CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。

お電話でのご相談はこちら(無料)

03-4500-7072

CINC CapitalはCINC(証券コード:4378)のグループ会社です。

化粧品業界のM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

業種

  • 公開日2025.04.02
  • 更新日2025.04.02

化粧品業界のM&A動向(2025年)メリットデメリット/事例/成功のポイントを解説

シェアする

化粧品業界は、多様なニーズとトレンドの変化により、常に成長を続けています。

そんな中、企業間の競争を勝ち抜くための手段として注目されているのがM&A(企業の合併・買収)です。ブランドの拡大、新規市場への参入、製品開発力の強化など、M&Aには多くの可能性があります。

本記事では、化粧品業界の市場規模やトレンドに触れつつ、M&A戦略のメリットや成功事例を解説します

化粧品業界の市場規模

化粧品業界は、コロナ禍で一時的に縮小しましたが、外出機会の増加とともに回復の兆しを見せています。化粧品は肌や髪を整え、美を引き出す製品として、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、UVケアなど幅広いカテゴリーが存在します。これらの市場規模を見ていきましょう。

2020年度の国内化粧品市場規模は2019年度比で約15%縮小し、2兆2,350億円にとどまりました。しかし、2022年度には外出機会が徐々に回復したことで市場も持ち直し、2兆3,700億円へと拡大しています。とくにスキンケア市場は全体の47.3%を占め、1兆1,200億円に達しており、業界の中心的存在です。

化粧品業界は、消費者のライフスタイルや美容意識の変化に大きく影響される市場です。今後もスキンケアやメイクアップ製品を中心に市場拡大が期待されます。

【出典】矢野経済研究所「化粧品市場に関する調査を実施(2023年)」

化粧品業界が抱える課題

日本の化粧品業界は市場の回復が見られる一方で、少子高齢化や経済の長期低迷など、さまざまな課題に直面しています。ここでは、化粧品業界が抱える主な課題について解説します。

少子高齢化による消費者の減少

日本の少子高齢化は化粧品業界にとっても深刻な問題です。化粧品の主要な購入層である若年層の人口減少により、国内市場の縮小が避けられない状況にあります。対応するためには新たなターゲット層の開拓が必要です。

例えば、男性用化粧品や高齢者向けのスキンケア商品など、新たな需要を掘り起こす取り組みが進められています。

長引く不況による需要の縮小

コロナ禍以降の経済低迷によって、消費者の節約志向が進み、化粧品業界にも影響を及ぼしているといわれています。嗜好品として位置づけられる化粧品は優先順位が下がりやすい傾向です。

このような中で、安価で高品質な商品を提供する企業が注目を集めている一方、価格競争による利益率の低下が課題となっています。差別化のためのマーケティング戦略が不可欠です。

後継者不足

中小企業において、後継者不足は深刻な問題です。化粧品業界も同様で、経営者の高齢化に直面して事業継承が円滑に進まないケースが増えているといわれています。この問題を解決するためには、事業継承支援やM&Aを活用した経営基盤の強化が必要です。

特に、中小企業が持つ独自の技術やブランドを維持しながら発展させる取り組みが求められています。

化粧品業界のM&A最新動向(2025年)

2025年現在、化粧品業界では新興国市場の成長やブランド統合を目的としたM&Aが活発化しています。ここでは、新興ブランドの成長や企業間の統合の最新動向について解説します。

新興ブランドの急速な成長

アジアや新興国市場では、現地の新興ブランドが急速に成長しています。特に、韓国やインドネシア、タイなどでは、地元ブランドがシェアを拡大し、欧米や日本の大手企業にとって競争が激化している状況です。

これに対応するため、大手企業は新興ブランドを買収することで現地市場への参入を図っています。

ブランドを統合する企業の増加

化粧品業界では、M&Aを通じたブランド統合が進んでいます。特に大手企業は、新興ブランドの買収や合併を通じて商品ポートフォリオを拡充し、さらなる競争力強化を目指しています。

例えば、欧米や日本の大手企業がアジアの有望なブランドを買収し、研究開発や生産体制を強化するケースが見られます。このような統合は、単なる市場シェアの拡大だけでなく、技術革新や新製品開発のスピードアップにも寄与しています。

化粧品会社がM&Aをするメリット

化粧品業界におけるM&Aは、企業の成長や事業継続性を確保するための重要な手段として広く活用されています。ここでは、M&Aを通じて化粧品会社が得られる具体的なメリットについて解説します。

後継者が不在でも事業を承継できる

中小化粧品会社では後継者不足が深刻な課題となっており、M&Aはこれを解決するための有効な手段とされています。会社を第三者に譲渡することで、事業の存続と発展を実現し、従業員や顧客への責任を果たすことが可能です。

従業員の雇用を維持できる

M&Aは経営難に陥った場合でも従業員の雇用を守る手段として注目されています。新たな経営母体の下で従業員の雇用が引き継がれることで、企業と従業員の双方に安定をもたらします。

経営が安定して中長期的な事業成長が実現できる

大手企業の傘下に入ることで、資金面の安定や販売網の拡大、ブランド力の向上が期待できます。競争が激しい化粧品市場でも、中長期的な事業成長を実現する基盤を整えられるでしょう。

売却益を獲得できる

企業譲渡を通じて得られる売却益は、経営者にとって大きな財産となります。引退後の生活資金として活用するのはもちろん、新たな事業への投資や社会貢献活動などに資金を充てるケースも見られます。

事業構造の改革を推進できる

M&Aは採算性の低い部門や工場を売却する機会を提供し、事業構造の見直しを加速させる手段ともなります。例えば、利益率が低下している製造部門を切り離し、収益性の高い事業へ経営資源を集中させることが可能です。

化粧品会社がM&Aをするデメリット

化粧品会社にとってM&Aは成長戦略や事業継続に有効な手段ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。成功のためには、それぞれのリスクを事前に把握し、慎重に対応することが重要です。

ブランドイメージが変化するおそれがある

M&Aによって、売却後のブランド戦略やマーケティング手法が変更される場合があります。たとえば、高級感を重視していたブランドが、大衆向けに価格を下げる方針に転換すると、既存の顧客層が離れてしまうリスクがあります。

このように、従来のブランドイメージが変わることで、既存顧客が離れるリスクもあるため注意が必要です。

たとえば、高級感を重視していたブランドが、統合後にターゲット層を広げて価格を下げる方針をとると、既存ユーザーのブランドロイヤルティが低下する可能性があります。

こうしたリスクを軽減するためには、統合後のブランド戦略を明確にし、既存顧客との信頼関係を維持する取り組みが必要です。

激しい市場競争を強いられることがある

M&A後に、従来と異なる市場での競争が激化することがあります。

たとえば、新たに若年層向けの製品開発に注力する場合、競争相手が増え、価格競争に巻き込まれるリスクがあるでしょう。とくに低価格帯の商品開発に注力すると、利益率の低下を招き、経営効率の悪化につながる可能性もあります。

こうした状況を回避するためには、市場ニーズに応じた製品差別化戦略や、価格以外の付加価値を高める工夫が求められます。

会社の雰囲気が大きく変化することがある

異なる企業文化を持つ2社が統合する場合、従業員の働き方や企業風土に大きな変化が生じることがあります。この変化が従業員にとって不安材料となり、退職者が増えるといった問題につながるケースも少なくありません。

また、待遇や福利厚生の変更が従業員のモチベーションに影響を及ぼす場合もあります。M&Aの過程において、従業員への丁寧な説明や、企業文化の融合に向けた取り組みを行うことが重要です。

化粧品会社のM&Aを成功させるためのポイント

化粧品業界におけるM&Aは、技術力やブランド力を活かし、新たな成長を目指すための重要な戦略です。ただし、成功のためには徹底した準備と慎重な判断が欠かせません。ここでは、化粧品会社のM&Aを成功に導くためのポイントを具体的に解説します。

従業員の引き抜きを目的としたM&Aに注意する

M&Aプロセスにおいて、買い手側が従業員リストの提出を求める場合があります。しかし、従業員の引き抜きを目的とする悪意ある買い手も存在するため、リスト提出時には個人名などの情報を伏せることが重要です。

また、M&Aの実施が従業員に与える心理的影響は大きく、不安感を引き起こす可能性があるため、情報漏洩には細心の注意を払いましょう。従業員への情報開示は、最終契約書締結後に行うのが一般的です。

自社の強みを把握しておく

買い手に魅力を感じてもらうには、自社の強みをしっかり把握し、それを具体的に説明できる準備が不可欠です。

革新的な技術、収益性、製品の差別化要素などをデータや実績をもとに整理し、説得力のある形で譲渡側に伝えることが重要です。買い手からの評価が高まり、交渉を有利に進められるでしょう。

希望する条件・譲れない条件を明確にする

M&Aを成功させるには、自社が望む条件や譲れないポイントを事前に明確にしておくことが必要です。ただし、条件を厳しく設定しすぎると、候補企業が見つかりにくくなるリスクがあります。時間や市場動向を考慮しながら、現実的で柔軟な条件設定を行いましょう。

また、取引へ向けて化粧品特有の法規制(薬機法等)に関する承継や、製品の製造委託契約の承継、製品の知的財産権(特許、商標等)の取り扱いなどを明らかにしておくことも大切です。

M&Aの専門家に相談する

M&Aには、契約法や会社法などの高度な専門知識が必要となるほか、金銭的条件の交渉では豊富な経験が求められます。また、化粧品業界のデューデリジェンスでは「製品の安全性データ」「原材料調達先との契約関係」「研究開発パイプライン」「化粧品GMP(製造品質管理基準)への適合状況」など専門的な調査を行う必要があります。

M&A仲介会社や弁護士、会計士などの専門家に相談することで、安心して手続きや交渉を進めることが可能です。専門家の助言を受けることで、トラブル回避や交渉力の強化が期待できます。

成約後は速やかに説明会を開催する

取引先や業務提携先への対応も、M&A成功の重要なポイントです。成約後には速やかに説明会を開催し、M&A後の運営方針や取引内容が変わらないことを伝えましょう。

例えば、販売代理店契約の承継、海外規制への対応、品質保証体制の統合などについて説明します。取引先や提携先の不安を軽減し、信頼関係を維持しやすくなります。

化粧品業界のM&A成功事例

株式会社コーセーによるPURI CO.,LTD.のM&A

株式会社コーセーは、タイのホリスティックウェルネスブランド「PAÑPURI(パンピューリ)」を展開するPURI CO.,LTD.の株式79.89%を取得し、2024年12月30日付で子会社化する契約を締結しました。本件により、コーセーはグローバルサウス市場でのブランド展開を強化し、国際的な成長を加速させる狙いがあります。

PAÑPURIは、タイの伝統的なハーブやエッセンシャルオイルを活用したラグジュアリーブランドとして、フレグランス、バス&ボディ、スキンケア、ホームフレグランスなどを展開。サステナビリティとクリーンビューティーを重視し、ラグジュアリーな百貨店やホテル、リゾートなどで展開しています。近年、香港への進出や商品改良を通じて急成長を遂げ、タイ国内で確固たる地位を築いています。

本件M&Aにより、コーセーはPAÑPURIのブランド力やウェルネス市場での強みを活用し、新たな顧客基盤を獲得します。また、コーセーの技術力やマーケティング力と組み合わせることで、グローバルな市場展開を加速し、企業価値の向上を図ります。

近年、化粧品業界では「ウェルネス×ビューティー」の市場が拡大しており、本件は東南アジアのローカルブランドを取り込み、グローバル戦略を強化するM&A事例といえます。

【出典】株式会社コーセー「タイ『PURI CO.,LTD.』の株式を取得し、子会社化」

株式会社山田養蜂場による株式会社 pdc及び株式会社フューチャーラボのM&A

株式会社ポーラ・オルビスホールディングスは、連結子会社である株式会社pdcと株式会社フューチャーラボ(FL社)の全株式を譲渡し、グループ外へ売却することを決定しました。本件は、主力事業への経営資源の集中と資本効率の向上を目的とした事業再編の一環です。

pdcは、ドラッグストア市場向けのスキンケアブランド「ピュア ナチュラル」などを展開し、リーズナブルな価格帯の商品を提供。一方、FL社は「デルマQⅡ」などを扱い、テレビ通販や自社ECを通じて話題性のある化粧品を販売してきました。

本件により、pdcは株式会社山田養蜂場へ譲渡され、同社の強みである顧客データを活用した通販ノウハウを活かし、販売拡大を図ります。また、FL社は株式会社ファーマフーズへ譲渡され、同社の機能性素材開発力とのシナジーを活かした高付加価値化粧品の開発が期待されます。

化粧品業界では、ブランドポートフォリオの最適化や販売チャネルの強化が重要課題となっており、本件は選択と集中による競争力向上を狙ったM&A事例といえます。

【出典】株式会社ポーラ・オルビスホールディングス「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」

株式会社ナリス化粧品による株式会社ナリスアップ コスメティックスのM&A

株式会社ナリス化粧品は、子会社である株式会社ナリスアップ コスメティックスを2019年4月1日付で吸収合併しました。本件は、経営資源の統合によるブランド価値向上と事業拡大を目的とした組織再編の一環です。

ナリス化粧品は、訪問販売を主流通とする化粧品メーカーで、1988年からドラッグストアや量販店向けのセルフコスメ市場に参入。2000年には、店頭販売を強化するためナリスアップ コスメティックスを設立し、事業の多角化を進めてきた。同社の業績は3期連続で増収増益を達成しており、今回の合併により、販売促進力やイベント展開力を一体化し、国内外の市場拡大を加速させる狙いがあります。

本合併後、ナリスアップ コスメティックスの事業はナリス化粧品のリテール事業部として継続され、ブランド名「ナリスアップ」も存続します。化粧品業界では、市場競争の激化を背景に、流通チャネルの統合や経営効率向上を目的としたM&Aが進んでおり、本件はその一例といえます。

【出典】株式会社ナリス化粧品「合併に関するお知らせ」

ヤーマン株式会社による株式会社ディーフィットのM&A

ヤーマン株式会社は、化粧品ブランド「まかないこすめ」を展開する株式会社ディーフィットの全株式を取得し、2018年8月31日付で子会社化しました。本件は、インバウンド需要の拡大を見据えた事業強化の一環です。

ディーフィットは、東京駅や成田空港など観光地を中心に店舗を展開し、「和」をコンセプトにした化粧品を提供。ヤーマンは、美容機器と化粧品を主力とし、訪日観光客の増加や2020年東京オリンピックを見据え、外国人向けの販路拡大を目的として本M&Aを実施しました。

また、本株式取得の一部対価として、ヤーマンの自己株式76,000株をディーフィットの経営陣に割り当て、経営の継続性を確保。買収後のシナジーとして、ヤーマンの技術力とディーフィットのブランド力を融合し、新商品開発や海外展開を強化する狙いがあります。

本件は、化粧品ブランドの取得を通じて市場ポジションを強化し、インバウンド需要を取り込む戦略的M&A事例といえます。

【出典】ヤーマン株式会社「株式会社ディーフィットの株式の取得による子会社化及び当該株式取得の一部対価としての第三者割当による自己株式の処分に関するお知らせ」

まとめ|化粧品業界のM&A動向を押さえてM&Aを成功させましょう

化粧品業界では、競争激化や市場変化に対応するためにM&Aが積極的に活用されています。成功事例を見ても、事業拡大やシナジー創出の重要性は明らかといえます。

M&A成功のポイントは、自社の強みを活かしつつ、相手企業との相乗効果を最大限に引き出す戦略的な計画にあります。M&Aを通じて企業価値を向上させ、成長市場での競争力を高めていきましょう。

CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、M&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。M&Aの相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

OTHERS 関連コラム すべてのコラムを見る

SEMINARセミナー すべてのセミナーを見る

最大800万円!?手残りを最大化するための「M&A補助金」~申請前に押さえるべきポイントを徹底解説~
  • Tips

最大800万円!?手残りを最大化するための「M&A補助金」~申請前に押さえるべきポイントを徹底解説~

2025/04/22(火)17:00〜18:00

オンライン

申し込む
会社を4度売却した経営者だけが知るM&Aの裏側 ~企業価値の高め方とは?~
  • Tips
  • M&A体験談

会社を4度売却した経営者だけが知るM&Aの裏側 ~企業価値の高め方とは?~

2025/04/15(火)17:00〜18:30

オンライン

申し込む
BPO・BPaaS企業の課題を解決する!kubellのM&A戦略 ~DX化×Chatworkの顧客基盤活用~
  • Tips

BPO・BPaaS企業の課題を解決する!kubellのM&A戦略 ~DX化×Chatworkの顧客基盤活用~

2025/04/08(火)17:00〜18:00

オンライン

申し込む

CONTACTお問い合わせ

秘密厳守いたします。お気軽にご相談ください。最新の業界動向・M&A相場などわかり易くご説明させていただきます。