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コンビニ業界のM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

業種

  • 公開日2025.04.21
  • 更新日2025.04.21

コンビニ業界のM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

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コンビニ業界では、市場の成熟化と競争激化を受けて、M&Aが注目を集めています。市場規模は2024年、過去最高となる約12.8兆円に達しましたが、少子高齢化や都市部での店舗飽和により、成長に限界が見え始めています。

本記事では、そんな日本のコンビニ業界におけるM&A最新動向をはじめ、M&Aをするメリット・デメリット、成功のポイントを徹底解説します。

コンビニ業界の市場動向

国内のコンビニ業界は2024年、市場規模が約12.8兆円に達し、過去最高を記録しました。これは新型コロナウイルスの影響が和らぎ、人々の外出機会が増えたことによるものと考えられています。しかし、日本の少子高齢化や人口減少傾向により、長期的な成長には限界が見え始めており、市場は成熟期に入ったとされています。

加えて、都市部ではコンビニ店舗の飽和状態が進んでおり、業界の新たな成長には地方市場や海外市場への展開が不可欠となっています。特にアジアや北米市場への進出が活発化しており、「セブンイレブン」や「ファミリーマート」などの大手チェーンが積極的に店舗網の拡大を進めています。

【出典】経済産業省「商業動態統計調査 コンビニエンスストア商品別販売額等及び前年(度、同期、同月)比」

コンビニ業界が抱える課題

コンビニ業界では近年、市場競争の激化や人手不足などの課題に対応するため、M&Aを活用した事業拡大・経営効率化が進んでいます。ここでは、国内のコンビニ業界が抱える課題についてご紹介します。

24時間営業と人手不足問題

24時間営業は、コンビニ業界にとっての大きな負担となっています。近年は人件費の高騰が深刻化しており、とりわけ深夜帯のスタッフ確保が難しい状況です。これに対応するため、営業時間の短縮や無人店舗の導入が試みられていますが、いずれの取り組みも収益性とのバランスが課題となっています。

競争激化による収益性の低下

コンビニ業界では同一商圏内での競争が激化しており、収益性の低下が課題となっています。また、ドラッグストアやオンライン小売業者との競争も熾烈で、業界全体での収益構造の見直しが必要です。

環境問題と食品ロス対策

環境問題への対応として、プラスチック包装の削減や食品ロスの低減が進められています。例えば、賞味期限が近い商品の割引販売やフードバンクへの寄付、SDGs(持続可能な開発目標)への対応も経営課題として重視されています。

コンビニ業界のM&A最新動向(2025年)

コンビニ業界では、競争激化やコスト上昇、インバウンド需要の取り込みなど、複合的な要因によってM&Aが行われるケースがあります。各項目について詳しくご紹介します。

業界全体での競争優位性強化に向けたM&Aの実施

事業規模拡大や経営資源の効率化などを目的に、コンビニチェーン各社が戦略的なM&Aを実行する事例が見られます。例えば、2020年に大手コンビニチェーンの「株式会社ローソン」は「株式会社ポプラ」と共同事業契約を締結しました。「ポプラ」「生活彩家」「スリーエイト」などのブランド店舗の一部について、吸収分割により事業を承継しています。コンビニチェーン同士の連携を通じて、地域密着型の展開強化や商品流通の効率化を図り、変化の激しい市場環境に対応する戦略の一環といえるでしょう。

【出典】株式会社ローソン「『ローソン・ポプラ』および『ローソン』へのブランド転換に関する株式会社ポプラとの共同事業契約の締結について」

異業種からの参入とクロスボーダーM&A

コンビニ業界では、異業種からの新規参入や国境を越えたクロスボーダーM&Aも増加傾向にあります。これはコンビニのビジネスモデルが多様化し、ほかの小売業態との境界が曖昧になっていることが要因とされます。

特にクロスボーダーM&Aは、企業がグローバル市場での成長を追求し競争力を強化するための経営戦略とされています。成熟した国内市場からの脱却や海外市場進出を目指す日本企業にとって有効な選択肢です。

FC加盟店同士のM&Aにも注目

コンビニのFC加盟店は、経営者の高齢化や後継者不足、人手不足といった深刻な課題に直面しています。特に小規模FC加盟店では、大手チェーンとの競争激化や経営資源の制約から、単独での事業継続が難しくなりつつあります。その対策として、M&Aが検討されるケースも考えられるでしょう。

加えて大手コンビニチェーンは、地域密着型の小規模フランチャイズを買収することで、市場シェアを迅速に拡大し、地域でのブランド力を強化することができます。既存の店舗ネットワークを補完し、新規顧客の獲得に乗り出せるのが魅力です。

コンビニがM&Aをするメリット

ここでは、企業側がコンビニを売却することで得られるメリットをご紹介します。競争激化や後継者問題などが深刻化する中、M&Aにはどのような恩恵があるのでしょうか。

後継者問題の解決

中小企業における後継者不足は深刻な問題であり、それはコンビニも例外ではありません。経営者の高齢化が進む中小規模のコンビニエンスストアでは、後継者不足が事業継続を困難にしています。M&Aを通じて大手チェーンの傘下に入ることで、後継者不足による廃業を回避できるのは大きいでしょう。

経営資源の最適化とコスト削減

大手チェーンのリソース・ノウハウを活用し、店舗運営の効率化や仕入れコストの削減、ブランド力の強化などが期待できます。また、買い手企業側の仕入れルートを利用できれば、スケールメリットなどで仕入れ単価の改善を見込める場合があります。

従業員の雇用先の確保

M&Aでは、従業員の雇用維持を条件に交渉を進められます。事業承継・事業売却によって雇用を維持できれば、従業員全員の失業リスクを避けつつ、事業を存続させられます。地域に根ざしたコンビニの場合は、地元の雇用・地域経済に引き続き貢献できるでしょう。

コンビニがM&Aをするデメリット

コンビニ事業をM&Aで売却する際、企業側にはブランド喪失や経営制約などのデメリットが生じる可能性があります。これらを事前に把握し、適切な対応を取ることが大切です。

ブランド価値の低下

コンビニ事業を売却する場合、長年培ってきたブランドや独自性が失われるリスクがあります。地域に密着したブランドほど、買収後の経営方針変更により、地元顧客との信頼関係や店舗文化が損なわれる可能性が高まるでしょう。

従業員のモチベーション低下

M&A後の組織再編や経営方針の変更は、従業員に大きな影響を与えます。雇用条件の見直しや人員削減が検討される場合、従業員の不安感が増し、モチベーションの低下を招くかもしれません。また、企業文化の変化に適応するための時間が必要となり、業務効率の低下や優秀な人材の流出リスクが高まる可能性もあります。

コンビニがM&Aを成功させるためのポイント

M&A成功の鍵を握るのは、財務の透明性の整備、本部と関係維持、従業員への配慮の3つです。ここから、コンビニがM&Aを成功させるためのポイントをご紹介します。

財務状況の整備と透明化

財務状況が整備されていればM&Aの交渉がスムーズに進み、適正な企業価値評価での売却が期待できるでしょう。最初に財務諸表を作成し、会計処理の透明性を確保するのがポイントです。過去数年間の売上高、利益、キャッシュフローなどの実績を開示し、資産や負債の状況を明確に示しましょう。さらに潜在的なリスクや法的問題を事前に洗い出し、適切な対策を実施することで、買い手の信頼を得やすくなります。

本部との関係性の明示

本部との関係が良好であれば、買い手にとっても魅力的な案件となります。フランチャイズ契約の内容、ロイヤリティの支払い条件、契約解除の条件などを明確にすることで、買い手は将来的なリスクを評価しやすくなるでしょう。

従業員への配慮と情報共有

従業員は、M&Aによって雇用条件や労働環境が変わる可能性があります。そのため、M&Aの目的や雇用条件について、従業員に丁寧に説明して理解を得ましょう。従業員は店舗運営の要なので、モチベーションが低下すると事業価値も下がる傾向にあります。

コンビニ業界のM&A事例

最後に、コンビニ業界のM&A事例をご紹介します。自社のM&A検討時の参考にしてみましょう。

株式会社ローソンによる株式会社ポプラのM&A

株式会社ローソンは、株式会社ポプラが運営するコンビニ事業の一部を会社分割の方法で承継する吸収分割契約を締結しました。対象は「ポプラ」「生活彩家」「スリーエイト」ブランドで営業する140店舗で、順次「ローソン・ポプラ」または「ローソン」ブランドに転換されます。

ローソンはポプラに対して731百万円を支払い、固定資産や賃貸借契約の権利義務などを承継します。本件は資本業務提携の一環として進められ、コンビニ業界における店舗網拡大と経営資源の有効活用を目指す動きといえます。

【出典】株式会社ローソン「株式会社ポプラとの会社分割(簡易吸収分割)に関する吸収分割契約締結のお知らせ」

株式会社セブン&アイ・ホールディングスによるSpeedwayのM&A

株式会社セブン&アイ・ホールディングス傘下の7-Eleven, Inc.は、米国の大手コンビニチェーンSpeedwayの全店舗(約3,900店)を約210億ドルで取得する契約を締結しました。これにより、7-Elevenは米国の人口密集地域トップ50のうち47市場でのプレゼンスを確保し、売上・営業利益ともに大幅な拡大が見込まれています。

Speedwayの買収は北米市場におけるスケールメリットを活かし、店舗運営力やサプライチェーンの強化、商品力向上など多方面でシナジー効果が期待されています。持続可能な社会への貢献も意識し、ESG目標の強化も進めています。

【出典】株式会社セブン&アイ・ホールディングス「7-Eleven, Inc.によるSpeedway取得」

株式会社ファミリーマートによる株式会社エーエム・ピーエム・関西のM&A

株式会社ファミリーマートは、株式会社エーエム・ピーエム・関西(am/pm関西)との間で吸収合併契約を締結しました。ファミリーマートを存続会社とし、am/pm関西は解散する形で、2021年4月1日に合併が実施される予定です。

am/pm関西の株主には総額20億円の現金が交付されます。本合併により、関西圏における店舗網の強化、仕入れや物流、システム基盤の統合による経営効率化が図られます。ファミリーマートブランドへの転換を推進し、地域密着型のネットワーク拡大と競争力強化を目指す戦略的な動きとなっています。

【出典】株式会社ファミリーマート「株式会社エーエム・ピーエム・関西との簡易合併契約締結に関するお知らせ」

まとめ|コンビニ業界のM&A動向を押さえてM&Aを成功させましょう

コンビニ関連のM&A案件は、今後も一定の動きが続く可能性があります。事業承継・事業売却を検討しているコンビニオーナーは、一度M&A仲介会社などの専門家に相談してみましょう。豊富な経験と専門知識を持つアドバイザーが、適切な売却戦略を提案します。

CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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