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ファンド会社とは?種類やファンドが企業を買収する理由、M&Aで活用するポイントを解説

支援 / 金融機関

  • 公開日2025.05.01
  • 更新日2025.05.01

ファンド会社とは?種類やファンドが企業を買収する理由、M&Aで活用するポイントを解説

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「ファンド会社」という言葉を耳にしたことはあるものの、その具体的な役割や種類についてはよく知らないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ファンド会社の基本的な仕組みから、買収の理由、M&Aで活用するためのポイントまでをわかりやすく解説します。

ファンド会社とは?

ファンド会社とは、複数の投資家から資金を集め、それを元手に企業の株式や債券、不動産などの資産に投資し、リターンを得ることを目的とした法人です。投資先が上場企業であれ、未上場企業であれ、将来的に価値が上がると見込まれる対象に資金を投じ、成長・再生・再編といった過程を経て価値を高め、最終的に売却することで利益を得ます。

多くのファンド会社は、独立した投資法人として活動しており、資金の出し手(出資者)は機関投資家や富裕層などが中心です。これに対し、ファンド会社は運用を担う立場として、投資戦略の立案、対象企業の選定、成長支援、出口戦略の実行までを一貫して行います。

投資会社や運用会社の違い

ファンド会社と似た言葉に「投資会社」や「運用会社」がありますが、それぞれ役割やビジネスモデルが異なります。

ファンド会社は、あくまで投資ファンドを組成し、それを運用する立場にあります。これに対し「投資会社」は、自社の資金を使って他社に投資する会社であり、ファンドを介さずに資本参加を行います。また、「運用会社」は、投資信託や年金基金といった資産を代理で運用する業務が主で、金融商品の選定や資産配分の調整が主な業務です。

つまり、ファンド会社は投資家から資金を預かり、その運用によってリターンを狙う点で、両者と異なります。加えて、ファンド会社の中には経営改善や人材育成にまで関与し、企業価値を高める支援をするケースも多く見られます。

ファンド会社の種類

ファンド会社にはいくつかの種類があり、それぞれ投資対象や目的が異なります。代表的な5つのタイプについて詳しく見ていきましょう。

プライベート・エクイティファンド運営会社(PEファンド)

PEファンドとは、非上場企業への投資を中心とするファンドで、経営再建や事業拡大を支援します。

PEファンド(プライベート・エクイティファンド)運営会社は、成熟企業や経営課題を抱える企業への投資を通じて、企業価値の向上を目指します。株式を取得し、経営にも深く関与することで、事業再編、コスト削減、新規市場開拓などの成長施策を実行します。

例えば、老舗メーカーが後継者不在により事業継続に困難を抱えていたケースでは、PEファンドが資本参加し、プロ経営者の派遣や業務効率化を行い、企業を再成長させた事例があります。PEファンドは単なる投資にとどまらず、経営のバリューアップを実現するパートナーとして機能します。

ベンチャーキャピタル系ファンド会社

ベンチャーキャピタル(VC)は、将来性のあるスタートアップ企業に特化したファンドです。

ベンチャーキャピタル系ファンド会社は、技術革新や新市場の開拓に挑むスタートアップ企業に資金を供給します。リスクは高いものの、高成長が期待できる企業に対して出資を行い、企業の成長とともにリターンを得るモデルです。

たとえば、IT系ベンチャーがシード期にVCから資金を得て、開発体制を強化し、数年で上場を果たすケースは多く見られます。VCは資金面だけでなく、経営アドバイスやネットワーク提供も含めた「成長支援型投資」を行う点が特徴です。

ヘッジファンド運営会社

ヘッジファンドは、高度な投資手法を駆使して、相場の上下にかかわらず利益を追求するファンドです。

ヘッジファンド運営会社は、株式、債券、通貨、先物など複数の金融商品を組み合わせ、リスクをヘッジしながら高い収益を狙います。レバレッジや空売りといった手法も活用され、非常に柔軟な運用が可能です。

例えば、株式市場が下落基調でも空売りで利益を出す戦略を取るなど、市場の動きに左右されにくい構造が特徴です。運用の自由度が高いため、投資家にとっては高リスク・高リターンの選択肢となります。

不動産ファンド運営会社

不動産ファンドは、オフィスビルや商業施設などの実物資産に投資し、賃料収入や資産価値の上昇を目指します。

不動産ファンド運営会社は、安定したキャッシュフローを生む不動産資産に投資し、長期的な収益を追求します。REIT(不動産投資信託)として証券化されるケースもあり、個人投資家にも開かれた形態を取ることが多いです。

一例として、都心のオフィスビルを複数取得し、テナント誘致やリノベーションによって資産価値を高め、最終的に売却することで利益を得るモデルがあります。景気変動の影響は受けやすいものの、実物資産を持つ安心感が魅力です。

政府系・地域特化ファンド会社

政府や自治体が設立したファンドは、地域経済の活性化や戦略産業の育成を目的としています。

政府系・地域特化型ファンド会社は、特定地域や産業への投資を通じて、社会的課題の解決や産業振興を目指します。地域金融機関や自治体と連携し、中小企業の成長支援や雇用創出を後押しするのが特徴です。

たとえば、地方都市のものづくり企業に資本を投下し、生産設備の刷新や販路開拓を支援するファンドがあります。収益性だけでなく、公共性を重視するため、民間ファンドとは異なる運用姿勢が取られます。

サーチファンド

サーチファンドは、アントレプレナー(起業家)個人が中小企業を買収し、経営者となって事業を成長させることを目的としたファンドです。

サーチファンドは、経営意欲の高いMBAホルダーなどの個人が中心となり、投資家から資金を調達して後継者問題を抱える優良中小企業を探索・買収します。買収後は自らが経営者として事業運営に携わり、企業価値向上を図る点が特徴です。

例えば、創業者が引退を考えている黒字の中小企業に対して、サーチファンドが買収し、若手経営者が新たな成長戦略を導入するケースが見られます。通常のPEファンドと異なり、オーナー経営者としての長期的視点を持ちながら企業を成長させる点が魅力となっています。

ファンド会社に買収されるとどうなる?

企業がファンド会社に買収されると、経営体制や事業戦略に変化が生じる場合があります。ここではその理由と変化の内容を解説します。

ファンドが企業を買収する理由

ファンド会社が企業を買収する最大の目的は、企業価値を高めたうえでの売却によるリターン獲得です。業績不振や後継者不在といった課題を抱える企業に対して、経営支援や構造改革を行い、数年後の売却を目指します。

また、スピンオフ(事業部門の分離)や業界再編の一環としてM&Aを行うこともあります。これにより、資産価値の最大化や市場での競争力強化を図るのです。買収先企業にとっても、成長資金や経営ノウハウが得られるというメリットがあります。

買収後の企業の変化とは?

ファンドによる買収後、企業には経営体制や財務構造などさまざまな変化が訪れます。

買収後の企業では、経営体制の刷新や役員構成の見直しが行われるケースが多く見られます。また、コスト構造の改善、事業ポートフォリオの見直しなどが進められ、効率的な経営体制が構築されます。

さらに、短期間での成長を求められるため、戦略的なM&Aや新規事業への投資も積極的に行われます。社員にとっては環境の変化に戸惑うこともありますが、成長機会や報酬制度の見直しなど、ポジティブな影響も期待できます。

ファンド会社を利用したM&Aを成功させるためのポイント

ファンド会社とのM&Aを成功に導くには、事前の戦略設計と相手ファンドとの相性が重要です。

自社に合ったファンドを見極める

ファンド選びは、M&Aの成否を左右する重要なプロセスです。ファンドには成長支援に長けたタイプ、再生を得意とするタイプなど、特徴が異なります。そのため、自社の状況や将来の方向性に合致したファンドを選ぶことが成功のポイントとなります。

例えば、後継者不在で事業承継を目的とする企業であれば、中長期的な経営支援が得意なPEファンドが適しています。逆に、急成長を目指すスタートアップなら、ベンチャーキャピタルが望ましいでしょう。

経営の方向性を事前にすり合わせる

買収後のトラブルを避けるためには、M&A前に経営の方向性を共有しておく必要があります。ファンドは明確な出口戦略を持っているため、自社の将来像と乖離があると、M&A後に衝突が起こる可能性があります。そのため、M&A前に経営理念や事業戦略、組織体制などについて十分に話し合うことが不可欠です。

具体的には、売却後何年程度の支援を期待するのか、どの事業領域に注力するか、経営陣の続投方針などを明確にし、合意形成を図ることが大切です。

ファンドの支援体制を活用する

ファンドは単なる資金提供者ではなく、成長を加速させるパートナーです。

多くのファンドは、財務、人事、マーケティングなど専門分野に強みを持つプロフェッショナル人材を抱えています。これらのリソースを活用することで、自社では難しかった経営改革が実現しやすくなります。

例えば、新たなKPI設計、資本政策の見直し、海外展開戦略など、経営の高度化を支援してくれる体制を整えています。ファンドと信頼関係を築き、積極的に支援を受けることがM&A成功のカギとなります。

まとめ|自社の状況や将来のビジョンに合ったファンドの選択を

ファンド会社は企業の成長や再生を支援する重要なパートナーです。特徴や目的を理解し、適切に活用することが求められます。

今回はファンド会社の基本的な仕組みから種類、企業買収の背景、M&Aでの活用方法までを解説しました。ファンド会社は単なる投資家ではなく、経営に深く関与することで企業価値を高める存在です。そのため、自社の状況や将来のビジョンに合ったファンドを選ぶことが重要です。

また、M&Aを成功させるには、事前の戦略共有やファンドの支援体制の活用が欠かせません。ファンド会社との協業を通じて、より強い企業への成長を目指していきましょう。

 

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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