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お弁当業界のM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

業種

  • 公開日2025.09.29

お弁当業界のM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

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お弁当業界は需要が高まる一方で、経営者の高齢化や人材不足、競争の激化といった課題に直面しています。

黒字経営であっても後継者がいないために廃業せざるを得ないケースも少なくありません。

本記事では、お弁当業界の現状とM&Aの最新動向を整理し、メリット・デメリット、そして成功のために必要なポイントなどを解説します。

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お弁当業界の市場動向

惣菜・中食市場は2024年に初めて11兆2,882億円を突破し、前年から2.8%増という過去最高の規模になりました。

この伸びは、社会構造の変化や生活様式の変化にともなう中食需要の増加や、物価上昇に伴う名目拡大が背景です。

業態ごとの動きを見ると、惣菜専門店は前年より4.4%増、食料品スーパーは3.9%増となり、どちらも大きく伸びています。

特にこの2つの業態は、他と比べても成長が際立っているのが特徴です。

市場規模で見ても、コンビニ(CVS)が約3.52兆円、食料品スーパーが約3.39兆円と並び、スーパーの存在感が高まっています。

このように、お弁当を含む中食市場は拡大傾向であり、食料品スーパーの台頭が目立つ構造になるのです。

【出典】一般社団法人日本惣菜協会「2025年版惣菜白書」

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お弁当業界が抱える課題

お弁当業界は市場拡大が続く一方で、多くの経営者が深刻な問題に直面しています。

本章では、お弁当業界が抱える課題を3つの観点から解説していきます。

後継者不足による廃業リスク

お弁当業界を含む飲食料品小売業では、2024年時点で51.0%の企業が後継者不在となっており、多くの中小の弁当店は後継者がいないため、事業を続けられなくなるケースが増えています。

また、全業界では全国で年間6〜7万社が廃業しており、その多くは後継者不在が背景にあるとされています。

黒字であっても引き継ぐ人がいなければ事業を手放すしかなく、この状況はお弁当業界においても同様となります。

人手不足と労働環境の厳しさ

帝国データバンクの調査によると、飲食業を含む人手不足関連の倒産は2024年度に342件となり、前年の1.3倍に増えています。

さらに、同年12月時点では企業の半数を超える52.6%が人手不足を感じているとされ、新型コロナの影響で一時的に緩和された後は再び上昇し、高い水準で推移しています。

また、東京商工リサーチによると、2025年4月には36件と過去最多を記録し、労働力不足の深刻さが浮き彫りになりました。

長時間労働や過酷な環境が続くことで、弁当業界に大きな打撃を与えています。

【出典】帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2024年)」
【出典】東京商工リサーチ「2025年4月「人手不足」倒産 最多の36件 人材の流動化が進み、「求人難」「従業員退職」が急増」

価格競争と収益性の低下

原材料費の高騰、とくに米価の上昇は弁当店の経営を直撃しているのが現状です。

2025年の1月から5月までに22件の倒産が確認され、前年より多いペースで推移しています。

低価格競争のなかで採算が合わず、事業の継続が難しくなる店舗が相次いでいる状況です。

【出典】帝国データバンク「「弁当店」の倒産動向(2025年1-5月)」

お弁当業界のM&A最新動向(2025年)

お弁当業界では、後継者不足や人手不足、原材料費の高騰といった課題が深刻化する中で、

M&Aを活用した事業承継や業界再編が加速しています。

本章では、お弁当業界のM&A最新動向を3つの観点から解説していきます。

大手による中小弁当店・総菜メーカーの買収加速

近年は大手企業が中小の弁当店や総菜メーカーを取り込む動きが目立っています。

ハークスレイ × ホソヤコーポレーションは2024年11月に株式取得により子会社化を決議・契約締結(取得価額は非公表)しました。

惣菜製造の製版体制強化が目的です。

さらに2025年4月には、TKP × 味工房スイセンは2025年4月に業務提携+株式の一部取得(持分35%)で持分法適用会社化しました。

ケータリング/弁当の共同展開・共同仕入れの推進が目的です。

【出典】株式会社ハークスレイ「株式会社ホソヤコーポレーションの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
【出典】株式会社ハークスレイ「株式会社ティーケーピーとの業務提携に関するお知らせ」

中小事業者間の事業承継型M&A増加

後継者不足に悩む弁当店を救う形で、中小事業者同士のM&Aが増えています。

まん福ホールディングスのような承継支援企業が受け皿となり、老舗店舗の存続を後押しする事例も多いです。

2023年には静岡『お弁当どんどん』をunlock.lyが承継M&Aしました。1年で売上10%伸長/新規出店再開と報じられ、地域ブランドの承継例として注目されています。

他業種からの参入とM&Aの一般化

お弁当業界には、異業種からの参入を目的としたM&Aが増えています。

例えば会議室運営のTKPでは、弁当製造会社と提携し、共同仕入れや販売施策を進めています。

M&Aは事業承継にとどまらず、成長戦略の手段としても広く活用され始めているのです。

お弁当業界でM&Aをするメリット

お弁当業界でのM&Aは、単なる事業承継にとどまらず、多面的なメリットを生み出します。

本章では、お弁当業界でM&Aをするメリットを5つ見ていきましょう。

後継者問題の解消と事業存続

M&Aを活用すれば、後継者がいなくても第三者に事業を引き継ぐことができます。

これにより、創業者が築いた弁当店の味やブランドを地域に残すことが可能です。

黒字経営でも廃業せざるを得ない状況を回避できる点は大きなメリットです。

従業員雇用の維持

事業が継続すれば、従業員の働く場を守ることが可能です。

廃業となれば職を失うリスクがありますが、M&Aで引き継がれることで雇用条件は維持されやすくなります。

結果的に地域の雇用安定にもつながるでしょう。

ブランド力・顧客基盤の獲得

買収する側にとっては、既存のブランドや顧客をそのまま引き継げる利点があります。

新店舗を一から開業するよりも短期間で収益を上げやすくなるのです。

地域で支持されてきた既存店舗を活かせば、安定した経営につながります。

迅速な事業拡大・エリア進出

M&Aを利用すれば、物件探しや人材採用の手間を省いて新しいエリアに進出できます。

既存店舗を取得することで、すぐに営業を始められる点は大きな魅力です。

これにより、スピード感のある事業拡大が可能になります。

大手資本による経営安定とスケールメリット

大手のグループに入ることで、仕入れや物流の効率化といった支援を受けられます。

これによりコスト削減や品質向上が実現し、経営基盤が安定するのです。

さらに、売却益は経営者の引退後の生活資金や新しい挑戦に活かせます。

※株式譲渡では売却益はオーナー個人(株主)に帰属、事業譲渡では企業(法人)に帰属します。

お弁当業界でM&Aをするデメリット

お弁当業界でのM&Aは事業存続や拡大に役立つ一方で、いくつかのデメリットも存在します。

本章では、お弁当業界でM&Aをするデメリットを3つ紹介していきます。

従業員の離職リスク

M&Aによる体制の変更は、従業員に不安を与えることがあります。

特に雇用条件や働き方に変化が生じると、従業員が職場に違和感を抱きやすくなるでしょう。

その結果、モチベーションが下がり退職につながるケースも少なくありません。

取引先・顧客離れ

経営者や組織体制が変わると、取引先や顧客が不安を感じることがあります。

とくに長年築いてきた信頼関係が揺らぐと、契約の見直しや取引停止のリスクが生じます。

結果的に顧客離れにつながり、売上に影響を与える可能性があるでしょう。

経営統合の難航と隠れ負債

M&A後の統合作業は、企業文化や業務システムの違いでスムーズに進まないことがあります。

その結果、現場に摩擦が生じたり効率が落ちたりする場合があります。

さらに、簿外債務や未払い費用が後から見つかると、予想外の負担となるリスクもあるので注意が必要です。

お弁当業界でM&Aを成功させるためのポイント

お弁当業界でM&Aを成功させるには、業界特有の視点が欠かせません。

本章では、お弁当業界でM&Aを成功させるためのポイントを5つ紹介していきます。

魅力ある看板商品を持つ

他社と差別化できる看板商品があると、M&Aの評価が高まります。

たとえば独自レシピの弁当や、地元で長年人気を集める定番メニューは強い武器です。

こうした商品がある企業は買い手にとって即戦力となり、交渉を有利に進めやすくなるでしょう。

固定客・販路を確保している

地域に根付いた固定客や安定した法人向けの販路は、収益を維持する基盤になります。

学校給食や企業弁当など、継続的な取引先を持つことは大きな強みです。

そのため、売却後もすぐに利益を生みやすく、買い手に安心感を与えます。

認知度・ブランド力の高さ

地域で知られているブランドや屋号は、大きな安心材料です。

知名度が高い店舗は新しい経営体制に変わっても顧客が離れにくい傾向があります。

さらに、ブランド力が競合との差別化につながり、長期的な成長を後押しするでしょう。

衛生管理・従業員教育の徹底

食品を扱う業界では衛生管理の徹底が欠かせません。

日頃から清潔な環境を維持し、従業員の接客マナーや教育を行っている店舗は高く評価されます。

これによりM&A後のリスクが少なく、買い手に安心感を与えられるのです。

専門家の活用で最適な相手を見つける

M&Aは契約内容や手続きが複雑で、専門的な知識が必要です。

専門家に相談することで条件の行き違いを防ぎ、安心して進めることができます。

特に中小規模の弁当店にとっては、専門家の協力が成功の大きな支えになるのです。

まとめ|お弁当業界のM&Aを成功に導くために

お弁当業界は市場が拡大を続けていますが、同時に後継者不足や人手不足、価格競争の激化といった深刻な課題を抱えています。

こうした状況の中で、事業を守り育てるための有力な手段として注目されているのがM&Aです。

大手による買収だけでなく、中小同士の事業承継や異業種からの参入など、M&Aの形は多様化しています。

経営者には、自社の状況に合った戦略的な選択を行うことがますます求められています。

CINC CapitalはM&A仲介協会会員・中小企業庁の登録支援機関です。

業界歴10年以上の専門家が、譲渡や買収の目的に応じて適切な手法をご提案します。

まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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