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パン屋・ベーカリーのM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

業種

  • 公開日2025.03.26
  • 更新日2025.04.02

パン屋・ベーカリーのM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

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パンの製造や販売などを行うパン屋・ベーカリー業界には、多彩な店舗や企業があります。

ただ、昨今の原材料価格高騰や後継者不足など、さまざまな問題に悩まされる会社も少なくありません。これらの課題解決のために、M&Aを実行するパターンも見られます。

この記事では、パン屋・ベーカリー業界のM&A動向や、売り手側のメリット・デメリット、M&A成功のポイントなどを解説します。

パン屋・ベーカリーの市場動向

業態別に見ると BtoB(食品メーカー・業務用製パン業者)とBtoC(個人経営のパン屋・ベーカリー)では、市場環境が異なる ことがわかります。BtoB市場は比較的安定しているものの、 BtoCのベーカリー業界では個人経営店の廃業率が高まっていることが課題となっています。

【出典】帝国データバンク「パン製造小売業者756社の経営実態調査」

パン屋・ベーカリー業界が抱える課題

現在、パン屋・ベーカリー業界には、さまざまな課題が見られます。具体的な課題を見ていきましょう。

原材料高騰によるコスト高

原材料の価格高騰に関する問題は、幅広い業界で悩みの種となっています。パン屋・ベーカリー業界も同様です。例えば、パンに必要な小麦の多くは国外からの輸入に頼っています。世界情勢や天候、物流の状況など、さまざまな条件によって輸入小麦の価格が上がり、ベーカリー側のコスト負担が増加してしまうケースがあります。

【出典】農林水産省「輸入小麦の政府売渡価格の改定について」

国内市場の縮小

パン屋・ベーカリー業界は基本的に国内需要への依存度が高い傾向にあります。人口の減少やコスト高騰などによって国内市場の縮小が進むと、業績に影響が生じてしまうでしょう。

【出典】帝国データバンク「パン製造小売業者756社の経営実態調査」

競合との差別化

限られた市場の中で競争力を高めるには、競合との差別化が不可欠です。マーケティング戦略に力を入れ、自社の顧客に魅力的に感じてもらえるような商品を開発することが重要といえます。

事業承継の問題

パン屋・ベーカリーの経営者の中には、後継者不足に悩む方も少なくありません。店舗を引き継ぐ人材を確保できなければ、廃業を余儀なくされてしまうでしょう。

パン屋・ベーカリーのM&A最新動向(2025年)

パン屋・ベーカリー業界ではM&Aが活発に行われている傾向にあります。パン工場の場合は法人から法人へ承継するパターンが多く見られます。対して、個人同士での承継になりやすいのが、製造と販売を兼ねたパン屋・ベーカリーです。

例えば、高齢により引退を考えているオーナーがM&Aで後継者を見つけて、事業の引継ぎに成功することがあります。

【売り手】パン屋・ベーカリーがM&Aをするメリット

M&Aにはさまざまな効果が期待できます。実際、売り手にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

後継者問題の解決

後継者不足の問題はM&Aによって解決できます。従業員がいる場合も、契約次第では雇用を引き継ぐことが可能です。

経営リスクの回避

パン・ベーカリー業界では、コスト高や市場規模の縮小など、さまざまな理由によって事業継続が危ぶまれるケースがあります。M&Aによって事業拡大や安定化などを実現できると、経営リスクの軽減につながるでしょう。

ブランドの継続

パン屋・ベーカリーの中には、長くにわたって築き上げてきたブランド価値を持つ店もあります。M&Aで経営課題の解消や市場シェア拡大などにつなげられると、ブランド価値の維持にも役立つでしょう。

【売り手】パン屋・ベーカリーがM&Aをするデメリット

M&Aはメリットだけではなく、気をつけておくべきポイントも存在します。売り手側が知っておきたい注意点を確認しましょう。

競業避止義務を負う

会社法21条1項では、事業譲渡後の競業避止義務が定められています。競業避止義務を負う場合、同一市町村および隣接する市町村にて同じ事業を行うことはできません。法定の競業避止義務期間は2年であり、定款・株主総会決議により最長20年まで延長可能です。

(譲渡会社の競業の禁止)

第二十一条 事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。

2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。

3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。

【引用】「会社法」(e-Gov 法令検索)

希望する買収相手が現れるとは限らない

自社にふさわしい買い手を探そうと思っても、必ず理想の相手が見つかるとは限りません。自力で取引相手を探そうとする場合は特に難しいでしょう。M&A仲介会社へ依頼し、自社に合う会社を探してもらうことがおすすめです。

【買い手】パン屋・ベーカリーがM&Aをするメリットデメリット

続いて、買い手側のメリット・デメリットをご紹介します。

パン屋・ベーカリーをM&Aするメリット

店舗の立ち上げにかかる時間の節約

パン屋・ベーカリーをゼロから立ち上げる場合、物件の選定、店舗の設計・工事、設備の導入、許認可の取得、ブランドの認知獲得など、多くの時間とコストがかかります。M&Aを活用することで、既存の店舗や設備をそのまま活用でき、短期間で事業をスタートすることが可能です。

固定客の承継

パン屋は地域密着型のビジネスであり、長年にわたって築かれた固定客の存在が事業の安定性に大きく寄与します。M&Aを通じて店舗を取得すれば、既存の顧客基盤を引き継ぐことができ、開業当初から一定の売上を見込める点が大きなメリットです。

材料の仕入先の承継

パン屋の経営には、安定した原材料の供給が欠かせません。M&Aにより、既存の仕入れルートをそのまま引き継ぐことができるため、新規の取引先を開拓する手間やコストを省くことができます。また、長年の取引実績があることで、仕入れ価格の交渉がしやすくなる可能性もあります。

従業員やパン製造の技法の承継

パン作りには職人の技術が必要不可欠です。M&Aを通じて従業員を引き継げば、パン製造の技法やレシピ、店舗運営のノウハウをそのまま活用でき、スムーズな事業継続が可能になります。特に、熟練の職人や販売スタッフを維持できれば、品質やサービスの継続性が確保され、顧客満足度の低下を防ぐことができます。

パン屋・ベーカリーをM&Aするデメリット

簿外負債を引き継ぐ可能性がある

M&Aでは、表面上の財務情報だけでなく、簿外負債(未払いの仕入れ代金、退職金の未払い、訴訟リスクなど)を引き継ぐ可能性があります。特に、小規模事業者の中には、経理管理が曖昧なケースもあるため、デューデリジェンス(企業調査)を慎重に行い、リスクを把握することが重要です。

割高な金額で買収すると投資回収できない可能性がある

M&Aによる事業買収は、適正な価格で行われることが重要です。人気エリアのパン屋や、知名度の高いブランドの店舗は、競争が激しく買収価格が高騰する可能性があります。過大な投資を行うと、利益率の低下や投資回収期間の長期化を招き、経営リスクが高まるため、事業価値を適切に評価し、慎重に交渉を進める必要があります。

パン屋・ベーカリーのM&A相場について

M&Aを検討する上でもっとも気になる部分といえるのが売却時の価格です。以下では、パン屋・ベーカリーのM&A相場に関する情報をご紹介します。

取引(買収・売却)価格は交渉で決定する

企業価値は一概に決められない

売却する企業の価格は、多岐にわたる要件に応じて変化します。相場価格について、一概にいくらと決めることはできません。

最終的な価格は両者の交渉によって決まります。価格交渉の際には、「企業価値評価」で割り出した譲渡価格の目安を活用します。

M&Aにおける企業価値の算出方法

インカムアプローチ・コストアプローチ・マーケットアプローチを元に決める

企業価値の計算方法にはいくつかの種類があります。主なものがインカムアプローチ・コストアプローチ・マーケットアプローチです。いずれの計算方法も複雑であり、専門知識を要求されます。M&Aのプロに依頼し、適切な数値を割り出してもらいましょう。

>企業価値算定はこちら

パン屋・ベーカリーがM&Aを成功させるためのポイント

M&Aを成功させるためには、以下の点を考慮しておくことがおすすめです。ここでは、M&Aの成功に至るために知っておきたいポイントを解説します。

収益性と事業基盤を明確にする

パン屋・ベーカリーの売上データに加え、粗利率や人件費率などの収益構造を整理することが重要です。また、製造レシピの管理体制や従業員の技術継承の仕組みなど、事業の根幹となる情報を明確にしましょう。

物件と設備の状況を把握する

賃貸借契約の条件や残存期間、製造設備の状態や更新時期などは、事業価値を左右する重要な要素です。立地の良さだけでなく、これらの要素も含めて適切に状況を把握しましょう。

法令遵守と品質管理体制を整える

食品衛生法の遵守状況や保健所の監査対応履歴、衛生管理マニュアルなどは、買い手の重要な判断材料となります。日々の品質管理体制を整備し、記録を残しておきましょう。

M&Aの専門家に早期に相談する

M&Aにおける企業価値の算定や買い手との交渉には、専門的な知識が必要です。パン屋・ベーカリーの場合は、在庫や設備の評価、のれん代の考え方など、幅広いアドバイスを受けながら進めることで、適切な条件での成約が可能となります。専門家のサポートを受けて、希望の条件での成約を目指しましょう。

パン屋・ベーカリーのM&A事例

最後に、パン屋・ベーカリーのM&A事例をいくつかご紹介します。自社のM&A検討時に参考にしてみましょう。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスによるサンジェルマンのM&A

クリエイト・レストランツ・ホールディングス(CRH)は、2022年12月1日付で、関東を中心にベーカリー事業を展開する株式会社サンジェルマンを日本たばこ産業(JT)から買収し、完全子会社化しました。これにより、サンジェルマンの100%子会社である北海道サンジェルマンもCRHグループに加わりました。

サンジェルマンは、「サンジェルマン」「プルミエサンジェルマン」などのブランドで関東に78店舗を展開し、伝統的な製法や高品質な商品で支持を得ています。一方、北海道サンジェルマンは「レフボン」などのブランドで北海道に68店舗を展開しており、地域に根ざしたベーカリーとしての地位を確立しています。

CRHは、「アフターコロナを見据えたポートフォリオの見直し」を掲げ、日常消費型の事業強化を進めていました。今回の買収はこの戦略に沿ったものであり、CRHの店舗運営ノウハウを活かして新規出店や店舗改装、イートインの強化を推進する方針だ。また、グループ内の既存ベーカリー事業とのシナジー創出を図ることで、収益向上と事業拡大が期待されます。

【出典】株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス「株式会社サンジェルマンの株式取得に関するお知らせ」

株式会社シャトレーゼによる株式会社菜花堂のM&A

株式会社シャトレーゼは、2022年2月1日付で、昭和産業の100%子会社である株式会社菜花堂(岩手県一関市)を完全子会社化しました。これにより、東北地方における生産拠点を確保し、和洋菓子の製造・販売体制を強化する狙いです。

シャトレーゼは、国内640店舗・海外9カ国で展開する大手菓子メーカーであり、「ファームファクトリー」モデルを活用した一貫生産が強みです。一方、菜花堂は1999年創業の菓子メーカーで、冷凍和洋菓子やパンを製造し、地域密着型の経営を行ってきました。両社の理念の親和性が高いことから、今回のM&Aにより全国展開を加速させるとともに、東北市場での競争力向上が期待されます。

本件により、シャトレーゼは生産能力の拡大と地域ごとの供給体制の強化を図り、さらなる事業成長を目指していく方針です。

【出典】株式会社シャトレーゼ「株式会社菜花堂の株式取得に関するお知らせ」

株式会社起源ホールディングスによる株式会社SHI-MIZUのM&A

株式会社SHI-MIZU(大阪市)は、全国28店舗を展開するお芋スイーツ専門店「高級芋菓子しみず」事業を、2022年6月1日付で株式会社起源ホールディングス(兵庫県伊丹市)に譲渡しました。本事業譲渡は、「高級芋菓子しみず」のさらなる成長と海外展開を見据えた戦略の一環です。

譲受企業の起源ホールディングスは、高級食パンブームの火付け役として知られる「乃が美」の創業者・阪上雄司氏が新たに設立した会社で、「人にも、農家にも、環境にも優しい」をテーマに事業を推進します。今後、阪上氏の経営ノウハウとブランド戦略を活かし、「高級芋菓子しみず」の全国展開・世界進出を目指します。

本件は、日本の伝統食材であるさつまいもを活かしたスイーツ市場の拡大を後押しするとともに、食品業界における事業承継型M&Aの好例です。

【出典】PR TIMES「【高級芋菓子しみず】高級食パンブーム火付け人「阪上雄司」氏率いる 新会社「株式会社起源ホールディングス」へ事業譲渡のお知らせ」

山崎製パン株式会社による株式会社神戸屋のM&A

山崎製パン株式会社は、2023年2月28日付で株式会社神戸屋の包装パン事業および関連子会社のデリカ食品事業を譲り受けることで合意しました。本件は、神戸屋が事業ポートフォリオを見直し、冷凍パン事業やフレッシュベーカリー事業に専念するための戦略的判断によるものです。

神戸屋は関西を拠点とする国内第4位の製パンメーカーであり、長年にわたり包装パン事業を展開してきました。一方、山崎製パンは国内最大手として全国規模の製造・販売網を持ち、今回の買収により生産拠点や営業基盤を強化する狙いがあります。事業譲受後も、神戸屋ブランドの包装パンは当面の間継続販売される予定です。

本件は、業界再編の一環として、競争力のある企業への事業集約が進む動きを象徴しています。山崎製パンは、同社の経営手法を活かし、品質向上や新商品開発を推進することで、対象事業の早期安定化と成長を目指します。

【出典】山崎製パン株式会社「株式会社神戸屋の包装パン事業等の譲受けに関するお知らせ」

昭和産業株式会社によるガーデンベーカリー株式会社のM&A

昭和産業株式会社は、2018年4月2日付で、カルビー株式会社が保有するガーデンベーカリー株式会社の株式66.6%を取得し、子会社化しました。本件は、昭和産業の長期ビジョン「SHOWA Next Stage for 2025」および中期経営計画の一環として、基盤事業の強化と事業領域の拡大を目的に実施されました。

昭和産業は、既にグランソールベーカリーやスウィングベーカリーを通じて、セブン-イレブン向けに小麦粉・ミックス供給から焼成までの一貫体制を確立しています。今回のガーデンベーカリー買収により、同社の子会社タワーベーカリーとの相互連携を強化し、競争力のある商品の開発と生産性向上を図る狙いです。

本件は、製パン業界におけるサプライチェーンの強化を目的としたM&Aの好例であり、昭和産業の一貫供給体制のさらなる強化につながると期待されます。

【出典】昭和産業株式会社「ガーデンベーカリー株式会社の株式取得に関するお知らせ」

まとめ|パン屋・ベーカリーの動向を押さえてM&Aを成功させましょう

パン屋・ベーカリー業界の中には、原材料コスト高騰や市場規模縮小、後継者不足など、さまざまな課題を抱えている企業も見られます。各種課題の解決につながる手段の一つがM&Aです。

しかし、専門知識がなければM&Aを成功に導くことは困難といえるでしょう。理想の買い手を探し、適正な価格で売却するためには、M&A仲介会社の力を借りることがおすすめです。

CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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