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エネルギー業界のM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

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  • 公開日2025.09.29

エネルギー業界のM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

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エネルギー業界の将来に不安を感じていませんか。

需要の減少、脱炭素政策の加速、後継者不足など、多くの事業者が経営の転換点に直面しています。

こうした課題に対応する有力な手段の一つがM&Aです。

本記事では、2025年時点のエネルギー業界におけるM&A動向やメリット・デメリット、成功のための具体的なポイントなどを詳しく解説します。

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エネルギー業界の市場動向

日本のエネルギー業界の市場規模は、最終エネルギー消費の動向や再生可能エネルギーの導入状況から、業界が転換期を迎えていることがうかがえます。

令和5年度(2023年度)におけるエネルギー需給実績(確報)によると、最終エネルギー消費は、2005年度をピークに減少傾向が続いており、2023年度は前年度比で2.7%減少しました。

うち石油が3.0%減、都市ガスが2.5%減、電力が2.5%減、石炭が2.2%減となっています。

実質GDPは増加しているのに対し、エネルギー消費は2.7%減少しており、国内需要は縮小傾向にあります。

また、再生可能エネルギーの分野では洋上風力発電設備の導入進展が見られます。

日本風力発電協会の調査によると、2023年12月末時点で本格洋上風力発電については153.5 MW、39基の設備が稼働しており、前年から増加傾向にあります。

【出典】資源エネルギー庁「令和5年度(2023年度)におけるエネルギー需給実績(確報)」
【出典】日本風力発電協会「2023年12月末時点日本の風力発電の累積導入量:5,213.4MW、2,626基」

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エネルギー業界が抱える課題

エネルギー業界は大きな転換期を迎えており、複数の深刻な課題を抱えています。

本章では、エネルギー業界が抱える3つの課題について見ていきましょう。

エネルギー消費の横ばい・減少による縮小市場

日本のエネルギー消費は2005年度を境に減少が続き、2023年度も前年より約3%落ち込みました。

都市ガスや石油、電力など主要エネルギーすべてで需要が減っています。

このため従来型のビジネスモデルでは成長が難しく、新たな事業戦略が必要です。

【出典】経済産業省「令和5年度(2023年度)エネルギー需給実績を取りまとめました(速報)」

脱炭素対応と政策・規制の強化

日本は2050年のカーボンニュートラル実現を目標に掲げています。

第7次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入しつつ、原子力を脱炭素電源のひとつとして再エネと併用する方針が示されています。

こうした動きにより、企業には迅速な環境対応と制度遵守が一層求められています。

【出典】資源エネルギー庁「大きく変化する世界で、日本のエネルギーをどうする?「エネルギー基本計画」最新版を読みとく(後編)」

事業承継難・中小企業の存続危機

エネルギー業界の中小企業では、経営者の高齢化と後継者不足が大きな問題になっています。

後継ぎが見つからず、事業の存続に不安を抱える企業が増えているのです。

そのためM&Aを通じて大手や同業者に事業を引き継ぎ、雇用や地域のエネルギー供給を守る動きが広がっています。

エネルギー業界のM&A最新動向(2025年)

エネルギー業界では2025年現在、再生可能エネルギー分野を中心にM&Aが行われています。

本章では、M&Aの最新動向について3つの観点から見ていきましょう。

非化石電源確保に向けた再エネM&Aの加速

再生可能エネルギーの需要増加と非化石電源比率の義務化を背景に、企業の再エネ分野でのM&Aが加速しています。

ENEOSによる再エネ企業の買収や、Looopと東急不動産の提携が代表例です。

これらの動きは、脱炭素化に向けて企業が再エネを早急に取り込む必要性を示しています。

事業承継M&Aの増加(LPガス・ガソリンスタンド等)

中小規模のエネルギー事業者では、経営者の高齢化や後継者不足が深刻化しています。

その結果、事業承継の手段としてM&Aを選ぶケースが増えているのです。

実際に、日本瓦斯が門倉商店を買収した事例は、地域インフラの維持と効率化を同時に実現した成功例として注目されています。

上流資源確保と新エネルギー分野への統合

エネルギー企業は安定した供給と将来の成長を確保するため、上流資源の獲得や新エネルギー分野への統合を進めています。

資源エネルギー庁も、エネルギー安全保障の観点から上流資源の確保を重要政策に位置付けています。

こうした方針が、企業のM&A戦略にも反映され、業界再編を後押ししているのです。

エネルギー業界でM&Aをするメリット

エネルギー業界では、需要の減少や脱炭素化の加速など、さまざまな課題が存在しています。

本章では、これらの課題を解決する手段のひとつとして、M&Aのメリットについて解説します。

後継者問題の解消と事業の安定継続

中小のエネルギー企業では、後継者が見つからず事業存続が難しくなるケースが増えています。

M&Aを活用すれば、買い手が事業を引き継ぎ、経営者は安心して引退できるのです。

従業員の雇用や地域のエネルギー供給も守られ、安定した事業継続につながるでしょう。

迅速な再エネ参入と環境対応強化

再生可能エネルギー市場は拡大を続け、環境規制も厳しくなっています。

新たに事業を立ち上げると時間もコストもかかりますが、M&Aなら既存の再エネ事業をすぐに取り込めます。

これにより脱炭素化への対応力を一気に高めることが可能です。

供給ネットワークや顧客基盤の拡充

エネルギー事業では新たな顧客や流通網を築くのは容易ではありません。

M&Aを通じて既存のルートや顧客をまとめて獲得すれば、効率的に事業を広げることが可能です。

また、これにより供給ネットワークが強化され、競争力も高まります。

上流確保と収益基盤強化

安定した収益を得るには、燃料や資源の上流を押さえることが不可欠です。

M&Aにより資源や設備を取得すれば、供給の安定と収益の強化が同時に実現します。

結果として長期的に安定した事業基盤を築けるのです。

スケールメリットによるコスト効率向上

事業規模を拡大すると、仕入れコストの削減や固定費の分散が可能になります。

M&Aで規模を拡大すれば、物流や管理の効率化も進みます。

これによりコスト競争力が強まり、市場での優位性を確立できるでしょう。

エネルギー業界でM&Aをするデメリット

エネルギー業界におけるM&Aは、事業拡大や課題解決につながる一方でリスクも存在します。

本章では、エネルギー業界でM&Aをするデメリットを3つ見ていきましょう。

統合プロセスの複雑さと文化的摩擦

エネルギー業界のM&Aでは、企業ごとの文化や業務のやり方が異なるため、統合後に衝突が起きやすいです。

現場のオペレーションや意思決定の違いが混乱を生み、スムーズな運営を妨げることがあります。

さらにシステムや組織体制の調整には時間と費用がかかり、想定以上の負担になる場合があるでしょう。

規制・市場変動によるリスク

エネルギー業界は政策や市場の変化に強く影響を受ける業界です。

規制の変更や燃料価格の急激な変動が起これば、M&A時に立てた計画がすぐに崩れる可能性があります。

そのような外部要因により事業環境が突然変わり得る点がリスクとして大きいです。

デューデリジェンス不足による負債引き継ぎの恐れ

M&Aの際に十分な調査を行わなければ、買収後に予想外の負債が明らかになるリスクがあります。

特に環境対策費や契約条件に隠れた問題を見落とすと、企業の財務に大きな影響を与えてしまうのです。

調査不足は経営の重荷となり、事業継続を脅かすリスクとなるでしょう。

エネルギー業界でM&Aを成功させるためのポイント

エネルギー業界のM&Aは、事業承継や成長戦略の有効な手段ですが、成功させるには入念な準備と実行力が欠かせません。

本章では、エネルギー業界でM&Aを成功させるためのポイントを5つ紹介していきます。

徹底したデューデリジェンスと統合計画の策定

M&Aを成功させるには、買収前のデューデリジェンスと統合計画を一体で進めることが重要です。

エネルギー資産は設備や環境、契約に特有のリスクが多く、事前に丁寧な調査が必要になります。

早い段階から統合の方針と手順を明確にし、シナジーを実現できる確度を高めることが求められるでしょう。

文化・人材の融合とモチベーション維持

M&Aが失敗する大きな要因は、企業文化の違いや従業員の離職による混乱です。

初期段階で共有するビジョンや役割を示し、キーパーソンの定着を重視しましょう。

人材の士気を保つ取り組みを統合計画に組み込むことで、成果の低下を防げます。

外部環境の変化に対応する柔軟性と迅速な意思決定

エネルギー業界は政策や需給の変化が激しく、当初の計画がすぐに変わることがあります。

統合を担うチームに裁量を持たせ、状況に応じて素早く計画を見直す体制が欠かせません。

柔軟で迅速な意思決定こそが、M&A後の価値を守るために大切です。

将来展望に基づく慎重な評価とシナジー描写

M&Aの評価は長期的な市場や政策の動きを見据えて行う必要があります。

将来の厳しい状況を想定しても成り立つかを検証し、統合後のシナジーを数値として具体的に描くことが大切です。

実現可能なロードマップを作成し、価値創出につなげる姿勢が求められます。

業界専門のパートナーや資源の活用

エネルギー分野は規制や技術が複雑であり、専門家の支援を得ることでリスクを減らせます。

例として、アドバイザリーや公的機関の情報を活用すれば、見落としを防ぎやすくなります。

外部の知見を統合チームに取り入れることで、質とスピードを両立させることができるでしょう。

まとめ|エネルギー業界M&Aで未来を切り拓く

エネルギー業界は、需要構造の変化や脱炭素化の加速、後継者不足といった複合的な課題に直面しています。

その中で、M&Aは事業承継や成長戦略、新規市場参入など多面的な課題解決の手段となり得ます。

CINC Capitalは成長戦略としてのM&Aを総合的に支援しています。

シナジーの創出やリスク軽減を重視し、事業拡大の目標を達成できるよう、豊富な事例をもとに最適な進め方をご提案します。

まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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