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リース業界のM&A動向は?事例や成功のポイントを解説【2025年】

業種

  • 公開日2025.07.02
  • 更新日2025.07.02

リース業界のM&A動向は?事例や成功のポイントを解説【2025年】

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リース業界でM&Aを進めるべきか迷っていませんか?市場の再編が進み、異業種の参入も相次ぐなか、自社にとっての最適な判断が難しくなっています。

本記事では、最新の市場動向やM&Aの実例、成功のためのポイントをわかりやすく解説していきます。

リース業界の市場動向

日本のリース市場は2022年時点で約5兆円と推定され、製造業やサービス業を中心に幅広く利用されています。

設備投資の負担を抑えたい中小企業や、技術変化に対応する大企業からの需要が安定しており、年間成長率は概ね2~3%程度です。

オリックスや三井住友ファイナンス&リース、東京センチュリーといった大手は、事業の多角化と資産管理の効率化を武器に、安定成長を続けています。

リース業界が抱えている課題

リース業界は安定した成長を続けているものの、収益性の低下、人材不足、保有資産の老朽化など、複数の課題に直面しています。

本章では、それぞれの課題について詳しく解説していきます。

収益性の低下と競争激化

リース業界では、金利の上昇によって利ざやの拡大が見込まれる一方で、顧客企業の資金繰りが悪化するリスクもあります。特に中小企業は、借り入れコストの増加によってリース料金の支払いが難しくなる可能性があります。

さらに、業界内の競争が激しくなっており、価格競争による利益の低下が課題となっているのです。

人材不足とデジタル対応の遅れ

リース業界では、デジタル化が急速に進む中で、デジタル人材の育成や採用が追いついていない状況です。特に地方や中小企業では、デジタル人材の確保が難しく、DX推進に課題を抱えています。 

このような状況は、業務効率の低下や競争力の減少につながる可能性があり、早急な対応が求められています。

保有資産の老朽化とリスク管理

リース会社は多くの設備や機械などのリース資産を持っていますが、これらが古くなったり、時代遅れになることへの対策が求められています。

特に、技術の進歩が速いため、今ある設備がすぐに使いづらくなるリスクが高まっています。そのため、資産を計画的に入れ替えたり、契約内容を柔軟に見直したりすることが大切です。

さらに、老朽化に伴うトラブルを防ぐためのリスク管理も強化する必要があります。

リース業界のM&A最新動向(2025年)

2025年のリース業界では、異業種からの参入、サービスの高度化を目的としたM&A、大手企業による中小企業の買収が顕著に見られます。

本章では、それぞれの動向について詳しく解説していきます。

異業種からのリース業界参入が活発化

近年は異業種、特に金融業界からのリース業界への参入が増えています。

オリエントコーポレーションは、個人向けカーリース事業「SOMPOで乗ーる」を展開するDSCL社の株式90%を取得し、連結子会社化しました。

この動きにより、オリコはオートリース市場へ本格参入し、自社の金融サービスとの相乗効果を狙っています。異業種の参入は、業界の競争を活性化させ、新たな市場機会を生み出しています。

サービス拡張・高度化を目的としたM&A

リース会社は、サービスの多様化や高度化を目的に異業種企業の買収を進めています。三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は、英国のヘリコプターリース会社を買収し、緊急医療や災害救助向けの需要に対応しました。

こうしたM&Aは、新たな市場への進出やサービス強化に有効な手段となっています。

大手による中小企業の買収が加速

リース業界では、大手企業による中小企業の買収が加速しています。業界再編や競争力の強化を目的として、大手企業が中小企業を買収し、事業規模の拡大やサービスの多様化を図っています。

例えば、十八総合リースは東京センチュリーと資本業務提携を開始し、2024年には「FFGリース」へと商号を変更しました。また、日本包装リースは2021年にJA三井リースの連結子会社となり、包装機械リース分野での専門性を活かした事業展開を進めています。

リース業界がM&Aを成功させるためのポイント

リース業界におけるM&Aの成功には、資産管理の統合、与信審査体制の統一、業務・ITシステムの早期統合などが重要です。

本章では、主に5つのポイントについて詳しく解説します。

与信審査やファイナンス体制の統一

リース業は金融ビジネスであり、M&Aでは与信管理や資金調達体制の統合が重要です。買収先の与信審査やリスク管理体制を確認し、自社基準とのズレを調整する必要があります。

金融庁も、クレジット枠を超える取引に備えた規程整備と管理の徹底を求めています。

業務・ITシステムの早期統合

リース契約管理システムや会計システムなど、基幹ITの統合は可能な限り迅速に進める必要があります。システム統合の遅れは、二重管理によるコスト増や情報連携ミスを招きかねません。

M&Aに伴うIT統合を成功させるには、情報共有の容易化、情報管理コスト・業務負荷の軽減、迅速な戦略立案を行いましょう。

人材定着と組織文化の融合

M&A後に人材流出を防ぎ、双方のノウハウを活かすことも重要なポイントです。リース会社の社員は特定業界向けの知識や物件評価のノウハウなど専門性を持つ場合が多く、そうしたキーパーソンが統合後も安心して働ける環境を整える必要があります。

企業文化をうまく融合させるために、人事部が中心となって計画的に進めましょう。

顧客ネットワークの引き継ぎと関係維持

リース契約は中長期に及ぶため、買収後も既存顧客との長期取引関係を維持し信頼を損なわないことが大切です。中小のリース会社では、先代経営者の人脈や信頼によって顧客を獲得してきた例が多くあります。そのため、経営が変わった後も取引先の期待に応える姿勢や対応力が重要です。

リース資産・在庫の管理統合

リース会社が統合する際は、資産や在庫をまとめて管理することが重要です。重複する設備の整理や老朽化した機器の見直し、保守体制の統一などによって、管理の効率が上がり、収益性の向上につながります。

特に、在庫の状況や契約中の使用状況を正しく把握することで、資産を無駄なく活用できます。こうした資産管理の役割は、会社の利益を支えるうえで欠かせません。

リース業界のM&A事例

芙蓉総合リースによるWork VisionのM&A

芙蓉総合リース株式会社は、2021年10月、クラウド型ITソリューションを提供する株式会社WorkVision(旧・東芝ソリューション販売)の全株式を取得し、同社を連結子会社化しました。

WorkVisionは、SaaS型業務システム「WorkVision®」シリーズを中心に、クラウド基盤構築やパッケージソリューションを展開しており、幅広い業種にIT支援を行っています。

芙蓉総合リースは、これまでBPOやPCライフサイクルマネジメントなどの新領域に注力してきましたが、本件によりICTソリューションとBPOサービスの連携を強化し、顧客の業務改革支援を一層推進する狙いです。

ITと業務支援の融合により、デジタル化ニーズの高まりに対応したサービス体制の構築が期待されます。

【出典】芙蓉総合リース株式会社「株式会社 WorkVision の株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ」

JA三井リースと日本包装リースの資本業務提携

JA三井リース株式会社は2021年6月、包装機械を専門とする株式会社日本包装リースの株式55.6%を取得し、同社を連結子会社化しました。

日本包装リースは、国内で唯一包装機械を主力とする専門リース会社であり、食品や医薬品などの個包装ニーズの高まりを背景に成長を続けています。JA三井リースは、農林水産・食品・流通分野に強みを持つ営業基盤を活かし、今後の包装機械および食品機械分野の需要拡大に対応した事業強化を図る方針です。

日本包装機械工業会などとの連携も維持しながら、業界の課題解決や地域産業の支援に資するビジネス展開が期待されます。専門性とネットワークの融合によるシナジー創出がポイントです。

【出典】JA三井リース株式会社「株式会社日本包装リースと資本業務提携」

三菱UFJリースと日立キャピタルの統合

三菱UFJフィナンシャル・グループおよび三菱UFJ銀行は2021年3月、三菱商事に対して三菱UFJリースと日立キャピタルの一部株式を譲渡しました。

この株式譲渡は、両リース会社による経営統合に先立つもので、同年4月1日に三菱UFJリースを存続会社とし、日立キャピタルを吸収合併する形で「三菱HCキャピタル株式会社」が誕生しました。

MUFGは統合後の新会社を持分法適用会社として位置づけ、引き続き発展を支援するとしています。本統合により、国内有数の総合リース会社が誕生し、グローバル展開や事業多角化を背景に、競争力強化とスケールメリットの最大化が見込まれます。再編が進むリース業界における象徴的な統合事例です。

【出典】株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、株式会社三菱UFJ銀行「株式譲渡契約の締結について」

まとめ|リース業界のM&A動向を押さえてM&Aを成功させましょう

リース業界は、市場の安定成長とともに、異業種からの参入やサービス高度化を目的としたM&Aが増加しており、今後ますます再編が進むことが予想されます。

リース業界におけるM&Aを成功に導くには、専門的な知見と現場理解を併せ持つパートナーの存在が重要です。

CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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