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M&Aスケジュールと各段階の重要ポイント|期間を左右する注意事項も解説

M&A / スキーム

  • 公開日2025.04.09
  • 更新日2025.04.09

M&Aスケジュールと各段階の重要ポイント|期間を左右する注意事項も解説

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M&Aを検討するうえで、どのタイミングで準備に着手し、どの段階で交渉を進めるのかは非常に重要です。スケジュールの遅延は情報漏洩リスクや交渉決裂を招く可能性があるため、全体の流れを把握しておく必要があります。

また、M&Aには企業価値算定やデューデリジェンスなど専門的なプロセスが含まれます。各ステップで何を優先し、どのように進めるかによって、期間も大きく変動します。

本記事では、M&Aスケジュールの全体像と注意すべきポイントを段階ごとに解説します。交渉から統合作業(PMI)までの一連の流れを理解し、スムーズなM&Aを実現するためのヒントを探っていきましょう。

M&Aスケジュールの基本情報

まずは、M&A全体のプロセスを大まかに把握し、どのような段階を経るのかを理解しましょう。

一般的なM&Aプロセスの流れ

一般的なM&Aの流れは、準備段階、交渉段階、契約締結・PMI段階の大きく3つに分けられます。

準備段階

準備段階では、M&Aの目的を明確にし、どのような企業と取引するのかなど、方向性を固めることが中心となります。社内リソースや予算、譲渡条件なども早めに整理しておき、信頼できる仲介会社やアドバイザーを選定しておくとスケジュールがスムーズに運びやすくなります。

交渉段階

交渉段階では、企業価値の算定や条件交渉、基本合意書の締結などを行います。デューデリジェンスを通じて相手企業を詳細に調べ、互いの利害をすり合わせながら最終的な譲渡価格や契約条件を詰めていくため、密なコミュニケーションと交渉力が必要です。

契約締結・PMI段階

最終契約の締結後には、実際の統合プロセス(PMI)に進みます。企業文化や組織体制が異なる場合は、事前に統合計画を策定し、従業員に周知しておくことが成功のカギとなります。クロージング後の統合が円滑に進むかどうかで、M&Aの成果が大きく左右されるため、慎重に準備を進めましょう。

準備段階のスケジュールと重要ポイント

M&Aをスムーズに進めるには、最初の準備段階でしっかりと方向性を定めておくことが大切です。ここでは、準備段階の具体的な流れと行うべきことを整理します。

準備段階の具体的な流れ

まずはM&Aの目的と範囲を明確化するところからスタートします。その後、外部アドバイザーや仲介会社を選定し、スケジュールと必要なチェックポイントを設定していきます。最終的には、企業価値算定に必要な資料を整え、後の交渉やデューデリジェンスに備えられるようにするのが理想的な流れです。

事前準備と目標設定

事業拡大や後継者問題の解決など、M&Aの目的をはっきりさせることで、社内外との認識を揃えやすくなります。準備段階で目標を明確に設定しておくと、優先順位のつけ方や必要なリソースの割り振りが明瞭となり、スケジュールに無理が生じにくくなります。

アドバイザー及び仲介会社の選定

専門的な手続きを進めるには、M&Aに精通したアドバイザーや仲介会社のサポートが不可欠です。スケジュール管理だけでなく、交渉時の情報収集や契約書面のチェックなども任せられるので、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。

秘密保持契約(NDA)の締結と情報開示

M&Aでは早期の段階から秘密保持契約(NDA)を締結し、機密情報の取り扱いを明確にしておく必要があります。情報開示の範囲を厳密に定め、必要最小限の資料だけを公開することで、情報漏洩リスクを最小化しながら、交渉に必要な材料を的確に提示できるようになります。

ターゲット企業選定と企業価値算定

ターゲット企業の選定や企業価値算定は、交渉金額や条件面を決定づける重要な要素です。自社の事業方針や資本金、成長戦略に合致しているかを多角的に分析し、売り手・買い手双方にとって魅力的な条件を提示できるよう十分な下調べを行うことが大切です。

交渉段階のスケジュールと重要ポイント

企業価値算定やデューデリジェンスなど、条件交渉を中心とするこの段階はM&Aの成立可否を左右する重要フェーズです。続いて、交渉段階の具体的な流れと行うべきことを整理します。

デューデリジェンスの目的と内容

デューデリジェンスは、対象企業の法務・財務・税務・人事など多方面にわたる調査を行い、実際の企業価値やリスクを把握するために実施されます。これにより、適正な買収金額や契約条件の設定、将来的な統合計画の立案などが可能になるのです。

企業価値算定・スキーム選定

企業価値の算定手法は、DCF法や類似会社比較法など複数あり、それぞれメリットとデメリットが存在します。自社の投資目的やリスク許容度に合ったスキームを検討し、交渉に適した価格帯を決定することがスケジュールを後押しする大きなカギです。

デューデリジェンス(DD)の本格化

本格的にデューデリジェンスを進める際は、法務・財務・税務の各専門家が同時に動き出すため、十分なコミュニケーションとスケジュール管理が欠かせません。発見された課題に対して迅速な対応策を検討し、必要に応じて契約条件を見直すことで、スムーズな交渉へと繋げていきます。

交渉段階の重要なプロセス

交渉段階では、企業同士の相性や将来のビジョンを共有しながら合意形成を図ることが大切です。情報交換を円滑に行い、トラブルや認識の齟齬を防ぐためにも、交渉官やアドバイザーとの連絡体制をしっかり整えておきましょう。

条件交渉と基本合意書の締結

条件交渉では、譲渡価格や支払い条件、役員構成など複数の要素が同時に議論されます。合意した内容は基本合意書として書面にまとめられ、後の最終契約に直接影響を与えるため、合意のプロセスを丁寧に進めることが求められます。

交渉時の注意点と成功の秘訣

交渉の場面では、双方の目的を理解し合ったうえで柔軟に条件を模索することが大切です。自社にとって譲れない部分と譲歩可能な部分をあらかじめ明確に設定し、相手への配慮を忘れない交渉スタイルを貫くことで、好意的な関係を保ちやすくなります。

契約締結・PMI段階のスケジュールと重要ポイント

合意を経て契約書を締結した後は、M&A完了までのクロージングと、統合実務(PMI)を進めていくフェーズです。

ここでは最終契約書の作成や署名、資金決済など、法的拘束力をもった手続きが中心となります。専門的な知識が必要なフェーズでもありますが、以下でプロセスと重要なポイントを把握しましょう。

契約締結のプロセス

契約締結のプロセスでは、最終契約書の細部の確認や相互の責任範囲の洗い出しが行われます。契約条件に一点でも不備があると、後々大きなトラブルになる可能性があるため、法務担当者やアドバイザーと綿密に打ち合わせを重ねる必要があります。

最終契約書の作成と締結

最終契約書では、譲渡金額や支払い条件、従業員の処遇などあらゆる要素が文書化されます。双方が合意した契約内容を正確に反映させるために、専門家のチェックを仰ぎ、合意違反時の対応策や解除条項も明確に定めておくことでリスクを低減できます。

クロージングまでの確認事項

クロージングまでには、金融機関との調整や許認可手続きの完了など、契約書に記載された条件を履行する段取りを整える必要があります。資金移動のスケジュールや最終的な持ち株比率の調整などを抜かりなく行い、一連の流れを円滑に終わらせることが重要です。

クロージング後の統合作業(PMI)

クロージング後は、実際に組織やシステムを統合していくPMI(M&A後の統合プロセス)に着手します。企業文化や評価制度など、ソフト面の統合が上手くいかないと人材流出や生産性の低下を招きやすいため、計画的な進行が求められます。

PMI計画策定の必要性

PMI計画では、具体的な統合作業の手順と目標を設定し、担当部署や責任者を明確にします。組織編成や業務フローの再設計のみならず、従業員間のコミュニケーション活性化策など、ソフト面への配慮も欠かせません。

成果評価と改善プロセス

PMIを円滑に進めるためには、定期的に成果を評価し、問題点を洗い出して早期に改善策を講じることが大切です。統合作業は一度で完結するわけではなく、具体的な改善を積み重ねながら、新たに得られたシナジー効果を最大化していくプロセスになります。

M&Aスケジュールの期間と特徴

M&Aの全体期間はケースバイケースですが、一般的には半年から1年、場合によっては2年程度要します。企業規模や業種、交渉の難易度によって、M&Aのスケジュールは大きく変動するため、余裕を持った計画を立てることが重要です。

まずは、一般的なスケジュールを把握しましょう。

一般的なスケジュール期間

一般的には1年ほどかかることが多いですが、中小企業のM&Aや特定の業種ではさらに短縮が可能な場合もあります。逆に、大手企業間などの大型M&Aでは交渉が複雑化し、2年近くかけてようやく成立に至るケースも存在します。また、株式譲渡や事業譲渡などのスキームによっても、必要な期間は異なります。

1~2年の目安と各段階別の期間

準備段階で数ヶ月、交渉段階で半年以上、契約締結とPMI段階でさらに数ヶ月から1年程度かかるのが一般的なイメージです。ただし、交渉が早期にまとまればスケジュール短縮も可能なため、常に相手企業との連携を密に取りながら計画を見直していくことが大切です。

M&Aスケジュールの進行上のポイントと注意事項

M&Aが長期化する原因を把握し、円滑に進めるためには事前に想定される問題点に備えておくことが重要です。ここでは、スケジュールの遅延を生む主な原因と、遅延を防ぐための具体策を見ていきましょう。

M&Aスケジュール遅延の主な原因

資料不足や検討事項の追加、デューデリジェンスの長期化などが代表的な遅延要因です。また、トップ同士の条件交渉が難航すると、社内外で承認手続きが止まることもあり、スケジュール全体がズレ込む要素になります。

遅延を防ぐための具体的対策

遅延対策としては、準備段階での情報整理や権限委譲の明確化が挙げられます。さらに外部の専門家を早期に活用しておけば、複雑な契約書作成やデューデリジェンスの効率化にも繋がり、スケジュール管理がしやすくなります。

専門家やスペシャリストの活用

M&Aは専門的な知見が必要な場面が多いため、法務・財務・税務の各分野に詳しいスペシャリストの力を借りることが効果的です。要所要所で業務を委託すれば、社内リソースの負担を減らし、結果的にスケジュールを守りやすくなります。

円滑な意思決定とコミュニケーション術

M&Aの交渉や調整では、トップ同士だけでなく、現場レベルでの綿密なコミュニケーションが必要です。経営陣が現場の意見を素早く取り入れられる仕組みを整え、合意に時間がかからないようマイルストーンを定めておくことが、スケジュール管理の大きなポイントとなります。

まとめ|一般的なM&Aのスケジュールに囚われず早めの準備を

M&Aのスケジュールは準備段階から交渉、契約締結、PMIまで多岐にわたるプロセスで構成されています。

各段階で必要な作業と注意事項を把握し、あらかじめ余裕を持った計画を立てておくことで、M&Aの成功率は大幅に高まります。資料の準備や交渉条件のすり合わせ、PMIによる組織統合など、すべてが互いに関連し合っているため、一部の遅れが全体に波及しやすい点に注意しましょう。

専門家との連携や社内体制の強化、明確な目標設定など、スケジュール管理に有効な手段は多様です。どの手段を選択するかは企業規模や業種によって変わりますが、重要なのは自社の状況に合ったやり方を見極めることです。

最終的にはM&A後のシナジー効果を最大化することが目的であり、スケジュール管理はそのための基盤作りとも言えます。準備からPMIまで一貫して計画的かつ柔軟な対応を心がけ、M&Aを成功へと導いていきましょう。

CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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