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SaaS業界におけるM&A活用のメリット・デメリットは?動向や事例紹介

業種

  • 公開日2025.03.26
  • 更新日2025.04.02

SaaS業界におけるM&A活用のメリット・デメリットは?動向や事例紹介

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IT業界の成長に伴い、SaaS業界では活発にM&Aが行われてきました。

M&Aは、成功すれば多くの効果を得られるのが魅力ですが、一方で実施に際してのリスクも考慮しておかなければいけません。

この記事では、SaaS業界の特徴やM&Aに関する情報、事例などを解説します。また、売り手側と買い手側それぞれのメリット・デメリットも詳しくお伝えします。ぜひご参考ください。

SaaS業界とは

SaaS業界のM&Aについて知る前に、業界の特徴や市場規模などを確かめておきましょう。こちらでは、SaaSの基礎知識や業界に関する情報などをご紹介します。

SaaSとは

SaaSとはクラウド上でソフトウェアを提供するサービスのことです。「Software as a Service」の略称として、SaaSと呼ばれています。現在はビジネスチャット、Web会議ツール、電子契約サービス、顧客管理ツールなど、さまざまな種類のSaaSが登場しています。

SaaSはパソコンにソフトウェアをインストールする必要がなく、インターネット環境があれば手軽に使用できるのがメリットの一つです。社内にサーバーや通信回線、システムを構築し自社で運用を行う「オンプレミス型」のシステムと比較して、導入コストが低い傾向にあり、企業の負担を軽減できます。導入も短期間で行うことができるため、スムーズに利用開始できるでしょう。

SaaS業界の特徴

SaaS業界ではソフトウェアを買い切り形式で提供するのではなく、ユーザーが月額料金を支払って利用するサブスクリプション形式を採用しているのが一般的です。

サブスクリプションモデルの強みは、継続的に安定した収益が見込めることです。他社への流出を防ぐことで、売上を維持することができます。

また、SaaSは成長著しい業界でもあります。テレワークの普及もあり、クラウドサービスの需要は高く維持されると考えられています。

SaaS業界の市場規模

総務省の「令和6年版 情報通信白書」によると、世界のパブリッククラウドサービスの市場規模は増加傾向にあります。2017年時点ではおよそ1,450億ドルだったところ、2022年には約4,738億ドルに急成長しています。日本のSaaS市場の成長率も高く、今後もますますの市場規模拡大が期待されています。

【出典】総務省「令和6年版 情報通信白書」

SaaS業界のM&A動向

SaaS業界のM&Aは活発に実施されているといわれています。現在はクラウドやAIなどの技術革新により、新製品・サービスが続々と市場に投入されています。技術革新による急成長が見込める業界として、異業種から新規参入を行うケースも多いです。

また、スタートアップ企業のイグジットとしてM&Aを選択することも少なくありません。売り手側は創業者利益を獲得し、買い手側はさらに大規模な事業展開を目指せるため、双方にメリットがあります。

【売り手側】SaaS業界におけるM&Aのメリット・デメリット

M&Aによる売却で、売り手側はどのような効果を得られるのでしょうか。ここでは、売り手企業のメリット・デメリットを解説します。

M&Aのメリット

M&Aによる売却益を獲得できる

安定した収益モデルや成長性などが評価されると、事業の内容次第では高値で取引される可能性もあるでしょう。

M&Aによって事業を継続できる

経営が厳しい状況にある場合や後継者不足といった課題に直面している場合も、M&Aによって事業を継続させることができます。新たな経営母体のもとで事業を安定化させられるため、従業員や取引先に安心感を与えられるでしょう。

買収企業のノウハウを共有できる

買収企業とのノウハウ共有によって、例えば自社のエンジニア育成につなげることも可能です。共同での技術研修を開催する、専門知識を持つ従業員同士の交流を図るといった取り組みで、自社の人材のスキルアップを実現できます。

従業員の待遇が改善できる可能性がある

買収企業が大手の場合、従業員の待遇改善も期待できます。より充実した育成プログラムや福利厚生を提供できるようになるケースがあるためです。働きやすさが向上し、離職率の改善にもつなげやすいでしょう。

経営者の個人保証を解消できる

M&Aの契約次第では、経営者の個人保証を解消できることがあります。中小企業の場合、経営者の個人保証によって融資を受けるケースも珍しくありません。契約条項に盛り込んでおけば、M&Aの際に個人保証を解消することも可能です。

M&Aのデメリット

希望の売却価格で譲渡できない可能性がある

事業の評価額が、売り手の期待を下回ってしまう可能性があります。SaaS業界は変化が激しく、トレンドも移り変わっていきます。売却のタイミングを見極めなければ、思うような価格がつかないかもしれません。

従業員の不満が生じるリスクがある

条件に納得できない従業員や、組織再編による環境の変化になじめない従業員の不満が生じるケースもあります。結果として、離職を招いてしまうこともあるでしょう。従業員への事前説明をしっかりと行うのが大切です。加えて、相手企業との交渉で条件をすり合わせ、従業員に不利のない契約内容にすることも重要となります。

【買い手側】SaaS業界におけるM&Aのメリット・デメリット

買い手企業にとっても、M&Aにはいくつもの効果があります。以下では、買い手側のメリット・デメリットをお伝えします。

M&Aのメリット

シナジー効果が期待できる

買い手企業と売り手企業の相乗効果により、新たなサービスの開発や新規顧客獲得につながることがあります。両者の強みをかけ合わせて、価値を創出していけるのは大きなメリットです。事業規模を拡大したい企業や、事業の多角化を狙う企業にも向いている手法といえます。

異業種からの新規事業参入の手段として活用できる

M&Aは異業種からの新規事業参入の手段としても有効となります。自社で一から事業展開を行うよりも、買収によって他社の技術を取り入れるほうが、迅速に市場内でのポジションを築けます。

優秀な人材を獲得できる

専門技術に特化した優秀な人材の獲得につながるのも魅力の一つです。特に、自社では手がけていない分野に強みを持つ人材を確保できれば、企業の競争力向上に役立つでしょう。

M&Aのデメリット

想定通りの利益が得られないリスクがある

M&Aで買収した事業が成功するとは限りません。市場トレンドや顧客ニーズの変化など、さまざまな要因によって思っていたような利益を得られない可能性があります。買収後の運営計画は慎重に立てることが求められます。

従業員が流出してしまうリスクがある

人材の獲得を期待していたものの、従業員の流出が起こってしまうケースも考えられます。売り手側の従業員が新体制になじめない場合、運営に支障が出てしまうでしょう。リスク回避のために長期的な視点で経営統合計画を立て、実践していくことがポイントです。

債務の引継ぎなどの不利益を被る場合がある

M&Aのスキームによっては債務を引き継ぐリスクがあるほか、許認可を承継できない可能性があります。事前に徹底した調査を行うとともに、スムーズな事業開始を実現するための準備が欠かせません。

SaaS業界のM&Aの事例

株式会社マネーフォワードによるスマートキャンプ株式会社のM&A

株式会社マネーフォワード(東京都港区)は、SaaSマーケティングプラットフォーム「BOXIL」を提供するスマートキャンプ株式会社(東京都港区)の株式72.3%を1,998百万円で取得し、グループ会社化しました。

スマートキャンプは、SaaS企業向けにマーケティング支援やインサイドセールス支援を展開。特に「BOXIL」は、SaaS導入を検討する企業が製品を比較・選定できる国内最大級のプラットフォームであり、マネーフォワードの事業と親和性が高いです。

本M&Aにより、マネーフォワードはバックオフィス領域にとどまらず、SaaSマーケティング領域へと事業を拡大。潜在市場規模は約1兆円から1.9兆円へと拡大し、両社のシナジーにより新規顧客獲得の強化やSaaSレコメンドエンジンの開発が期待されます。

国内スタートアップ同士のM&Aは依然として少ないが、本件は成長戦略の一環として注目される。特に、SaaS業界において、マーケティング支援とバックオフィス管理の統合は競争優位性を高める要因となり、今後同様の動きが増える可能性があるでしょう。

【出典】株式会社マネーフォワード「国内No.1のSaaSマーケティングプラットフォームを提供するスマートキャンプ株式会社をグループ会社化」

セールスフォース・ドットコムによるSlack Technologies, Inc.のM&A

米国セールスフォース・ドットコム(Salesforce)は、2021年7月、ビジネス向けチャットツール「Slack」を提供するSlack Technologies, Inc.の買収を完了しました。本買収により、SalesforceはSlackを自社のCRMプラットフォームと統合し、企業の業務効率を向上させる「デジタル本社」の実現を目指します。

Salesforceは、顧客関係管理(CRM)分野で世界をリードする企業であり、企業の営業、マーケティング、カスタマーサポートの効率化を支援してきました。一方、Slackは、リモートワーク時代におけるビジネスコミュニケーションの中心ツールとして広く利用されています。両社の統合により、Salesforceの「Customer 360」とSlackのコミュニケーション機能が融合し、企業は社内外の関係者とより円滑に連携できる環境を構築できます。

本M&Aは、リモートワークやデジタルシフトが進む中で、クラウドベースの業務支援プラットフォームの重要性が高まっていることを示す象徴的な事例です。Slackは買収後も独立したブランドとして運営され、Salesforceとのシナジーを活かしながら、新たなデジタルワークスペースの標準を確立していくことが期待されます。

【出典】株式会社セールスフォース・ドットコム「セールスフォース・ドットコム、Slackの買収を完了」

まとめ|SaaS業界の動向を把握してM&Aを成功させよう

SaaS業界の特徴やM&A動向、M&Aを実施するメリット・デメリットなどをご紹介しました。高い成長率が期待できるSaaS業界では、今後も多くの企業によるM&Aが実施されると予想できます。自社にとって何が最適かを検討し、適切な方法でM&Aを進めることが大切です。

また、ご紹介したようなM&Aのデメリットは、会社間のすり合わせがうまくいかない場合や、適切な準備ができていない場合などに生じることがあります。M&Aの専門家にサポートを依頼することで、課題を解消できるでしょう。

CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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