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家族間で株式譲渡するには?【相続】【贈与】【売買】それぞれの方法

M&A / スキーム

  • 公開日2025.01.29
  • 更新日2025.01.31

家族間で株式譲渡するには?【相続】【贈与】【売買】それぞれの方法

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株式会社を家族が継ぐ場合、経営者の持つ株式を家族間の後継者へ譲渡する必要があります。家族間の株式譲渡には相続・贈与・売買の3つの方法がありますが、メリット・デメリットは異なります。具体的な方法や必要な税金なども確かめておきましょう。

本記事では、家族間における株式譲渡の方法をご紹介します。それぞれの特徴や注意点、基本的な流れなどもお伝えするため、ぜひ参考にご覧ください。

家族間で株式譲渡する方法【相続】

経営者が亡くなった後、家族間の後継者に株式譲渡する場合は「相続」を行います。ここでは、相続による株式譲渡の概要やメリット・デメリットなどを解説します。

家族間の株式の相続とは

経営者の相続発生により、相続人である親族が株式を受け継ぐこと

経営者である人物が亡くなると、相続によって株式譲渡が行われます。一般的に、相続が発生するのは被相続人の死亡日です。株式の相続税評価額を算定した上で相続人を定め、名義変更手続きを行います。

相続でかかる税金

相続税

相続税は、亡くなった人から資産を受け継いだ際に生じる税金です。累進課税制度が採用されており、金額に応じて税率が高くなります。ただし、相続税には基礎控除額が設けられています。計算式は以下の通りです。

3,000万円+法定相続人数×600万円=相続税基礎控除額

例えば、相続人が1人の場合、3,600万円の基礎控除が受けられます。

相続のメリット

相続のメリットの一つが、相続側の費用負担が少ない点です。贈与の場合は贈与税が、売買の場合は税金に加えて対価が求められますが、相続の場合は相続税の負担のみで済みます。株式を含めて受け継いだ財産の金額が基礎控除範囲内に収まる場合、相続税を納める必要はありません。

相続のデメリット

相続はいつ発生するか予測できません。遺言状の作成がなく相続人が確定していなかった場合、家族間でトラブルの原因になる可能性があります。相続後の経営にも支障が出てしまうでしょう。

家族間で株式を相続するときの流れ

株式を相続する人を決める

被相続人が遺言書を残しており、相続人が定まっていればそのまま相続することになります。ただし、遺言がない場合は法定相続人で遺産分割協議を行わなければいけません。法定相続人間での合意ができたら遺産分割協議書を作成します。

株式の名義変更をする

被相続人から相続人へ株式の名義変更を行います。名義変更の申請先は証券会社や、株式の発行会社などです。遺言書が残されている場合と遺産分割協議が行われた場合とでは必要書類が異なるため注意しましょう。

家族間で株式譲渡する方法【贈与】

突然の相続を避けるため、生前贈与で株式譲渡する方法を選ぶケースも見られます。以下では、生前贈与で株式譲渡するメリットや注意点などを解説します。

家族間の株式の贈与とは

親族に無償で株式を贈ること

経営者が存命のうちに家族間に後継者を定め、株式贈与契約を結ぶことで生前贈与を行えます。売買のように対価は生じず、無償で贈られることが特徴です。

贈与でかかる税金

株式を贈与した場合、金額に応じて贈与税がかかることがあります。累進課税で税率が決まり、金額が高いほど税額も高くなります。税金を支払うのは贈与を受けた後継者側です。

一般的に、贈与税は「暦年課税」もしくは「相続時精算課税制度」のどちらかの方式が採用されます。

暦年課税の場合、1月1日から12月31日の間で贈られたものに税金がかかります。年間での基礎控除額は110万円です。「相続時精算課税制度」では、贈与者が亡くなるまでに贈与した資産の累計金額に対して課税されます。控除額は2,500万円です。

【出典】国税庁「贈与税がかかる場合

贈与のメリット

計画的に生前贈与を行っておけば、事業承継の準備を少しずつ進められます。後継について、現在の経営者の意思を反映させやすいのもメリットです。譲渡される後継者は金額によって税金を支払う可能性もありますが、売買のように対価を用意する必要もなく株式を受け取れます。

贈与のデメリット

贈与される株式の額が大きい場合、贈与税の負担が大きくなります。暦年課税制度を利用して少しずつ贈与していた場合は、株式を完全に譲渡するまでに長くかかる可能性があります。計画的に進行することが大切です。

家族間で株式を贈与するときの流れ

贈与契約書を作成する

家族間のトラブルを防ぐためにも、贈与契約書を作った上で贈与を始めることがおすすめです。書面の形式に決まりはありません。贈与者や受贈者を明記するほか、贈与対象や方法なども明確に記載しておきましょう。

株式の名義変更し契約をする

贈与契約書の作成が完了したら株式の名義変更を行います。証券会社や株式を発行する会社で手続きしましょう。

家族間で株式譲渡する方法【売買】

家族や親族間でも、株式を売買することは可能です。ここでは、家族間における株式譲渡で、売買を選ぶ際のメリットや流れなどを解説します。

家族間の株式の売買とは

譲受側の家族が対価を支払い、株式を取得すること

家族間で株式を売買する場合、後継者側が相応の金額を支払って、株式を買い取ります。経営者が存命のうちに取引する点は贈与と同じですが、金銭の授受が発生する点が異なります。

売買でかかる税金

売買による株式譲渡では、株式を売って対価を受け取る経営者側に譲渡所得税が生じます。課税方式は「申告分離課税」です。計算式は以下の通りとなります。

譲渡益(譲渡価額−必要経費)×税率20%(所得税15%、住民税5%)=譲渡所得等の税額

必要経費には取得費や委託手数料などの費用が含まれます。また、2037年(令和19年)までは復興特別所得税の0.315%も加算されるため注意しましょう。

売買のメリット

売買では対価が必要になる分、資金力のある人物を後継者に選びやすい点がメリットとなります。加えて、経営者にとっては引退後に必要な生活資金を確保することにつながります。ただし、金額に応じた譲渡所得税を支払う点には留意しましょう。

売買のデメリット

後継者側は株式を得るための資金が必要になります。まとまった金額を準備しなくてはいけないため、負担に感じるケースもあるかもしれません。

また、株式を正当な値段で取引せず、不当に安価な金額で売却したとみなされた場合、差額分は贈与税の対象となる可能性があります。家族間の取引のため、つい安価な価格設定をしてしまうこともあるかもしれませんが、適正価格で売却することを意識しましょう。

家族間で株式を売買するときの流れ

株式譲渡契約をする

非上場会社の場合、株式の譲渡制限が設けられているパターンが多く見られます。制限がある際は、発行会社の承認を得るために手続きしましょう。

準備ができ次第、経営者と後継者の間で株式譲渡契約を結びます。売買する株式数や金額などを記載した契約書を作成しましょう。

株主の名義変更を行う

株式譲渡契約を締結できたら、株主名簿の名義を変更します。「株主名簿記載事項証明書」を発行しておきましょう。

まとめ|会社状況を理解し、株式譲渡を成功させよう

家族間における株式譲渡の方法を3種類解説しました。相続・贈与・売買のいずれにもメリット・デメリットがあるため、自社に合う方法はどれかをしっかりと検討することをおすすめします。会社の状況を考慮し、最適な方法を模索しましょう。

また、株式譲渡における税金をなるべく抑えるために「事業承継税制」を活用するのもおすすめの方法です。

利用条件を満たしていれば、贈与税や相続税の免除もしくは納付猶予を受けられます。「自社の状況に適した株式譲渡の方法がわからない」という場合は、専門家への相談を検討しましょう。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長。リクルート関連会社や外資系製薬会社、大手・ベンチャー独立系M&A仲介会社で営業組織を牽引。 特にM&A実績の多い業界は調剤・IT・運送業。

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