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SES業界の動向とM&Aのメリット|売却相場や評価されるポイントについて

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  • 公開日2025.03.26
  • 更新日2025.04.02

SES業界の動向とM&Aのメリット|売却相場や評価されるポイントについて

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社会のデジタル化などを背景に、SES業界の重要性が高まっています。

そんな中で、技術者の確保や経営基盤の安定化を目指す企業にとって、M&Aは経営戦略における重要な手段の一つだといえるでしょう。

今回は、SES業界の現状、M&Aのメリット、成功させるポイントなどを解説します。

SES業界の概要

最初に、SESの概要や業界の特徴をご説明します。業界全体の現状と課題についても触れますので、ぜひ参考にしてください。

SES業界とは

「SES(System Engineering Service」とは、クライアント企業に対してシステムエンジニアの技術力や専門スキルを提供するビジネスモデルです。システム開発・保守・運用業務において、特定の技術を持つエンジニアを派遣します。

SESと一般的な人材派遣との大きな違いは、契約形態にあります。一般的にSESでは準委任契約を採用しており、エンジニアへの指揮命令権はSES企業側に留保されます。これにより、専門的かつ柔軟なサービスの提供が可能となっています。

SES業界には、金融(銀行のシステム開発)、製造(生産管理システムの構築)、医療(電子カルテシステム開発)、小売(ECサイトの開発)、通信(ネットワークインフラ構築)など、特定分野に特化した企業が存在します。例えば、金融分野では高度なセキュリティシステムの開発を担うSESが挙げられます。同様に、製造分野では生産ラインの自動化や品質管理システムの開発を担うSESが挙げられます。

SES業界の現状と課題

SES業界は、DXの加速により需要が急増している一方で、深刻な人材不足に直面しています。中小企業基盤整備機構の2023年の調査によれば、企業の71.9%がDXの必要性を感じているものの、実際に取り組めている企業は31.2%に留まっています。この格差の主な要因の一つが、IT人材の不足です。

近年は業界の中でも、「クラウド環境の構築・運用」「データ分析・AI開発」「セキュリティ対策」「基幹システムの刷新」といった領域で人材ニーズが高まっています。

【出典】独立行政法人 中小企業基盤整備機構 広報・情報戦略統括室 総合情報戦略課「中小企業のDX推進に関する調査(2023年)アンケート調査報告書」

SES業界のM&A動向と売却相場

昨今のSES業界では、即戦力となる技術者の確保を目指したM&Aが積極的に行われています。ここでは、業界の具体的な動向、SES企業の売却相場、売却手法についてご説明します。

SES業界のM&Aに関する動向

SES業界でのM&Aは増加傾向にあります。なかでも注目されているのが、大手企業によるSES企業の買収の事例です。優秀な人材を抱えるSES企業を買収することで、大規模プロジェクトを内製化するといったように、コスト削減を目的としたM&Aも見受けられます。

SES業界のM&A売却相場

SES企業の企業価値評価では、主に「EBITDA」や「売上高」などの財務指標を基準とし、これらに各種の調整要素を加味して算出します。評価に影響する要素としては「プロジェクトの収益性と安定性」「エンジニアの技術レベルと経験」「主要顧客との関係性」などが挙げられます。具体的な評価倍率は、複数の要素や市場環境により大きく変動するため、M&A専門家へご相談ください。

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SES業界のM&A売却手法

株式譲渡

株式譲渡とは、企業の発行済み株式を買収企業へと移転することで、経営権を譲渡する手法です。企業が保有する全ての資産や契約関係を引き継げるほか、企業名や既存の取引関係を維持したまま、事業の継続性を確保できます。

事業譲渡

事業譲渡は、全事業もしくは一部の事業を他社に移転・譲渡する手法です。最大の利点は、譲渡対象となる事業や資産を柔軟に選択できることにあります。例えば、SES事業のみを切り離して売却したり、SES事業に経営資源を集中させるために他の事業を売却したりできます。

SES企業の売却メリット

後継者問題や経営安定化など、M&Aにはさまざまなメリットがあります。ここでは、SES企業における売却メリットをご説明します。

事業承継の実現

企業の業績が好調であっても、後継者不在により事業承継が困難になるケースが少なくありません。M&Aを活用することで、これまで培ってきた技術やノウハウを次世代に引き継ぎつつ、従業員の雇用を守ることができます。

譲渡利益の獲得

企業売却により、対価を受け取れます。事業譲渡で対象会社が対価を受け取った場合は、負債の返済が可能です。また、株式譲渡で株主が対価を受け取った場合は、老後の生活資金などに活用するケースも見られます。

経営の安定化

買収企業の傘下に入ることで、経営基盤の安定化が期待できます。とりわけ大手による企業買収の場合、豊富な資金力やブランド力、販売網などの経営資源を活用できるようになります。事業の成長スピードが加速し、経営が安定化します。

従業員への待遇・環境の改善

大手企業による買収では、従業員の給与水準の向上や福利厚生の充実化が期待できます。ほかにも、新たな技術・知識に触れる機会が増え、従業員のキャリア形成にも好影響を与えられるでしょう。

SES企業が売却する際に評価されるためのポイント

そもそもM&Aは買い手企業があって初めて成立するものです。ここでは、買い手企業から見て魅力的に感じられる評価ポイントをご紹介します。

案件の質を高める

SES企業のM&Aでは、案件の質が重要な評価のポイントになります。例えば、「長期継続案件の比率」「上流工程案件の有無」「高単価案件の割合」といった要素から案件の質が評価されます。買い手から案件の質が高いと判断されると、企業の評価が高まる可能性があります。また、優良企業との取引実績やリピート案件の状況など、顧客基盤も評価の対象です。

優秀な技術者を多く確保している

前述した通り、SES業界を含む現状のIT業界は、慢性的な人材不足に陥っています。このような状況下において、優秀な技術者を多く確保している企業は、高い価値が認められるでしょう。経験豊富なベテランエンジニアや、高度な資格を有するエンジニアを雇用していると理想的です。具体的には「先端技術の経験者数」「プロジェクトマネージャーの在籍状況」「資格保有者の割合」などが評価のポイントになります。

海外企業と仕事をした実績がある

海外進出を目指す買い手企業にとって、国際的な取引基盤を持つSES企業は魅力的な買収対象です。技術面では、グローバルスタンダードな開発手法の経験があったり、英語での技術文書対応能力を有していたりすると、高い評価が期待できるでしょう。また、多国籍チームでの開発実績があったり、英語での業務遂行体制があったりと、コミュニケーション基盤の強みも評価につながります。

SES業界に詳しいアドバイザーに相談する

M&Aの成功には、業界特有の知識と経験を持つ専門家のサポートが欠かせません。例えば、SES業界に精通するM&A仲介会社に相談することで、適切な企業価値評価や売却手法の選定、さらには潜在的な買収企業の発掘まで、手厚いサポートが期待できます。

SES業界のM&Aの事例

株式会社ピアズによる株式会社ワイヤードのM&A

株式会社ピアズ(東京都港区)は、株式会社ワイヤードパッケージ(東京都中央区)から「IT人材派遣/SES事業」と「Boot Camp事業」を譲受する基本合意書を締結しました。  

ピアズはDXやAI関連のサービスを展開しているが、これまで開発業務は外部に委託していた。しかし、クライアントの増加により迅速な対応が求められる中、開発業務の内製化が課題となっていました。一方、ワイヤードパッケージは60名以上のエンジニアを抱え、育成環境も整備されており、ピアズの事業成長に貢献できると判断されました。  

本M&Aにより、ピアズは開発体制を強化し、より迅速なサービス提供が可能になると見られます。特に、エンジニアの育成から派遣までを一貫して行うことで、人材確保の安定化が期待されます。IT人材の確保が課題となる中、本件は企業の競争力強化を目的とした戦略的M&Aの一例といえます。

【出典】株式会社ピアズ「株式会社ワイヤードパッケージとの事業譲受に向けた基本合意書締結のお知らせ」

株式会社アレクソンによる株式会社アイ・ティ・エンジニアリングのM&A

株式会社No.1(東京都千代田区)の子会社である株式会社アレクソン(大阪市中央区)は、2024年4月24日、株式会社アイ・ティ・エンジニアリング(東京都大田区、以下ITE社)の全株式を取得し、完全子会社化することを決定しました。  

アレクソンは情報セキュリティ機器の開発・製造を手掛けており、今回の買収により、ITE社が持つSES(System Engineering Service)事業のノウハウを獲得し、ITエンジニア派遣事業への展開を図ります。ITE社は、システム開発や計測制御システムの提供を行い、長年にわたり顧客基盤を構築してきた企業であり、アレクソンにとって事業シナジーが見込まれます。  

No.1グループは「事業領域拡大に向けた積極投資」を掲げており、本件はその一環として実施されました。IT人材不足が続く中、エンジニア派遣事業の強化は、同社の競争力向上につながると考えられます。

【出典】株式会社No.1「当社子会社による株式取得(孫会社化)に関するお知らせ」

株式会社シーエーシーによる株式会社スカイプロデュースジャパンのM&A

株式会社CAC Holdings(東京都中央区)の子会社である株式会社シーエーシー(以下、CAC)は、2024年2月5日、ソフトウェア受託開発やシステムエンジニアリングサービス(SES)を手掛ける株式会社スカイプロデュースジャパン(東京都千代田区、以下SPJ)の全株式を取得し、子会社化することを発表しました。

SPJは、生損保業界向けのシステム開発に強みを持ち、ITコンサルティングやシステム開発、教育支援業務を展開しています。一方、CACは金融・医薬業界向けのシステム構築・運用管理を主力事業とし、デジタル技術を活用した新規プロダクト&サービス事業の確立を目指しています。本買収により、CACはSPJの技術力と人的リソースを確保し、コア事業の強化と拡充を図ります。

IT業界では、専門性の高いエンジニアの確保が重要視される中、本件はSES企業の買収による即戦力の獲得と、システム開発領域の競争力向上を狙った戦略的M&Aの一例です。

【出典】株式会社CAC Holdings「当社子会社(株式会社シーエーシー)による、株式会社スカイプロデュースジャパンの株式取得(子会社化)について」

まとめ|SES企業のM&Aには業界に詳しいアドバイザーに相談すると良い

SES業界は社会的なニーズが高く、今後も成長が期待されている一方で、IT人材不足が大きな課題となっています。近年のM&Aの事例の中には、IT人材確保を目的としたケースが少なくありません。

SES業界のM&Aを成功へ導くには、業界に精通したアドバイザーの支援を受けることで、適切な売却戦略を立案し、買収側との交渉をスムーズに進められるでしょう。経営戦略の一環として、M&Aを検討してみてはいかがでしょうか。

CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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