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ベンチャー企業が資金調達する方法は?方法ごとのメリットデメリットを解説

資金調達

  • 公開日2025.04.09
  • 更新日2025.04.09

ベンチャー企業が資金調達する方法は?方法ごとのメリットデメリットを解説

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ベンチャー企業に付きものの経営課題の一つが、「資金調達」です。特に創業期は実績や担保が不足し、金融機関からの融資が困難なケースがあるため、調達方法の選択肢が限られます。

そこで今回は、ベンチャー企業が活用できる、多様な資金調達手段について徹底解説します。各手法のメリット・デメリットに触れますので、自社に最適な調達戦略を比較検討しましょう。

ベンチャー企業における資金調達の重要性

革新的なアイデア・技術で新市場を開拓するベンチャー企業にとって、資金調達は常に付きまとう重要課題です。資金調達の可否が、事業の成否をわける要因といえるでしょう。

企業の経営には「ヒト・モノ・カネ」という三つの主要なリソースが必要とされますが、ベンチャー企業はこれらが十分に揃っていないケースが多いのが現状です。特に「金」の調達が難しく、たとえ優れた商品化のアイデアがあっても、資金不足により開発できないケースが少なくありません。

資金調達に成功することで必要な人材を確保し、商品開発のスピードを高められます。また、投資機関からの出資を受ければ、事業拡大に向けたさまざまなサポートを得られる可能性も広がります。

ベンチャー企業の資金調達が難しい理由は?

創業間もないベンチャー企業は事業実績が少なく、経営基盤も確立されていない状況であることが一般的です。このため、従来の金融機関からの融資を受けることが難しく、調達方法の選択肢が限られてしまいます。

特に創業期においては、革新的なアイデアは存在するものの、商品自体が形になっていないケースが多く見られます。自己資金が十分でない場合、商品開発に必要な費用の支払いにも苦慮するでしょう。

また、業績が極めて不安定なベンチャー企業は、財務的な余裕がないことから、資金繰りがショートするリスクがあります。こうした不確実性の高さも、金融機関からの資金調達を困難にしている要因です。

ベンチャーの資金調達の方法

ベンチャー企業の資金調達方法は、「出資」「融資」「社債」などに大別されます。

その際、ベンチャー企業の段階によって選択できる資金調達の方法に違いがあります。シード期は「自己資金」「エンジェル投資家」「補助金」が主流です。アーリー期は「ベンチャーキャピタル(VC)」からの調達が中心となります。ミドル期以降になると、「銀行融資」や「社債」も視野に入るでしょう。

ここでは、各調達方法の詳細やメリット・デメリットを解説します。

出資

エンジェル投資家

個人資産でベンチャー企業などに投資する個人投資家を「エンジェル投資家」といいます。エンジェル投資家からは、数百万円~数千万円規模の調達が主流です。事業計画の独創性や起業家の熱意が評価基準となります。ただし、出資額に上限があったり、経営ノウハウなどの提供を受けられなかったりします。

ベンチャーキャピタル(VC)

機関投資家から集めた資金を運用する専門組織で、億単位の大規模調達が可能です。上場やM&Aを見据えた中長期の成長支援を受けられる反面、経営陣の入れ替え要求や業績達成などのプレッシャーが生じるリスクがあります。また、投資契約では株式比率や経営介入条項の確認が必須です。

融資

銀行

民間金融機関からの融資は、低金利で多額の資金を調達できるメリットがあります。特に地方銀行では、ベンチャー企業向けの審査ノウハウが蓄積されており、事業計画の成長性を重視する傾向があります。ただし、実績や担保不足を理由に審査が厳格化するケースもあるため、創業直後の企業にはハードルが高くなることがあります。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の融資制度を利用すれば、設備資金および長期運転資金を調達できます。例えば「スタートアップ支援資金」では、融資限度額20億円(20億円)を設備資金・運転資金として活用可能です。返済期間は設備資金・運転資金ともに20年以内で、無保証人で利用できます。詳しくは日本政策金融公庫のサイトで最新情報をご確認ください。

【参考】日本政策金融公庫「スタートアップ支援資金」

信用保証協会

自治体と連携した制度融資は、保証料を支払うことで信用補完を受け、金融機関からの融資を受けやすくする仕組みを採用しています。例えば、「スタートアップ創出促進保証制度」を利用すれば、個人保証なしで最大3,500万円の資金調達が可能です。ただし保証料の支払いが追加コストとなり、地域によって利用条件が異なる点に注意しましょう。

社債

社債発行による資金調達のメリットは、株式譲渡を伴わないことから、経営支配権を維持できる点です。利息支払いは損金算入可能なため節税効果が期待でき、満期期間や金利を自社で設定できる柔軟性もあります。

一方、デメリットとして挙げられるのは調達コストの高さです。社債管理委託手数料や発行事務費用が発生し、銀行融資と比べて金利が高くなる傾向があります。さらに元本返済義務が生じるためキャッシュフロー管理が重要で、返済遅延は信用力低下を招くリスクがあります。

補助金や助成金

国や地方自治体

国や地方自治体は、技術開発や雇用創出など社会貢献性の高い事業を優先的に支援しています。例えば、中小企業庁の「小規模事業者持続化補助金」は、販路拡大費用の最大100万円を補助し、商工会議所の経営アドバイスも利用できます。

申請書類の作成に時間がかかるほか、採択率は低下傾向にあるのがデメリットです。また、一部の補助金・助成金制度は、事業実績の有無が審査基準となるため、創業直後の企業は対象外となるケースもあります。

商工会議所

全国の商工会議所では、地域経済活性化を目的とした支援プログラムを展開しています。例えば、「事業再構築補助金」は中小企業庁の制度ですが、商工会議所が申請サポートを行うことがあります。デジタルトランスフォーメーション(DX)化や業務改革に必要な費用の補助を受けられるのがメリットです。

ただし、補助金情報の更新頻度は月1回程度と遅いため、締切間際での申請準備を余儀なくされることがあります。また、地方によって補助対象業種に偏りがあり、IT系ベンチャーが対象外となる地域格差も生じています。

クラウドファンディング

クラウドファンディングには、「All-or-Nothing方式」と「All-In方式」の2種類があります。製品やサービスへの市場反応を事前に測定できるのがメリットです。支援者からのフィードバックにより事業改善につながるケースも多く見られます。ただし、手数料は調達額に比例して増加するため、コスト計算を誤ると実質的な利益を圧迫する懸念もあります。

ベンチャーが資金調達するときの注意点

資金調達の方法次第では、経営の自由度が制限されたり、事業計画に影響を与えたりする可能性があります。ここでは、ベンチャー企業が資金調達をする際に知っておきたい注意点をご紹介します。

経営に制限を受けるリスクがある

出資を受ける場合、投資家が取締役会の議決権を取得すると、事業方針の決定権が分散し、創業者の意向と異なる方向性が採用されるケースが少なくありません。このように、資金調達を機に経営陣への介入が発生する可能性があります。

不利な条件での調達になるおそれがある

ベンチャー企業の資金調達では、「企業が過小評価されるリスク」や「交渉力の不均衡」があることから、不利な条件を受け入れざるを得ない状況が生じます。例えば企業価値評価では、「DCF法」や「類似企業比較法」が採用されることが多く、場合によっては企業価値が過小評価されるリスクも存在します。また、成長初期の企業ほど投資家側が主導権を握りやすく、経営陣の意思決定に影響を与える条項が設定されることも少なくありません。

資金調達までに時間がかかることが多い

出資プロセスには相応の時間がかかります。ベンチャーキャピタルの場合、デューデリジェンス(企業調査)に1~2カ月、契約交渉に1カ月以上を要するのが一般的です。同様に金融機関融資でも、書類審査に2~3週間、実行までに1~2カ月必要となるため、資金需要のピークに間に合わない可能性があります。

融資の返済の義務がある

融資では元本に加えて利息の支払いが発生するため、返済計画を慎重に立てる必要があります。売上拡大が計画通りに進まないと、調達元と返済スケジュールの調整が必要となるでしょう。万が一、返済が滞っている場合、自社の信用情報に傷がつきます。

まとめ|自社の状況を見極めて調達方法を選択しましょう

ベンチャー企業の資金調達方法は多岐にわたり、各手法にメリットがあります。しかし、経営への制限、不利な契約条件、時間的制約、返済負担など、それぞれに固有のリスクが存在します。自社の状況を見極めた上で、メリットの大きい調達方法を選ぶことが大切です。

CINC Capitalは、M&A仲介協会会員および中小企業庁のM&A登録支援機関として、資金調達やM&Aのご相談を受け付けております。業界歴10年以上のプロアドバイザーが、お客様の真の利益を追求します。相談をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

阿部 泰士

CINC Capital取締役執行役員社長

阿部 泰士

リクルートHRマーケティング、外資系製薬メーカーのバクスターを経て、M&A業界へ転身。 日本M&AセンターにてM&Aアドバイザーとして経験を積み、ABNアドバイザーズ(あおぞら銀行100%子会社)では執行役員営業本部長として営業組織を牽引。2024年10月より上場会社CINCの100%子会社設立後、現職に就任。

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