capital
CINC Capitalは、中小企業からベンチャー企業まで、幅広い規模の企業に対して専門的なM&Aサポートを提供しているM&A仲介会社です。東京に本社を置き、全国の案件に対応していますが、三重県のM&A案件にも積極的に取り組んでいます。地域の産業構造を深く理解したアプローチで、三重県内企業の円滑な事業承継・会社売却をサポートしている専門家です。
【参考】CINC Capital
三重のM&A事例
パシフィックゴルフマネージメント株式会社による株式会社一志ゴルフ倶楽部のM&A
2024年8月、株式会社平和の連結子会社であるパシフィックゴルフマネージメント(PGM)は、三重県津市で一志ゴルフ倶楽部を運営する株式会社一志ゴルフ倶楽部の全株式を取得し、孫会社化することを決議しました。
PGMは全国でゴルフ場の買収と運営を進めており、本件も保有施設数の拡大と収益基盤の強化を目的とした施策の一環です。一志ゴルフ倶楽部は18ホールを有し、地域に根差した運営を続けてきました。
近年は売上が年間3〜4億円で推移しており、安定した運営実績を持ちます。本件は、ゴルフ事業のスケールメリットを活かした運営効率の向上と長期的な収益性確保を狙った戦略的M&Aといえます。
【出典】株式会社平和「当社連結子会社による株式会社一志ゴルフ倶楽部の株式取得(孫会社化)に関するお知らせ」
全国保証株式会社による三重総合信用株式会社のM&A
三十三フィナンシャルグループは、2024年12月、連結子会社である三重総合信用株式会社の全株式を全国保証株式会社に譲渡することを決定しました。三重総合信用は1974年設立の信用保証会社で、2021年から新規保証受付を停止していました。
今回、業務効率化と事業整理の一環として、信用保証業界最大手である全国保証(保証債務残高18兆円)への譲渡に踏み切った形です。譲渡価額は約18.9億円で、2025年2月に譲渡が完了予定です。
これにより、保証業務の専門性をより高い水準で維持しつつ、グループ全体の経営資源の最適化を図る動きといえます。信用保証分野の再編が進む中、地方金融グループによる機能の選択と集中を示す事例です。
【出典】株式会社三十三フィナンシャルグループ「連結子会社の異動を伴う株式の譲渡に関するお知らせ」
大敬ホールディングス株式会社
2024年11月、大敬ホールディングス株式会社は、三重県四日市市に本社を構えるシンエイテック株式会社の全株式を取得し、子会社化しました。
シンエイテックは、基礎建設機械のアタッチメント製品の開発・製造や各種機材のメンテナンスを手がけており、技術力と地域密着型の事業展開に強みを持つ企業です。
大敬グループは中期経営計画の一環として、顧客利便性の向上と事業領域の拡大を掲げており、本件M&Aによりグループ内での製造・整備体制の強化や、建機サービスの総合力向上を図ります。
設備関連分野における相乗効果と地域シナジーが期待される戦略的な子会社化といえます。
【出典】大敬ホールディングス株式会社「シンエイテック株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
三重でM&Aを進めるときの注意点
M&Aを進める際には、その地域と業界特性を踏まえた準備が欠かせません。ここでは、三重県でM&Aを検討する際に知っておきたい注意点について、売り手目線でご紹介します。
適正価格設定のためのバリュエーション
適正な価格設定を行うため、複数の評価手法を組み合わせた多角的なアプローチを検討しましょう。特に非上場企業が多い三重県では、財務諸表だけでは把握しきれない要素が市場価値を左右します。有形資産だけでなく、技術力や顧客基盤などの無形資産を整理し、買い手候補へのアピール材料にしましょう。
情報漏洩リスクと対策
M&Aの際は情報管理の徹底が求められます。例えば、三重県内で長年にわたり技術を蓄積してきた中小製造業の場合、ノウハウなどの無形資産がM&Aの価値を左右することがあります。取引時に企業の根幹にかかわる情報を漏らさないことが重要です。
秘密保持契約(NDA)の締結や段階的な情報開示プロセスを導入することで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられるでしょう。また、開示情報の範囲を段階的にすると同時に、核心技術に関する情報は慎重に取り扱う必要があります。
適切な専門家に相談する
M&Aのプロセスは、煩雑かつ多岐にわたります。そのため、M&A仲介会社や百五銀行などの地元金融機関、事業承継・引継ぎ支援センターなどの専門家のサポートが事実上必須です。適切な専門家に相談し、マッチングから交渉・成約まで、全プロセスを一任しましょう。
M&Aを検討する際に知っておきたい基礎知識
事業承継・会社売却を検討するなら、M&Aの基礎知識をしっかりと理解することが大切です。以下、経営者が知っておくべき情報をまとめました。
M&Aと事業譲渡の違いはなんですか?
M&Aにはいくつかの手法があり、主なものに株式譲渡と事業譲渡があります。株式譲渡は企業全体の株式を取得することで経営権を移転する方法で、資産と負債を一括して引き継ぐのが特徴です。一方、事業譲渡は特定の事業・資産のみを切り離して譲渡するため、譲渡対象をある程度限定することが可能です。
M&Aの手法について、詳しくは以下の関連記事で解説しています。こちらも併せてお読みください。
【関連記事】M&Aとは?意味や目的、手法ごとのメリットデメリットをわかりやすく解説
M&Aのメリットとデメリットはなんですか?
M&Aには後継者問題の解決や事業の存続、従業員の雇用維持といったメリットがあります。一方、企業文化の統合の難しさや従業員のモチベーション低下、費用負担などの懸念も存在します。特に中小企業では、オーナー経営者の個性が企業文化に強く影響しているため、経営統合に課題が生じやすいのがデメリットです。
M&Aのメリットとデメリットについて、詳しくは以下の関連記事で解説しています。こちらも併せてお読みください。
【関連記事】M&Aのメリットとデメリットは?買い手と売り手の立場別にわかりやすく解説
M&Aの相場はどのくらいですか?
業種や企業規模、収益性によって異なりますが、中小企業のM&Aでは時価純資産に営業権(のれん)を加算する方法や、EBITDA倍率法、類似企業の取引事例を参考にするマルチプル法が一般的です。なお、DCF法は主に上場企業同士やスタートアップのM&Aで用いられる手法となっています。
M&Aへ向けて自社の企業価値を知りたい方は、以下のページから「企業価値算定シミュレーション」をご利用ください。
M&Aでおすすめの相談先はどこですか?
おすすめの相談先として、民間のM&A仲介会社や地元の金融機関、税理士、公認会計士などが挙げられます。特に推奨されるのは、三重県の地域特性を深く理解しているM&A仲介会社です。製造業や観光業といった三重県の主要産業に精通したアドバイザーが在籍する仲介会社なら、地域の商習慣や業界動向を踏まえた適切なサポートが期待できるでしょう。
M&Aの相談先について、詳しくは以下の関連記事で解説しています。こちらも併せてお読みください。
【関連記事】M&Aはどこに相談する?相談先の選び方やメリットデメリットを解説
まとめ|三重のM&Aのポイント
M&Aを検討する際は、三重県の地域特性を理解した専門家に相談しましょう。複雑なプロセスを経営者一人で進めるのは困難なため、M&A仲介会社などのサポートを受けるのが理想です。特に、地元の企業風土やつながりを理解している専門家なら、安心して任せられます。大切に育ててきた事業の未来を託すために、まずは無料相談からはじめてください。
CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。