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宗教法人のM&Aによる事業承継(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

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  • 公開日2025.04.07
  • 更新日2025.04.09

宗教法人のM&Aによる事業承継(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

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宗教団体では、収益事業の強化や後継者問題の解決を目的に、M&Aによる事業承継を検討するケースが増加しているといわれています。

宗教法人のM&Aにはさまざまなメリットがありますが、特有の課題もあるため注意が必要です。

本記事では、宗教法人のM&A最新動向やメリット・デメリット、成功のポイント成功事例などをご紹介します。M&Aを検討中の場合は、ぜひ参考にしてください。

宗教法人の事業承継に関する動向

宗教法人の事業は、宗教本来の事業と収益事業の2つに分かれるのが特徴です。前者には参拝業務や葬儀が含まれており、非課税となります。一方、後者にはお守りや不動産貸付、駐車場経営などの金額が含まれ、課税対象とされます。

また、宗教法人には「包括宗教法人」と「単位宗教法人」があり、包括宗教法人は数が安定している一方、単位宗教法人の増減が業界全体に大きな影響を与えています。2023年時点で宗教法人全体は179,339法人、そのうち単位宗教法人が178,946法人を占めています。

戦後急増した宗教法人は、統合や解散を経て減少傾向です。また、法事や葬儀の簡素化により収益が厳しい一方、デジタル化など新たな取り組みが進んでおり、持続可能な経営を目指す動きが見られます。

【出典】文化庁「令和5年の宗教統計調査の結果を公表します」

宗教法人業界が抱える課題

宗教法人業界では厳しい経営環境が続いているといわれています。人口減少や社会的変化などが要因となり、後継者不足や地域社会との関係性の希薄化といった課題が山積しています。

後継者不足

多くの寺院や神社で後継者不足が深刻化しています。次世代の担い手を確保できず、運営継続が難しい状況に直面する宗教法人も少なくありません。

社会の変化

法事の減少やお葬式の簡素化、さらには納骨堂の台頭など、社会の変化が収益の減少に大きな影響を与えています。このような状況が原因で、宗教活動の維持が困難となるケースも見られます。

地域社会との関係の再構築

地域社会とのつながりが希薄化し、地域行事や社会貢献活動への関与が減少することで、宗教法人の存在意義が問われることもあります。地域との関係を再構築することも、業界全体の持続可能性にとって重要な要素の一つです。

宗教法人の事業承継の最新動向(2025年)

宗教法人業界では、高齢化や社会の変化を背景に、事業承継を目的としたM&Aの動きが活発化しています。具体的には、宗教法人の住職や代表者の高齢化が進む中、円滑な事業承継を目的にM&Aを選択するケースが増えています。後継者不在の問題を解決する手段として、M&Aは重要な選択肢となっています。

宗教法人が事業承継目的でM&Aをするメリット

宗教法人がM&Aを活用することには、多くのメリットがあります。特に、後継者不足の解消や地域社会における役割の維持が重要なポイントです。ここでは、主なメリットを売り手側の視点で説明します。

後継者問題を解消できる

近年、多くの宗教法人が後継者不足という深刻な課題に直面しています。住職や代表者が高齢化する中、後継者を見つけられず廃寺や閉鎖に至るケースも少なくありません。M&Aを活用すれば、新たな経営者を迎え入れることで後継者問題を解決し、継続的な運営が可能となります。

参拝者の憩いの場を守れる

地域住民や信者にとって、寺社は単なる宗教施設ではなく、心の拠り所や憩いの場として重要な役割を果たしています。M&Aによる経営の安定化は、参拝者のための環境を守り続けることにつながります。特に、地域社会との結びつきが深い宗教法人にとって、この点は大きなメリットです。

宗派の教えや文化を残せる

M&Aを通じて組織を引き継ぐことで、宗派の教えや伝統文化を次世代へ受け継ぐことが可能です。例えば、地域に根付いた宗教行事や慣習を継続することで、信者だけでなく地域全体の文化的価値を守れるでしょう。

宗教法人がM&Aで事業承継をする注意点

宗教法人は、宗教法人法によって宗教活動を目的とする特別な法人格として規定されています。営利を目的とする法人ではないため、法人格自体の売買は違法とされており、一般的な株式会社のM&Aのような売買・譲渡は不可能です。宗教法人の継承には宗教法人法に基づく適切な手続きが必要なほか、所轄庁(文化庁または都道府県)の認証が必要となります。また、規則変更などの法定手続きを経る必要があります。その際、駐車場経営などの宗教法人が行う収益事業に関しては、別途の対応が必要です。収益事業部分は事業譲渡等の対象となり得ますが、宗教法人本体の法人格は譲渡不可とされています。

こうした背景から、宗教法人が事業承継を目的としてM&Aを行う際には、相手方の信頼性や取引内容を十分に確認することが大切です。また、専門家のアドバイスを受けて契約内容を透明にしたり、必要に応じて監督機関への相談を行ったりすることでリスク回避につながります。慎重な対応を心がけることで、不正リスクを回避し、健全な組織運営を維持することが重要です。

宗教法人がM&Aで事業承継を成功させるためのポイント

宗教法人のM&Aは事業承継を目的としており、一般の企業とは異なる独自の特性を持ちます。成功させるためには慎重な計画と戦略が必要です。以下に、宗教法人ならではの重要なポイントを挙げます。

単立法人であることの確認をする

単立法人の場合は、一般の人が代表役員になることができます。包括宗教法人などの場合、一般の人は代表役員に就任できないため注意が必要です。事前に法人の種類や規則を確認し、後継者選定が可能かどうかを把握することが重要です。

債務状況の確認をする

宗教法人の財務状況は、事業承継を目的としたM&Aの成否を左右する大きな要因です。負債や財務リスクの有無を徹底的に確認し、不明確な点がないか事前調査を行う必要があります。

事業承継にM&Aが必要かどうかをよく考える

宗教法人のM&Aは、単に経済的な理由だけでなく、宗教的価値や地域社会との関係など多くの要素を含みます。本当に事業承継にM&Aが必要かどうかを慎重に検討し、法人の使命やビジョンを再評価することが重要です。

専門家に相談する

宗教法人のM&Aには法的手続きや契約内容、財務分析などの専門知識が求められます。また、デューデリジェンスでは「所轄庁の認証要件」「包括宗教法人の承認要件」「宗教法人法上の承継手続き」「財産目録の確認内容」といったポイントで詳細なチェックが行われます。

専門家の意見を取り入れることで、リスクを回避し、適切な戦略を立てることが可能です。特に宗教的・文化的価値の継承など、業界特有の課題を考慮したアドバイスは大きな助けとなります。

宗教法人を維持するためにM&Aによる事業承継を成功させましょう

宗教法人のM&Aによる事業承継は、後継者不足や財務問題の解決、地域社会との関係再構築など、さまざまな理由で注目されています。しかし、その特性や法的規制の複雑さから、慎重な計画と専門的な知識が不可欠です。

不正行為への注意や事前の調査、適切な戦略の立案を通じて、透明性と信頼性を確保することが重要です。また、専門家との連携を図ることで、リスクを回避しながらM&Aを成功へと導くことができます。

宗教法人のM&Aを検討する際には、最新の動向を把握しつつ法人の使命や価値を再評価し、長期的な視野で計画を進めましょう。

CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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