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会社売却の相談先はどこが良い?おすすめの相談先と特徴を比較

売却 / 会社売却

  • 公開日2024.10.30
  • 更新日2024.11.05

会社売却の相談先はどこが良い?おすすめの相談先と特徴を比較

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会社の売却を検討し始めた段階で売却方法を正しく理解している人は少ないので、一般的にはまず相談から始めるケースが多いです。ただし、いざ相談したいと思っても「果たしてどこに相談したら良いのだろうか」と悩む人も多いのではないでしょうか。どこに相談するかによって、得られる助言やその後のプロセスも変わってきます。

この記事では、会社売却の相談先として考えられる選択肢と、それぞれの特徴をまとめました。相談先選びの参考にしてください。後半は相談先を検討する際のポイントにも触れています。

会社売却に関する基礎知識

初めて会社の売却を検討する場合、そのプロセスや必要な知識について不明点が多いかもしれません。この見出しでは、会社売却の基本的な知識について解説します。

会社売却にはさまざまな理由と手法があります。まずは、なぜ会社売却を検討するのか、その理由を理解することから始めましょう。


会社売却の手法

会社売却の手法には、事業譲渡や株式譲渡などのさまざまな選択肢があります。それぞれの手法は、法的手続きや税務上の取り扱いが異なるため、自社に適切な手法を選ぶことが大切です。

事業譲渡は、企業が事業の一部または全体を他の企業に売却する手法です。この手法では、売却対象の事業の資産や負債が個別に引き継がれるため、詳細な査定が必要です。

一方、株式譲渡は企業の所有権を表す株式を他の個人や企業に売却する方法です。株式譲渡の場合、売却する側の企業自体はそのまま存続し、所有権だけが移ることになります。企業の状況や目的に応じて、適切な手法を選ぶ必要があります。例えば、事業譲渡は特定の事業部門のみを売却したい場合に有効です。一方で株式譲渡はオーナーシップそのものを移転させるため、企業全体の売却を希望する場合に適しています。

適切な手法を選ぶためには、法務の専門知識が不可欠です。専門家のアドバイスを受けることで、法的リスクを最小限に抑え、円滑な売却プロセスを進められます。


会社売却にかかる税金

会社売却によって得た利益には、主に所得税や法人税などが課されます。また、事業譲渡の場合は消費税も課せられます。

所得税と法人税は、売却で得た利益に対して課税されるものであり、特に大きな額のお金が動く場合には、税金の額もかなりのものとなります。実際に会社を売却する際には、この税負担の大きさが利益を大きく左右するポイントとなります。

適切な選択を行うためにも、税務の専門知識を持った人に相談することをおすすめします。

会社売却の相談先の種類と特徴

会社売却を成功させるポイントの1つに、適切な相談先を選ぶことがあります。相談先にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴とメリットがあります。この見出しでは、代表的な相談先について詳しく解説します。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業の売却や買収を専門に取り扱います。売り手企業と買い手企業の間に立ち、企業価値の評価、適切な売却戦略の策定、買い手候補の探索、交渉、契約書の作成などの幅広いサポートを提供します。

M&A仲介会社の特徴は、豊富な経験と専門知識を持っていることです。会社の売却は多くの複雑なプロセスがありますが、仲介会社はそれらに対処するためのスキルとリソースを持っています。また、広範なネットワークを活用して多くの買い手候補と繋がることができる点も大きな強みです。


公認会計士事務所・税理士事務所

公認会計士事務所や税理士事務所は、企業の財務・税務に関する専門家集団です。財務状況の精査や適切な売却価格の設定、税務リスクの評価、節税対策の提案など、幅広い相談に応じてくれます。さらに、売却に伴う税務申告や法的手続きについても詳細にサポートします。

公認会計士事務所や税理士事務所の大きな特徴は、高い専門性と信頼性です。公認会計士や税理士は最新の税法や会計基準に精通しており、複雑な財務状況を分析できます。そのため、財務諸表の分析や税務リスクの評価を行い、適切な計画を立てることが可能です。このような専門的な支援は、会社売却の成功に大いに役立ちます。

金融機関

金融機関は融資や資金調達、財務アドバイスなどのサービスを提供しています。会社売却に関しても、多岐にわたる相談に対応可能です。具体的には、売却に伴う資金調達、財務アドバイス、M&Aに関するサポートや買い手企業の紹介などが含まれます。

金融機関は強力なネットワークを持ち、企業の成長や再編を支援するためのリソースを提供できます。企業が適切な財務戦略を実行できるよう支援し、取引の信頼性が高いのも特徴です。

事業承継・引継ぎ支援センター(公的機関)

事業承継・引継ぎ支援センターは、主に中小企業の事業承継を支援する公的機関です。円滑な事業のバトンタッチを支援し、次世代への経営資源のスムーズな承継を促進させるために設立されました。47都道府県各地に窓口が設置されており、全国各地で利用することが可能です。

事業承継・引継ぎ支援センターでは、事業承継や第三者への事業譲渡に伴う課題に対して、さまざまなサポートを行っています。具体的には、承継に関する手続き、税務や法務のアドバイス、後継者探しなど、多岐にわたる支援を提供しています。

このセンターの特徴として、相談にかかるコストが非常に低い点が挙げられます。その理由は、国から委託を受けて実施している事業であり、売上や業績の向上が目的でなく、あくまでも事業承継支援を第一に考えているからです。さらに、地域に密着したサービスを提供しており、地元企業の特性やニーズに応じたサポートが可能です。このため、特定地域の産業特性や市場動向を踏まえたアドバイスを受けることができます。

事業承継・引継ぎ支援センターは、公的機関として低コストで利用でき、地域密着型の支援を提供する中小企業の心強い相談先です。


商工会議所

商工会議所は、会社売却に関して幅広い内容の相談に応じてくれます。具体的な相談内容としては、売却先の探索、企業評価、法務・税務のアドバイス、売却プロセスの進行管理などが挙げられます。これにより、企業のニーズに応じた手厚いサポートを受けることが可能です。

商工会議所の大きな特徴は、地域密着型の支援と広範なネットワークです。商工会議所は地域企業との強い結びつきを持ち、地元経済の状況を深く理解しているため、地域に根ざした視点からの助言や支援が得られます。さらに、地域企業同士のマッチング支援や地域特有の市場分析も行い、売却プロセスが円滑に進むようサポートしています。

商工会議所は地域密着型の支援を行い、売却先の探索やプロセスの進行管理など幅広いサポートを提供する相談先です。


M&Aマッチングサービス

M&Aマッチングサービスは、インターネットを活用して売り手と買い手を結びつける新しい売却手法です。オンラインプラットフォーム上でM&A関連の情報を提供し、買い手がその情報を見て連絡を取るスタイルです。これにより、広範な市場にアクセスできる点が大きな特徴となっています。

多くのM&Aマッチングサービスは、単にプラットフォームを提供するだけでなく、利用前の相談も受け付けています。例えば、売却価格の設定方法や適切な買い手を見つけるための戦略など、具体的なアドバイスを提供してくれることが多いです。そのため、初めてのM&Aを行う企業にとっても心強いサポートとなります。

M&Aマッチングサービスの特徴としては、独自のデータベースの存在が挙げられます。データベースには過去の取引データが数多く蓄積されており、そのデータをもとにして傾向や成功のポイントなどを分析し、具体的なアドバイスを提供してくれるのです。また、データベースを活用して、条件に合う買い手を迅速に見つけることができる点も大きな利点と言えるでしょう。

会社売却の相談先を選ぶ際のポイント

会社売却のプロセスは複雑かつ多岐にわたるため、適切な相談先を選定することが成功の鍵です。続いて、会社売却の相談先を選ぶ際の重要なポイントを解説します。

成約の実績が豊富か

会社売却の相談先を選ぶ際には、その相談先が豊富な成約実績を持っているかどうかを確認することが大切です。成約実績が豊富ということは、多くの案件を成功に導いてきた証拠であり、経験とノウハウが蓄積されているからです。また、成約実績の多さは、その相談先が市場動向やトレンドを熟知していることも意味します。

例えば、M&A仲介会社や公認会計士事務所、税理士事務所などは、各種ビジネス取引に関する豊富な経験を持ち、その分野での実績を公開していることが多いです。これにより、具体的な成功事例や過去の取引内容を参照して、信頼性や実力が確認できます。成約実績の多い相談先を選ぶことで、会社売却のプロセスがスムーズに進む可能性が高まります。

サポート体制が充実しているか

会社売却を成功させるには、相談先からのサポートが充実していることも不可欠です。充実したサポート体制があると、売却までの過程もスムーズに進行しやすくなります。

具体的には、財務分析、企業評価、法務・税務のアドバイス、買い手との交渉、契約書の作成など、多様な専門分野のサポートが必要になります。サポート体制が整っている相談先は、売却プロセス全体を一貫して管理し、スムーズな進行させることができます。

どのような相手へ売却したいか

会社売却の相談先を選ぶ際には、自社がどのような相手に売却したいかを明確にし、それに対応できる相談先を選びましょう。特定の業界や地域に特化した買い手を希望する場合、その業界や地域に強みを持つ相談先が候補になります。

例えば、M&A仲介会社や事業承継・引き継ぎセンターは広範なネットワークを活用して適切な買い手を見つけることができます。これらの相談先は、業界や事業規模に応じて的確なマッチングを提供できることが強みです。また、金融機関や商工会議所は地域のネットワークを活用し、地元企業とのマッチングを支援します。地方の強みや特定地域での連携が必要な場合には非常に有効です。

M&Aマッチングサービスを利用すれば、より広範囲から買い手を探すことができます。オンラインプラットフォームを介して多くの買い手候補にアクセスできるため、異なる業界や地域の企業とも繋がりやすくなります。

会社売却を成功させるには売却したい相手を明確にし、それに応じた相談先を選ぶことが大切です。

情報漏洩への対策が十分に取られているか

会社売却に関する相談先を選ぶ際には、相談内容の秘密が厳守されるかは大前提の条件です。会社の売却に関して話し合われる内容は、ほとんどが企業の重要な情報であり、外部に漏れると企業の価値や信頼性が大きく損なわれる可能性があるためです。情報漏洩は、売却交渉が不利に進むだけでなく企業の競争力が低下し、従業員や顧客、取引先からの信頼も失いかねません。

M&Aの仲介を行う会社は、秘密保持契約(NDA)を締結し、情報漏洩防止策を講じています。これらの専門機関は、社内での情報管理体制も整え、機密情報の取り扱いに関する徹底した教育を行っています。具体的には、アクセス権限の厳格な管理、情報の暗号化、定期的な内部監査などを実施することで、情報の流出を防いでいます。

M&A仲介協会や中小企業庁のM&A支援機関に登録しているか

会社売却の相談先を選ぶ際には、自主団体であるM&A仲介協会や中小企業庁のM&A支援機関登録制度に登録しているかを確認することも有効です。

── M&A仲介協会
「M&A仲介業の健全な発達を図り、もって日本国経済の発展と維持に寄与することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。」をミッションに掲げ、下記の活動目的達成のため活動している協会です。

  • M&A仲介の公正・円滑な取引の促進
  • 中小M&Aガイドラインを含む適正な取引ルールの徹底
  • M&A支援人材の育成サポート
  • M&A仲介に係る苦情相談窓口の運営
  • その他前各号に附帯関連する事業

 

── M&A支援機関登録制度

M&A支援機関登録制度とは、中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤を構築することを目的に、中小企業庁が開始した制度です。中小企業庁のM&A支援機関登録制度の対象となるのは、M&A仲介業者、FAを行う者に限ります。

M&A支援機関として登録するためには、以下のような要件を満たすことが求められています。

  • 中小M&Aガイドラインの遵守を宣言する
  • FA・仲介業者において定める料金表を提出する
  • 登録後の遵守事項を履行することを誓約する
  • 顧客中小企業者等による情報提供窓口への相談等の行動を制約しない
  • 反社会的勢力に該当せず、今後も反社会的勢力と関係を持たない
  • 経済産業省の所轄補助金交付等の停止、契約に係る指名停止を受けていない
  • 登録申請の際の手続に関しても、内容を確認のうえ、宣誓を行う

M&A仲介協会会員一覧表やM&A登録支援機関データベース、もしくは相談先のホームページを参照し、相談先がこれらの団体に加盟しているかどうかを確認しましょう。

会社売却を検討するタイミングで行うこと

会社売却を成功させるには、適切なタイミングで必要な準備を行うことが大切です。最後に、会社売却を検討するタイミングで行うべきことを説明します。

売却目的の明確化

会社売却を考える際、最初に行うべき重要なステップは売却目的の明確化です。会社を売却する理由を明確にすることで、適切な買い手が見つかりやすいです。そして、その目的に基づいた交渉を行うことで、売却をスムーズに進めやすくなります。

売却目的がはっきりとしていると、会社売却後の計画を進めるのもスムーズです。例えば、引退を考えている場合には、売却金をどのように活用するか、どの程度の継続的な関与が必要かといった具体的なプランを立てられます。また、事業の最適化や新たなビジネスチャンスのために売却を考えている場合、売却先に求める条件や期待する利用用途などを明確にできます。

売却の目的を明確にすることで、適切な相談先を選びやすくなります。例えば、M&A仲介会社、公認会計士事務所、金融機関など、売却の目的や規模に応じて適切なアドバイザーを選定できます。各相談先はそれぞれ特有の強みを持っていますが、目的が定まっていれば、その強みを最大限に活用できるパートナーを見つけることが可能です。

必要書類の準備

必要書類は会社売却のプロセスが本格化してから準備することが多いですが、相談の段階で用意できるものは揃えておきましょう。必要書類を事前に準備しておくことで、売却プロセスの途中での遅れを防ぎ、迅速に手続きを進められます。

売却に関連する書類としては、財務諸表、法人税申告書、労務関連書類などが挙げられます。財務諸表は会社の経営状況や資産の状態を示すもので、貸借対照表や損益計算書などがあります。法人税申告書は税務署に提出済みのものを用意しましょう。労務関連書類としては、従業員名簿や雇用契約書などが必要です。

財務諸表や税務関連書類の整備は、企業の正確な価値評価にも直結するため、売却価格の設定にも影響します。これらの情報が整っていると、買い手側も安心して取引に臨むことができ、信用度が高まります。事前にしっかりと必要書類を準備し、スムーズな売却プロセスを実現しましょう。


自社の強みの整理

自社の強みを整理し、明確にすることは、会社売却を検討する際の重要なステップです。強みは買い手への魅力的なアピール要素となるため、確実に伝えられるように準備しましょう。
強みを明確にするためには、まず自社の業界内での位置づけや独自の技術、ブランド力などを考慮する必要があります。同じ業界内で競争力を持つ要素や、自社ならではの特徴を具体的に整理することで、強みをより明確に把握できます。

例えば、長年の経験とノウハウで築き上げた高い技術力や、業界内での高いシェア、知名度のあるブランドなどが挙げられます。こうした強みを具体的に挙げることで、買い手にとって自社が魅力的な選択肢だと伝えられます。

不透明な取引の整理

会社売却を円滑に進めるためには、不透明な取引を整理し、透明性を確保することが不可欠です。もし不正確な契約や不明瞭な会計処理が発覚したら、即座に解決に動きましょう。不透明な取引が残っていると、買い手に不信感を与え、交渉が難航する可能性があります。買い手に信頼してもらうための大切なステップなので、放置せず確実に行いましょう。

まとめ丨自分に合った相談先を探そう

会社売却は大きな決断の連続です。成功させるためには適切な相談先の選定と、しっかりとした準備が必要です。

そのためには、まず自分の状況や目的に適した相談先を見つけることが重要です。相談先にはさまざまな選択肢がありますが、それぞれの特徴とメリットを比較し、適切なパートナーを選び出すことで、スムーズに、利益を最適化した売却を実現できます。この記事を参考にしながら、自分に合った相談先を探してみてください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長。リクルート関連会社や外資系製薬会社、大手・ベンチャー独立系M&A仲介会社で営業組織を牽引。 特にM&A実績の多い業界は調剤・IT・運送業。

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