CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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M&A / スキーム
- 公開日2025.04.10
- 更新日2025.04.14
事業譲渡の仲介会社の選び方は?仲介会社の役割や選び方
事業の売却や継承について考え始めていませんか。「子どもには継がせたくないが、従業員の雇用は守りたい」「後継者が見つからず廃業を考えている」といった不安を抱える経営者は少なくありません。
こうした課題に対して、M&A仲介会社や金融機関への相談が解決策となります。専門家のサポートにより、適切な譲渡先の選定から手続きまでスムーズに進めることが可能です。
この記事では、仲介会社の役割や選び方、費用、成功事例を解説します。
目次
M&A仲介とは
M&A仲介とは、企業のM&A(合併・買収)において、売り手企業と買い手企業の間に立ち、交渉や契約手続きを支援する役割を果たすサービスのことです。
M&Aは複雑なプロセスを伴うため、経験や知識がない企業が単独で進めるのは困難です。そこで、M&A仲介会社が介入し、適切な相手のマッチングや交渉、契約手続きの支援を行い、スムーズな成約へと導きます。
事業譲渡はM&Aの手法の一つであり、M&A仲介会社の支援対象範囲です。
事業譲渡の基本と手続きの流れ
事業譲渡の手続きは一般的に基本契約の締結から始まり、最終的な事業の引き継ぎまで、約3〜6ヶ月の期間を要します。
基本的な手続きの流れは以下のようになります。
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンス(資産査定)の実施
- 最終契約書の締結
- 従業員への説明
- 取引先への通知
- 事業の引き継ぎ
事業譲渡は慎重な準備と段階的な合意形成が必要であるため、手続きが長期化する場合もあります。特に従業員の処遇や取引先との関係維持など、様々な利害関係者への配慮が欠かせません。
M&A仲介会社が果たす主な役割
M&A仲介会社は、事業譲渡を成功に導くために多岐にわたる重要な役割を担っています。特に中小企業の場合、社内にM&Aの専門知識を持つ人材が不足しているため、仲介会社のサポートは必要不可欠といえます。以下をもとに、M&A仲介会社の役割を理解し、頼れるアドバイザーを見つけ、適切なサポートを受けるようにしましょう。
適切な譲渡先企業の発掘とマッチング
豊富なネットワークと情報収集力を活かして、譲渡企業の希望条件に合う買い手を見つけ出していきます。大手のM&A仲介企業やM&A経験が豊富なアドバイザーは、長年にわたり培ってきた属人的な繋がりをベースにマッチング企業を探すケースが多いです。
一方で、近年はAI技術を用いた「AIマッチング」により、マッチングの精度向上を図る企業も増えてきています。CINC Capitalでは、自社開発ツール「CAMM DB」を用いて、未上場企業を含む数万件のM&A実績データベースをもとに候補企業を網羅的にご提案しています。自社に最適な譲渡先企業の候補を知りたい方は、ぜひお問合せください。
企業価値の算定
財務データの分析から業界動向の調査まで、専門的な知見を活かして適正な譲渡価格を導き出します。
企業価値算定は、大きく分けてコストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチの3つの手法があり、どの手法を選択すべきかは業界や企業規模によって異なります。
事業譲渡を進めるうえで、自社の適切な価値を知ることが第一歩です。気になる方は、ぜひ一度企業価値算定シミュレーションを行ってみてください。
また、純資産や収益力といった財務的価値に加えて、事業の将来性や譲受企業とのシナジー効果の有無も、譲受企業にとって大切な判断要素の1つです。
交渉過程全般のコーディネート
基本合意からデューデリジェンス、最終契約まで、各段階で専門家との連携を取りながら手続きを進めていきます。経験豊富なアドバイザーが、想定されるリスクを事前に指摘し、適切な対策を提案します。
事業譲渡の成功には、従業員や取引先など関係者への丁寧な説明も欠かせません。仲介会社は説明の進め方や タイミングについても、豊富な経験に基づいたアドバイスを提供します。
M&A仲介会社の選び方
事業譲渡を成功させるためには、信頼できるM&A仲介会社選びが重要なポイントになっています。ここではM&A仲介会社を選ぶ際に失敗しないためのポイントを4つご紹介します。
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複数の仲介会社を比較する
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過去のクライアントの口コミを参考にする
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専門分野に強い会社を選ぶ
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M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関を選ぶ
上記のコツを守って選定すれば、最適なM&A仲介会社を選びやすくなります。では、失敗しないためのポイントを解説します。
複数の候補を比較する
M&A仲介会社を選ぶ際には、複数の候補を比較することが重要です。
1社だけで決めてしまうと、その会社のサービスや手数料が適切かどうか判断しにくくなります。複数の候補を比較することで、どの仲介会社が最も自社に合っているかを見極めやすくなります。
過去のクライアントの口コミを参考にする
過去のM&A仲介会社のクライアントの口コミや評判を確認しましょう。
実際にサービスを利用した人の意見を知ることで、その会社の実際の対応やサービスの質を把握できます。口コミは内部情報や表に出てこない問題点を発見する手助けになります。
専門分野に強い会社を選ぶ
自身の業界 やニーズに合った専門分野に強い会社を選びましょう。専門分野に強い会社は、業界特有の問題や取引に精通しており、より適切なアドバイスやサポートを提供することができます。
自身の事業にマッチした仲介会社を選ぶことで、M&Aの成功確率も更に上がるでしょう。
M&A支援機関協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関を選ぶ
M&A支援機関協会は、中小企業庁「中小M&A推進計画」に基づき、公正で円滑なM&A取引を推進し、M&A仲介業界の健全な発展に取り組むことを目的に2021年に設立された組織です。現在133社が加盟し、会員企業により年間約2,300件のM&Aを支援しています。
中小企業庁のM&A支援機関に係る登録制度は、中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤を構築するために設けられるものです。事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)において、M&A支援機関の活用に係る費用(仲介手数料やフィナンシャルアドバイザー費用等)について、予め登録されたM&A支援機関の提供する支援に係るもののみを補助対象としています。登録に際し、各企業は「中小M&Aガイドライン」を遵守することが必須です。
上記の2つの期間は、中小企業が安心してM&Aを実施できるように設けられた組織・精度であるため、依頼する際は加盟の有無を1つの指標にすると安心でしょう。
【出典】M&A Online「M&A支援機関協会 、新理事就任および2委員会の設置を発表、2025年2月に入会説明会開催」
仲介手数料の相場
事業譲渡における仲介手数料は、一般的に1~5%程度が相場となっています。手数料の計算方法には、譲渡額(取引金額)に対する手数料と移動総資産に対する手数料の2つの考え方があります。
成約金額や案件の複雑さによって変動する可能性がありますが、この料率は業界標準として広く認知されているものです。
また、具体的な手数料の構成は、着手金・中間金・成功報酬の3段階に分かれることが多いです。「完全成功報酬制」の形態を取っている企業もあります。
ただし、仲介手数料以外にも、デューデリジェンスにかかる費用や弁護士費用など、付随する諸経費も考慮に入れる必要があります。これらの費用は案件によって大きく異なるため、事前に仲介会社から詳細な見積もりを取得しておくことをおすすめします。
事業譲渡を成功させるポイント
事業譲渡を成功に導くためには、事前の準備と適切な進め方が大切です。具体的な成功のポイントとして、例え例えば以下の3つが挙げられます。
早めの準備と相談開始
事業譲渡を行ううえで、相談が早すぎるということはありません。事業譲渡の手続き自体は一般的に3か月~6か月程度で完了するものの、準備期間を含めると2〜3年前から動き出すことが理想的です。まずは複数の仲介会社に問い合わせ、信頼できる専門家を見つけるところから始めてみましょう。
適切な企業価値評価の実施と譲渡条件の明確化
M&Aアドバイザーとの対話や譲受候補企業との面談を通して、自社の強みや適切な企業価値評価が徐々に明確になるでしょう。対話を通して得られた情報をもとに、譲れない条件を明確化し、事業譲渡の実行に向けて前進しましょう。
従業員とのコミュニケーションを大切にした情報開示
事業譲渡の成功に向けて、従業員への配慮と取引先との関係維持は非常に重要です。中小企業の場合、人材が最大の資産となることも多いため、譲渡後の処遇について丁寧な説明を心がけましょう。
事業譲渡の失敗例と対策方法
ここでは事業譲渡の代表的な失敗パターンと、その対策についてお話しします。
譲渡価格の設定が不適切
経営者の思い入れから価格を高く設定しすぎたり、逆に急ぎすぎて適正価格を下回ってしまったりするケースが少なくありません。これを防ぐためには、第三者の専門家による適切な企業価値評価を受けることが大切でしょう。
従業員への説明不足
従業員が突然の発表で動揺を招き、優秀な人材が流出してしまうケースもあります。計画的なコミュニケーション戦略を立て、適切なタイミングで丁寧な説明を行うことが求められます。
不十分な秘密保持
情報漏洩により取引先や従業員との信頼関係が損なわれ、事業価値が大きく毀損するケースがあります。M&Aにおいて、厳重な秘密保持と適切なタイミングでの情報開示は非常に重要です。M&A仲介会社と緊密に連携し、情報管理体制をしっかりと整えることが重要になります。
まとめ|仲介会社を適切に利用し事業譲渡を成功に導く
事業譲渡と仲介会社について、重要なポイントを見てきました。事業の売却や承継は、経営者にとって人生の一大決断となります。
M&A仲介会社を活用することで、専門家の視点から最適な譲渡先を見つけることができるでしょう。ただし、仲介会社の選定には慎重さが求められます。実績や評判、対応の丁寧さなどをしっかりと確認してみましょう。
もし事業譲渡をお考えでしたら、まずは複数の仲介会社に相談してみてください。無料相談を活用すれば、自社に合った支援が見つかるはずです。大切な会社の未来のために、プロフェッショナルの力を借りながら、ベストな選択を見つけていきましょう。
CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、事業譲渡のご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。