CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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M&A / スキーム
- 公開日2025.03.26
- 更新日2025.04.02
有限会社は株を譲渡できる?手続きの流れやメリット、注意点
株式譲渡は、事業承継やM&Aにおける一般的な手法です。
有限会社は2006年に施行された会社法で廃止されて新たに設立できなくなっているものの、株式の譲渡は可能となっています。後継者問題の解決や取引先との関係維持に、株式譲渡が活用されています。
本記事では、有限会社の株式譲渡に関する基本知識やメリット・デメリット、注意点をわかりやすくご紹介します。譲渡成功を目指すために必要なポイントを押さえて、適切に手続きを進めていきましょう。
目次
有限会社の株式譲渡についての基礎知識
有限会社でも株式譲渡は可能です。ここでは、有限会社の株式譲渡に関して知っておくべき基礎知識を解説します。
そもそも株式譲渡とは?
株式譲渡とは、売り手側の企業が保有する株式を他者に譲り渡すことで、経営権を引き継ぐ手法です。売り手と買い手の間で株式譲渡契約を締結し、合意された対価と引き換えに株式の所有権を移転します。中小企業のM&Aにおける一般的な手法であり、主に事業承継で活用されています。
有限会社も株式譲渡することができる
有限会社は2006年に施行された会社法で廃止されているため、2024年現在は新たに設立することはできません。現状では「特例有限会社」という扱いになっており、株式会社の一つとされています。
有限会社で株式譲渡を行うには、株主総会での承認が必要です。また基本的に、株式譲渡の手順は一般的な株式会社と同様です。その際、たとえ定款に株式譲渡の規程がなかったとしても、株主総会での承認が必須となる点に留意しておきましょう。
有限会社は株式会社の一形態という扱い
法律上は「特例有限会社」となっている
前述した通り、2024年現在は有限会社が廃止されており、有限会社に関する法律「有限会社法」も廃止されています。新たに有限会社を設立できなくなるとともに、既存の有限会社は「特例有限会社」として存続することとなりました。なお、特例有限会社であっても「有限会社」を名乗れるため、会社名は「有限会社」のまま使うことが可能です。
特例有限会社は、株式発行が可能であり、株主総会が最高意思決定機関となります。原則として定款に従って株式譲渡が行われるものの、株式の譲渡制限があるのがポイントです。定款がなくても「株式を譲り受けるときには会社の承認が必要である」「株主間の株式譲渡は会社が承認したものとみなす」という規程が存在すると見なされます。
株式譲渡の手続きの流れ
ここでは、有限会社における株式譲渡手続きの流れをご説明します。譲渡承認請求から決済まで、一連の流れを見ていきましょう。
譲渡承認の請求を行う
株式を第三者へ譲渡する場合、最初に会社への譲渡承認請求が必要です。具体的には、譲渡対象となる株式数や譲渡先企業の詳細情報などを明確に記載した「譲渡承認請求書」を提出します。なお、請求手続きについては、譲渡を希望する株主による単独請求のほか、譲受予定者との共同請求も認められています。
株主総会による承認を得る
取締役会を設置する会社は、原則として取締役会で承認を得る必要がありますが、定款で定めることにより、株主総会での承認も可能です。一方、取締役会を設置しない会社は、株主総会で承認を得る必要があります。なお、既存株主間での株式譲渡については、株主総会での承認手続きは不要です。
決定内容の通知を行う
取締役会または株主総会での決定内容を、譲渡承認請求者へ通知します。決定内容の通知は、譲渡承認請求の日から2週間以内に行います。2週間以内に通知を行わない場合、自動で承認と見なされるため注意しましょう。
株式譲渡契約の締結手続きを行う
承認取得後は、譲渡人と譲受人の間で株式譲渡契約を締結します。契約書には、譲渡株式数、譲渡金額、決済方法などの重要な契約条件などを記載します。
株主名簿を書き換えて証明書を交付する
次に株主名簿を書き換える手続きへと移ります。その際、株券発行会社の場合は、手続きにおいて株券の提示が必須となります。書き換えの手続きが完了したら、株主名簿の交付を行います。
決済の手続きを行う
合意した譲渡価額の支払いと株式の受け渡しを行います。決済は契約締結時に一括で行うケースのほか、契約締結後に一定の期間を置いて行うケースがあります。
株式譲渡のメリットと注意点
有限会社は、株式譲渡を活用することで労働力不足や後継者問題を解消できるメリットがあります。ここでは、株式譲渡のメリットと知っておきたい注意点をご説明します。
株式譲渡のメリット
後継者問題が解決できる
有限会社の経営者が高齢化し、後継者が見つからない状況に直面している場合、株式譲渡が有効です。譲受企業が新たな経営者として事業を引き継ぐことで、会社の持続的な成長が期待できます。うまく活用すれば、後継者問題を解決へ導けるでしょう。
取引先との関係も継続できる
株式譲渡では法人格が維持されるため、譲渡後も既存の取引関係を維持できます。長年築き上げてきた仕入先や販売先との契約がそのまま引き継がれるため、事業の安定性を損なうことなく承継を進められるのがメリットです。
従業員の雇用も継続できる
取引関係だけでなく、従業員との雇用契約も継続されます。これにより、会社が培ってきた技術・ノウハウや優秀な人材を維持でき、事業の継続性を確保できるでしょう。
譲受企業の人材リソースを活用することで、人材不足などの経営課題を解決した事例が少なくありません。例えば、製造業などで熟練技術者を確保する目的で株式譲渡を行うケースもあります。自社で働く従業員の立場でも、安心して働き続けられる環境が保たれるのは大きなメリットだといえます。
人手不足も解消できる
譲受企業の持つ経営資源を活用することで、従来の人材不足の課題を克服できる可能性があります。特に規模の大きな企業による買収の場合、人的資源が豊富になることで、より強固な経営基盤の構築が期待できます。
株式譲渡の注意点
会社による事前承認が必要になる
有限会社の株式には譲渡制限が設けられています。原則として株主総会の承認が必須となる点に注意が必要です。規程を変更するには、株式会社への組織変更などの手続きが求められます。
株式の譲渡先が見つけにくいことがある
有限会社は一般的な株式会社とは異なり、上場ができません。株式を譲渡する際は、純資産や将来性などに基づいて価格を算出することになります。また、前述した通り譲渡制限があり、株主総会の承認が必須です。さまざまな制約から、譲渡先の選択肢が限られる可能性があるでしょう。
売却後に従来の経営方針と変わることがある
株式譲渡後は経営権が譲受企業に移転するため、経営方針が大きく変更される可能性があります。従業員の待遇や事業戦略が見直されることもあり、取引先との関係が変化する可能性も考えられます。譲渡前に譲受企業の経営方針を十分に確認することが重要です。
まとめ|有限会社を事業承継するために株式譲渡を活用しよう
有限会社の株式譲渡は、後継者問題の解決や事業の安定的な継続を実現するために有効だとされています。適切に手続きを進めることで、従業員や取引先との関係を維持しつつ、自社の経営資源を新たな経営者に引き継げます。譲受企業の経営方針を確認しながら、慎重に株式譲渡を進め、事業の持続的な成長を目指しましょう。
CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、有限会社の譲渡のご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。