CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。
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M&A / 比較
- 公開日2025.04.11
- 更新日2025.04.14
【2025年】M&A業界の動向を解説!業界別の動向や今後の展望について解説
M&A業界は、経済環境や市場の変化の影響を受けながらも、企業の成長戦略や事業承継の手段として重要な役割を担っています。2025年現在、業界全体の動向や業界別のM&Aの活発度は、多くの企業の関心を集めています。
特に、少子高齢化やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進、グローバル競争の激化などの要因が、M&A市場にどのような影響を与えるのかが注目されている状況です。
本記事では、M&A業界の最新動向を解説するとともに、業界ごとの特徴や今後の展望についてご紹介します。
目次
M&A業界の動向
企業の成長戦略や事業承継におけるM&Aの活用が進み、M&A市場は年々活発化しています。まずは、M&A業界の最新動向について解説します。
中小企業のM&Aが盛んになっている
国内では経営者の高齢化が進み、多くの中小企業が後継者不足に直面しています。課題解決の手段として、事業承継型M&Aを選ぶ企業が増加傾向にあります。なかでも、廃業を避けるために自社を売却し、従業員の雇用を維持するケースが増えている状況です。
一方で、買い手側の企業にとっても、中小企業をM&Aによって取り込むことは、新規事業の拡大や市場参入の有効な手段だといえるでしょう。特に、地域密着型の企業や専門技術を持つ企業への買収ニーズは高く、今後も中小企業のM&Aはさらに活発化すると予想されます。
M&Aだけでなく上場も目立っている
M&A市場の活性化と並行して、新規上場(IPO)する企業の数も増加傾向にあります。「株式会社帝国データバンク」が公表するデータによると、2023年のIPO社数は96社に達し、リーマンショック後で2番目に多い水準を記録しました。2024年も引き続き堅調な水準を維持し、2025年に入っても活発な上場動向が続いています。
この背景には、円安による企業業績の改善やデフレ脱却への期待、海外投資家による日本市場の再評価などが影響していると考えられています。
また、内部留保が豊富である企業が、M&Aを進める際に上場を選択するケースも目立ちます。特に、スタートアップ企業が成長資金を確保する手段としてIPOを活用するケースも増えています。M&AとIPOの双方が企業の成長戦略として重要な選択肢となっているのです。
【出典】株式会社帝国データバンク「2023年のIPO 動向 ~前年比5社増の96社、リーマンショック後2番目に多い~」
DXを目的としたM&Aも増加傾向にある
近年、デジタル化が企業経営に大きな影響を与えており、DXを推進するためのM&Aが増加しています。企業が競争力を維持・強化するためには、最新のIT技術を活用することが不可欠である一方、DXに対応できる人材の確保が課題となっています。そのため、IT企業を買収し、自社内でDXを推進する動きが活発化しているのです。
これまで大企業を中心にDX推進の動きが見られたものの、現在では中小企業でも推進の必要性が高まっています。例えば、業務の効率化やデータ活用を進めるために、クラウドサービスやAI技術を導入する中小企業が多くなっています。
M&Aが行われる主な業界ごとの動向
M&Aは、業界ごとに異なる背景や目的で行われています。近年では、業界特有の課題や成長戦略がM&Aを促進しています。ここでは、M&Aが活発な主要業界について、その概要を解説します。
IT業界
IT業界では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が進み、企業のIT投資が活発化しています。こうした背景から、大手企業が最新技術を持つスタートアップ企業を買収するケースが増加傾向です。AI・クラウド・データ分析分野の企業がM&Aの対象になりやすい傾向にあります。
製造業界
製造業界では、人手不足への対応や生産効率向上を目的にM&Aが進んでいます。なかでも、自動化技術やロボット関連企業の買収が増加しており、グローバル展開を視野に入れたM&Aも活発です。特に2024年から2025年にかけて、以下の3つの傾向が顕著になっています。
- 自動化技術の獲得
労働力不足を背景に、ロボティクスやIoT技術を持つ企業の買収が急増しています。大手製造業が中小の自動化技術企業を買収するケースが多く見られます。 - サプライチェーン強化
世界的なサプライチェーンの混乱を受け、部品メーカーや物流関連企業の買収による垂直統合が進んでいます。特に半導体や電子部品のサプライヤーへのM&Aが注目されています。 - グリーン技術への投資
環境規制の強化に伴い、カーボンニュートラルに貢献する技術を持つ企業へのM&Aが活発化しています。大手製造業が環境技術ベンチャーを買収するケースが増加しています。
これらの動きは、製造業全体がデジタル化と持続可能性への対応を急速に進めていることを示しています。今後も技術獲得型M&Aは、製造業界の重要な戦略となるでしょう。
教育系業界
オンライン教育の普及に伴い、EdTech(教育×テクノロジー)企業の買収が注目されています。特に、デジタル学習プラットフォームやプログラミング教育関連の企業がM&Aの対象となり、教育市場の拡大が進んでいます。
介護業界
少子高齢化の進展により、介護事業者の統合が加速しています。介護施設の運営企業が規模拡大を目的にM&Aを活用するケースが増えており、人材確保や地域展開を強化する動きが活発です。
調剤薬局業界
医薬品業界の再編が進むなか、調剤薬局業界ではドラッグストアチェーンによる買収が相次いでいます。地域密着型の薬局が大手チェーンに統合されるケースが増えており、経営の効率化が進んでいます。
不動産業界
不動産業界では、開発案件の大型化や投資マネーの流入により、企業間の統合や異業種からの参入が増えています。また、新たに不動産テック(PropTech)分野のM&Aも注目されています。
美容業界
美容業界では、エステサロンや美容クリニックのM&Aが増加しています。大手企業がブランド力を強化するために、人気のサロンやクリニックを買収するケースが目立ちます。
サービス業界
飲食店や宿泊業を含むサービス業界では、コロナ禍を経て経営環境が変化し、M&Aが事業再生や成長戦略の一環として活用されています。特に、フランチャイズ展開を目的とした買収も増えています。
人材業界
人材不足が深刻化するなか、HRテック企業や専門職向けの人材紹介会社のM&Aが増えています。なかでも、デジタルプラットフォームを活用した採用支援サービスが注目を集めています。
広告業界
広告業界では、デジタル広告市場の拡大に伴い、IT分野の強化が大きな課題となっています。データ分析やSNSマーケティングに強みを持つ企業の買収など、デジタル化・グローバル化を目的としたM&Aが活発化しています。
エネルギー業界
再生可能エネルギーの普及に伴い、風力発電や太陽光発電関連企業のM&Aが増えています。また、脱炭素社会に向けた動きのなかで、新エネルギー技術を持つ企業の買収も活発です。
食品業界
食品業界では、健康志向の高まりを背景に、オーガニック食品やプラントベース食品を展開する企業のM&Aが注目されています。大手食品メーカーによるスタートアップ買収も増えています。
M&A業界の今後の展望
近年、日本国内のM&A市場は急速に拡大しており、今後もその成長が続くと予想されています。ここでは、M&A業界の今後の展望についてお伝えします。
事業継承のためのM&Aが増加する
後継者不足が深刻化している
日本の中小企業では後継者不足が深刻な課題となっています。中小企業庁が公表する資料によると、2025年までに70歳以上の経営者が約245万人に達し、そのうち約半数が後継者不在の状況にあるとされています。適切な後継者を育成するには時間と労力がかかるため、M&Aによる事業継承を選択する企業が増加傾向です。親族への承継が難しいケースでは、第三者へのM&Aが有力な選択肢となっています。
【出典】中小企業庁「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」
支援機関が増えている
事業承継を支援する公的機関やM&A仲介会社の増加も、M&Aの活性化を後押ししています。例えば、中小企業庁の「事業承継・引き継ぎ支援センター」では、後継者不在の企業を対象にマッチング支援を行い、全国各地で成約件数を伸ばしています。また、M&A仲介会社も増え、売り手・買い手双方がよりスムーズに取引を進められる環境が整いつつあります。こうした支援の充実により、事業承継を目的としたM&Aの件数は今後も増加する見込みです。
小規模M&Aの件数が増加する
M&A市場では、大企業同士の大型M&Aだけでなく、年商数億円規模の中小企業を対象とした小規模M&A(スモールM&A)が活発化しています。起業家や個人事業主が既存の事業を買収することで、一から創業する場合に比べてリスクを抑えながら事業展開できる点が魅力です。
なかでも地方の中小企業や後継者不在の企業にとって、小規模M&Aは事業存続の有効な手段となっています。M&Aマッチングプラットフォームの発展により、今後も小規模M&Aの件数は増加すると予想されます。
スタートアップ、クロスボーダーM&Aがトレンドとなる
近年、スタートアップ企業のM&Aが活発化しています。資金調達を受けたスタートアップ企業が、成長戦略の一環としてM&Aを活用するケースが多く見られます。また、クロスボーダーM&A(海外M&A)も注目されています。
国内市場の縮小が進むなか、東南アジアなどの成長市場に進出する日本企業が増加している状況です。製造業やIT業界を中心に、海外企業とのM&Aによる事業拡大が進んでおり、今後もこの動きは加速する見込みとなっています。
ネットを活用した個人でのM&Aが増加する
M&Aの認知度向上とともに、個人がM&Aを活用する機会も増えています。従来はM&A仲介会社を通じた取引が主流でしたが、近年ではM&Aマッチングサイトが登場し、誰でも手軽に案件を探せるようになりました。ネットを活用したマッチングの利便性向上により、M&Aはより身近な選択肢となり、今後も個人によるM&Aの増加が期待されます。
まとめ|M&A市場の動向を把握して、M&Aを実施しよう
M&A市場では業界再編の動きが加速し、さまざまな業界でM&Aの重要性が高まっています。FA(フィナンシャル・アドバイザー)や投資銀行、証券会社などの専門機関が支援するM&A事例も増えました。
こうした市場の動向を正しく把握し、自社にとって最適な相談先を見つけ、M&A戦略を検討すると良いでしょう。M&Aの目的やメリット・デメリットを整理し、適切なパートナーと連携することで、M&Aを成功へ導くことが可能です。今後の市場の変化を見極めながら、M&Aの活用を検討してはいかがでしょうか。
弊社CINC Capitalでは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、最新の業界動向を踏まえた戦略的なM&Aサポートを提供しています。業界歴10年以上の専門家チームがマーケティングテクノロジーを活用し、最新の業界動向を踏まえた最適な戦略をご提案します。
さらには、業界最低水準の手数料体系を採用。最新の市場情報と専門的知見を活かし、お客様のM&Aを成功に導きます。どうぞお気軽にご相談ください。
この記事の監修者

CINC Capital取締役執行役員社長
阿部 泰士
リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。